2017年12月13日

『丹下健三 ディテールの思考』

バルザックの小説『ゴリオ爺さん』の冒頭は、パリ下町の狭い路地の奥の下宿屋への道のりに、どこに何がどのように生えていたり置かれていたりするのか、何回の誰の部屋には何がどのように置かれていてそれにはどんな挿話があるのかを、息の長い長い文章でネチネチと書き綴られていて、読み進めるのは難儀なのだけれども次第に気持ちよくなってきて、ああ、ラスティニャックやゴリオの暮らしていたパリはこのような時代、このような場所であったのかということが匂い立つようにして明らかになってくるというものになっている。

本書もまた、モノとしての丹下建築が、どのように作られているのかを正確に克明にネチネチと記述していく。どの建物も有名なものでありその多くは実際に体験したこともある空間だけれども、ここに書かれているような形で作られているのだとは知らなかったから、読み進めるうちに、自分の知らなかった建築の有様が匂い立つようにして眼前に現れてくるように感じられ、その難儀な書き振りに付き合っていくことを通じて、丹下が、時代の最高のエンジニアとともに、攻め切ったギリギリの方法で、建築を作り続けてきたことがよくわかるのである。

この、バルザックのような、ネチネチと濃密な細部の記述を楽しんで読み進めていけるかどうかは、建築を業とできるかどうかの試金石にもなりうるのではなかろうか。そして、嬉々としてこのように書き進める筆者の資質にもまた喜ばしく走る勢いを感じずにはおられない。

人脈や時代精神のことではなく、極めて即物的に丹下建築が現れてくる。読みたかったのはこういう丹下建築論だ。

2017年10月20日

受講生募集 東北大学FDC NTTスタジオ「なぜ集まって暮らすのか? ~卸町復興公営住宅からコミュニティを考える~」

受講生募集中 東北大学FDC PBL Design Studio 1, NTT Studio by masashige.motoe on Scribd

東北大学大学院工学研究科フィールドデザインセンターによる、PBLデザインスタジオ1 NTTスタジオ「なぜ集まって暮らすのか? ~卸町復興公営住宅からコミュニティを考える~」が下記の通り開講になります。

主催: 東北大学大学院工学研究科フィールドデザインセンター、NTT サービスエボリューション研究所

PBLデザインスタジオとは、様々な分野から集まったメンバーのコラボレーションを通じて、 社会課題の解決を目指す、プロジェクト駆動型のデザイン・ワークショップです。 その第一弾となる NTTスタジオでは、卸町復興公営住宅をフィールドにし、 災害公営住宅のコミュニティ形成に資するサービスの創出を目指します。

受講資格: 東北大学および EARTH on EDGE 参加大学 ( 北海道大学 / 小樽商科大学 / 京都大学 / 神戸大学 / 宮城大学 ) の 大学院生または学部生。所属専攻・学科、デザイン経験は問いません。 工学研究科だけでなく、他研究科・学部学生の受講も歓迎します。

受講説明会開催(申込不要)

2017/10/26 (木) 18:30~19:30 @ 東北大学青葉山キャンパス 人間・環境系教育研究棟[F01]1 階 104 教室

詳細は、[東北大学大学院工学研究科フィールドデザインセンター www.fdc.eng.tohoku.ac.jp](www.fdc.eng.tohoku.ac.jp) 

本江正茂
Masashige Motoe

東北大学大学院工学研究科
都市·建築学専攻
都市·建築デザイン学講座
ITコミュニケーションデザイン学分野

〒980-8579
仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-06
tel. 022 795 5028
motoe@tohoku.ac.jp
www.motoelab.com
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