2017年10月03日

「デザインとエンジニアリング」2017年度 開講します。

「デザインとエンジニアリング」2017年度を10月23日より開講します。

すべての工学部生、工学研究科生のための科目であり、履修にあたって学科・専攻は問いません。 「デザイン」経験も不問です。

主旨

  • デザインは単に見栄えを整えることではない。
  • デザインはモノに意味を与え価値を創造する。
  • デザインを通じてテクノロジーは社会に接続される。
  • 工学部で学んでいく専門知識をどう社会に活かすのか。

概要

  • オムニバス講義+ワークショップ
  • 2017年10月23日より 全7回 月曜5限 16:20-17:50
  • 初回は、青葉山キャンパス人間・環境系教育研究棟 1階 建築第三講義室(104)教室にて

講義日程

  1. 10月23日(月) デザインと工学/本江正茂(都市・建築デザイン)
  2. 11日13日(月) デザインと対話/北村喜文(インタラクティブ コンテンツ)
  3. 11月20日(月) デザインとナノテクノロジー/野村慎一郎(分子ロボティクス)
  4. 11月27日(月) デザインと空間/本江正茂(都市・建築デザイン)
  5. 12月 4日(月)  デザインと人工知能/岡谷貴之(人工知能、コンピュータビジョン)
  6. 12月11日(月) デザインと機構/多田隈建二郎(ロボティクス)
  7. 12月18日(月) デザインの実践 ワークショップ/本江正茂 

デザインとエンジニアリング 2017 by masashige.motoe on Scribd

2017年09月19日

Zeitz MOCAA

トーマス・ヘザウィックが、南アフリカのケープタウンの港に立つ穀物倉庫を改修して、美術館「ツァイツ・アフリカ現代美術館」を作った。高層階にはホテルも作られている。

Inside the new Zeitz MOCAA in Cape Town, South Africa

円筒が並ぶサイロをくりぬいてアトリウムにしており、円筒を切り裂いた複雑な切り口が現れている。

トーマス・ヘザウィックのサイトには、ダイアグラムも含めて多くの資料が掲載されている。

Zeitz MOCAA

Zeitz Museum of Contemporary Art Africa (Zeitz MOCAA), Cape Town / Interview with Mark Coetzee

アフリカの穀物を世界中に輸出するための施設が、アフリカのアーティストを世界中に紹介するための場所になる、と言う見立て。

新築によるのでは帯びることのできない場所の意味を、改修によって獲得する例のひとつ。

かなり大きなウォーターフロント開発の一環として作られている。

V&A Waterfront, Capetown

グランド・オープンは2017年9月22日。

https://zeitzmocaa.museum

2017年08月26日

災害遺構: シルエット型とディテール型

建築の災害遺構としての保存は、壊れてしまったものを壊れた状態のまま残すという、普通の建築デザインとは全く異なった思想で作られる。ここには様々なトレードオフの関係が生じてしまう。

内部を公開しようとすれば安全の確保が必須だが、安全確保のための諸策と破損状態の維持とはどうしてもトレードオフになる。落ちるかわからない天井の下を歩かせることはできないから、固定し直すか、ネットなどで新たな天井を張ることになる。めくれた床は、つまずくといけないので剥がされてしまう。そのようにして,そこで何がおきたかを静かに語っていたディテールは失われてゆく。がらんどうの躯体だけになってしまっては、何の気配も感じられない、ということになりかねない。

また長期間にわたって「壊れた状態」を維持するというのも通常ではありえないことで、特殊な表面保護をしたり、裏側で補強をしたりするなどの作業が必要になる。が、これをやりすぎると、なにか偽物めいた印象の空間にどうしてもなってしまうのである。災害による破損と経年変化による破損とを区別できることは確かに望ましい。美術作品の補修のように、のちに手が加えられたことがはっきりとわかるようにしておくことも必要だろう。時間を止めることはできない。未来永劫残しておけるのでなければ残す意味がない、というものでもない。しばらく残す、ということにも意味がある。

また、遺構は建築自体が展示品であると同時に、内部空間に様々な展示がなされることが多い。両者が補完関係にあることは当然だが、建築自体の改修デザインと内部の展示デザインとの調和がとれていなくてはならない。写真やインフォグラフィックスなどの表象展示には説明としての力はあるけれども、遺構のモノとしての価値が毀損されてしまっていたら、とてもそれを埋めることはできない。

これらのトレードオフに、適切な均衡をもたらすことが災害遺構のデザインの要諦である。そのためには前段として、そもそも遺構にどんな価値があるのかの同定を十分に議論しておく必要がある。

災害遺構の建築にはシルエット型とディテール型の二種類あると言えそうだ。

原爆ドームや女川交番のように、躯体そのものが大きな損傷を受けているものは、輪郭が変わってしまっているので、シルエットで十分にインパクトを示すことができる。躯体の健全性を保つことができれば、超長期にわたって遺構としての意義を保てるだろう。

一方、山元町の中浜小学校はディテールが重要である。RCの躯体はそのまま残っているからこそ、サッシュや間仕切りなどの二次部材、表面仕上げ,ひいては什器、備品などにスケールを超えて一貫している、損傷のディテールを見ることができなくては、何も感じ取ることができない恐れがある。

このことを踏まえずに、前述のトレードオフのバランスを吟味せずに、来場者の安全に、長期の保全に、表象の展示に重みを与えすぎてしまうと、そもそも何のためにモノとして遺構を保存し公開するのかを見失うことになる。

ディテールをして語らしめるタイプの災害遺構は、なるべくそのままに残さなくてはならない。そのためには、限界を設定しなくてはならない。

2017年08月25日

自治体による震災メモリアル施設整備の現状—仙台市と山元町の事例から

と題して、災害研で定期的に開催されているカジュアルな研究集会、第48回IRIDeS金曜フォーラムで発表します。

http://irides.tohoku.ac.jp/event/irides-forum2017/20170825.html

  • 日時:2017年8月25日(金) 16:30~18:10
  • 会場:東北大学災害科学国際研究所棟1F 多目的ホール
  • テーマ:「東日本大震災からの復興と再生」

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事前申し込み不要で、無料ですので、お時間あればぜひ。

私が基本計画策定や展示の実装等に関わった、被災自治体の東日本大震災メモリアル施設について、コンセプトから具体的なデザインワークまでを概観します。対象は、仙台市の「せんだい3.11メモリアル交流館」「震災遺構 仙台市立荒浜小学校」、山元町の「山下地域交流センター防災情報展示コーナー」「山元町立旧中浜小学校」。いずれも地域交流施設と震災遺構とを一対と位置付け、市民の積極的・持続的な参加を志向するものとなっています。

番組詳細については上記のURLをご確認ください。私の話はともかく、石塚直樹(一般社団法人みやぎ連携復興センター代表理事)さんの「地域復興に向けた支援の『いま』〜みやぎ連携復興センターの取組から」や、島田明夫(東北大学公共政策大学院 (兼)人間・社会対応研究部門 防災法制度研究分野)先生の「東日本大震災からの復興まちづくり法制に関する研究」もお聴きいただけます。

 

本江正茂
Masashige Motoe

東北大学大学院工学研究科
都市·建築学専攻
都市·建築デザイン学講座
ITコミュニケーションデザイン学分野

〒980-8579
仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-06
tel. 022 795 5028
motoe@tohoku.ac.jp
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