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建築ITコミュニケーションデザイン論 アーカイブ

2005年04月12日

建築ITコミュニケーションデザイン論

2005年4月13日(水)開講です。
東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻博士課程前期2年 選択科目

この講義のホームページ
建築ITコミュニケーションデザイン論

2005年04月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.4.13

第一回。ガイダンス
Aitcd 2005 01

2005年04月20日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.4.20

データの表象
Aitcd 2005 02

2005年04月27日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.4.27

空間の表象
Aitcd 2005 03

2005年05月11日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2005.5.11

身体と空間(1) 視覚
Aitcd 2005 04

2005年05月18日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.5.18

身体と空間(2)
Aitcd 2005 05

アフォーダンスの話は尻切れに終わったので,次回に続きを簡単にやる予定。

2005年05月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.5.25

アフォーダンス。
ノーマンの「アフォーダンス」,ギブソンのアフォーダンス,オートポイエーシス
Aitcd 2005 06

2005年06月01日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.6.1

情報の反意語は何か?
Re-Place-ing Space
Aitcd 2005 07

2005年06月08日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2005.6.8

情報と都市。時間と空間の再編成。
Aitcd 2005 08

2005年06月15日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.6.15

速度とスケール
来週,再来週は休講。次回は7月6日です。
Aitcd 2005 09

2005年07月06日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.7.6

建築とコンピュータ
Aitcd 2005 10

2005年07月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.7.13

「情報化社会」という神話
Aitcd 2005 11

2005年07月20日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.7.20

情報技術と没場所性(その1)
ハンドアウトは次回も使いますので,持ってきてください。
Aitcd 2005 12

2005年07月27日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2005.7.27

情報技術と没場所性(その2)
ハンドアウトは前回と共通です。

次回,8月3日に補講。
期末レポート課題もこの時説明しますが,事前に学内の掲示板にレポート課題を出しておいてもらいますので,注意しておいてください。

2005年07月28日

建築ITコミュニケーションデザイン論,期末レポート課題


本レポートの内容をもって成績評価を行うので、単位取得を希望する学生は必ず期限までに提出すること。

■課題
(1)講義で扱ったトピックのうち,もっとも関心をもったものを挙げ,
(2)そのトピックに関わる具体的な事例として,実在する人工物やシステム——建築,開発段階のものを含むプロダクト,各種サービスなど——を二つ以上提示しながら,
(3)それら人工物やシステムが,人々のコミュニケーションにもたらす/もたらした影響について論ぜよ。

■採点基準
採点にあたっては,全体の議論の論理的整合性および独創性を重視する。

■体裁等
emailに添付して本江まで送付する。
ファイルフォーマットはPDFとする。
ファイルサイズはなるべく5MB以内に圧縮すること。
必要に応じて図版を使用することが望ましい。

■締切と提出場所
送付先アドレス motoe@myu.ac.jp
2005年8月11日(木)のうちに送信すること。

■その他の注意事項
8月3日の補講において,課題の趣旨について再度説明する。
優れたレポートについては、内容をWWW上で公開する場合がある。

2005年07月31日

『生物から見た世界』

ユクスキュル, クリサート,『生物から見た世界』日高敏隆, 羽田節子訳,岩波文庫,2005

環境世界論の古典。手に入りにくくなっていたが,文庫になった。必読。

2005年08月03日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.8.3

最終回。環境情報デザイン論。期末課題レポートについて
Aitcd 2005 14

2005年08月23日

知覚されたアフォーダンス

ギブソンのアフォーダンスとノーマンのアフォーダンスの違いをクリアに解説。

fladdict.net blog: アフォーダンスってなんザンス?


ダニエル・ノーマンは後年に、「誰の為のデザイン」で言及されているアフォーダンスは全て、ギブソンの言うアフォーダンスではない、と訂正を行っています。そして、ギブソンのいうアフォーダンスを実際のアフォーダンス(Real Affordance)と呼んだ上で、自らの著書内にあるアフォーダンスという文章は全て、「知覚されたアフォーダンス(Perceived Affordance)」と読むべきだ、と言及しています。


(引用者註:文中の「ダニエル・ノーマン」は「ドナルド・ノーマン」の誤り)

その訂正を行ったノーマンのエッセイがこれだそうだ。
Affordance, Conventions and Design ( jnd.org )

私の書いたグズグズと長い,ふたつのアフォーダンスの話,きちんと直していかないといけないなあ。

2006年04月12日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2006.4.12

はじめに
講義日程,自己紹介等

Aitcd 2006 01-1

次回は4/19,「データの表象」です。

2006年04月19日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2006.4.19

データの表象
Aitcd 2006 02

2006年04月26日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.4.26

空間の表象
Aitcd 2006 03

2006年05月10日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.5.10

身体と空間(1) 視覚
Aitcd 2006 04

授業で最後に見せた錯視の事例は下記で詳しく見られます。
北岡明佳の錯視のページ

2006年05月17日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2006.5.17

身体と空間(2): 環境世界,アフォーダンス、ヒューマンスケール、なわばり感覚
Aitcd 2006 05

下記のとおりスケジュールを変更します。来週は運動会のため休講。

2006年度のスケジュール 更新 2006.5.16

続きを読む "建築ITコミュニケーションデザイン論,2006.5.17" »

2006年05月31日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.5.31

情報の反意語は何か?
Aitcd 2006 06

2006年06月07日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.6.7

情報と都市
Aitcd 2006 07

2006年06月14日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.6.14

本日は都合により休講としました。
来週は予定どおり行います。

今期の今後の予定:
2006年6月21日[水] 速度とスケール
2006年6月28日[水] 休講
2006年7月5日[水] 休講
2006年7月12日[水] 「『情報化社会』論』論
2006年7月19日[水] 没場所化する社会と場所へのコミットメント

2006年06月21日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.6.21

速度とスケール
Aitcd 2006 08

2006年07月12日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2006.7.12

情報化社会という神話
Aitcd 2006 09

来週は最終回。期末レポートの課題を説明します。

2006年07月19日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2006.7.19

最終回。環境情報デザイン論
期末レポート課題:Aitcd 2006 Report

2006年08月30日

Sensorama

映像作家Morton Heilig が1962年に作ったVRシミュレータの先駆け。

 Blog Wp-Content Uploads 2006 08 Sensorama1

オートバイで走る主観カメラ映像にあわせて,9つのファンから利用者の顔に風をあてたり,座席を振動させたり,花壇の脇を通るときにはジャスミンやハイビスカスの香りを聞かせたり,ブルックリンのイタリアンレストランの前を通るときにはピザを焼くにおいをさせたりするのだそうだ。

オートバイの作品の他にも,「ベリーダンサー」「砂丘のバギー」「ヘリコプター」「サビーナとのデート」「私はコカコーラのボトル」などをつくった。2分ほどの作品らしい。

via Proceedings of the Athanasius Kircher Society » Morton Heilig’s Sensorama

関連:
上記で示されているSensoramaについての言及のあるMITの論文:Joseph Nathaniel Kaye, Symbolic Olfactory Display

Morton Heilig について情報を集めたサイト:THE FATHER OF VIRTUAL REALITY
ここにはHeiligによるSensoramaのパテントもある。詳しい図解付き。飛行機の操縦の訓練なんかにこのシミュレータは有効だとしている。

2007年04月10日

建築ITコミュニケーションデザイン論 2007.4.11 休講

いきなりですが、
次週4/18より開講します。

2007年04月18日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.4.18

はじめに
今期の日程
aitcd_2007_01.pdf

2007年04月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2007.4.25

データの表象
aitcd_2007_02.pdf

2007年05月10日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.5.9

空間の表象
aitcd_2007_03.pdf

2007年05月16日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.5.16

身体と空間1:視覚
aitcd_2007_04.pdf

2007年05月30日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.5.30

本日は履修者の多くが海外研修のため休講とします。

2007年06月06日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.6.6

公休の学生が多いので気楽な回。
前回ドッベルビジョンの例を紹介したテレビ番組を見る。

次回は、今日の意見を下敷きに議論を始めます。

aitcd_2007_05.pdf

2007年06月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2007.6.13

身体と空間(3)
ユクスキュル、B. スミス、J. ギブソン
aitcd_2007_06.pdf

毎度煮え切らない状態のまま終わる回。
私自身が十分に理解できていないということなのだが。

2007年06月20日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.6.20

情報の反意語は何か?
aitcd_2007_07.rtfd

2007年06月27日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.6.27

情報と都市
aitcd_2007_08.pdf

2007年07月04日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2007.7.4

速度とスケール
aitcd_2007_09.rtf

2007年07月11日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.7.11

情報化社会論
授業評価アンケート
aitcd_2007_10.pdf

期末レポート課題。締め切りは8月10日。
aitcd_2007_report課題.pdf

来週、7月18日は、修士論文中間発表会のため休講。
修士一年生も発表を聞くべし。

次回は7月25日。最終回です。

2007年07月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2007.7.25

最終回。
環境情報デザイン論:場所へのコミットメントをデザインする。

ハンドアウト無し。
期末レポートについては、前回のハンドアウトを参照のこと。
下記から入手できる。
http://www.mediafire.com/?ejzhhf324wy

2007年07月28日

Dialog in the Dark 今年も

9月から12月まで、東京の旧赤坂小学校の廃校で。

Dialog in the Dark Japan

常設化への運動も行われているようです。

2008年04月17日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008.4.16

はじめに
aitcd_2008_01.pdf
※ハンドアウトのリンクを修正しました。(2008.4.20)

来週は休講。次回は4月30日です。


↓ハンドアウトを、Scribd経由で配布してみるテスト。でかすぎてウザイですか?

Read this doc on Scribd: aitcd 2008 01

2008年04月22日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2008.4.23 休講

既報のとおり、明日は休講です。
次回は4月30日。

2008年04月30日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008.4.30

データの表象

aitcd_2008_02.pdf

Read this doc on Scribd: aitcd 2008 02

次回は、空間の表象。

2008年05月07日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008-05-07

空間の表象

aitcd_2008_03.pdf

Read this doc on Scribd: aitcd 2008 03

2008年05月11日

バベッジの階差機関の復元

WIRED VISIONに、先日の講義でふれたチャールズ・バベッジの階差機関の復元についての記事が出た。ビデオ必見。
160年を経て完成した『バベッジの階差機関』:動画で紹介 | WIRED VISION:

2008年05月15日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008-05-15

身体と空間(1) 視覚
aitcd_2008_04.pdf

Read this doc on Scribd: aitcd 2008 04

2008年05月21日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2008-05-21

情報の反意語は何か
aitcd_2008_05.pdf

2008年05月28日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008-05-28

第6回 身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるのか?

aitcd_2008_06環境世界論.pdf

2008年06月04日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2008-06-04

第7回 情報と都市。時間と空間の再編成
居ることの経済性、情報都市、監視社会
aitcd_2008_07.pdf

2008年06月11日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008-06-11

速度とスケール
aitcd_2008_08.pdf

2008年06月18日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2008-06-18

第9回:「情報化社会」という神話
aitcd_2008_09.pdf

2008年06月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008-06-25

建築とコンピュータ
aitcd_2008_10.pdf

2008年07月23日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2008-07-23

最終回
期末レポート課題出題
ワールドカフェ形式のワークショップ

レポート締切は、8月8日です。

aitcd_2008_11_report課題.pdf

2009年04月15日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2009-04-15

はじめに
aitcd_2009_01.pdf

次回は4月22日です。
もう少し収容人数の多い教室を探しますが、とりあえず109大学院講義室に集まってください。

2009年04月22日

教室変更:建築ITコミュニケーションデザイン論は建3教室で

本日から、建築ITコミュニケーション論の教室を2Fの建3教室に変更します。

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2009-04--22

データの表象
aitcd_2009_02.pdf

次回は2週休講の後、5月13日「空間の表象」です。
教室が建3教室に変更になっていますのでご注意ください。

2009年05月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2009-05-13

空間の表象
aitcd_2009_03.pdf

2009年05月20日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2009-05-20

身体と空間(1) 視覚
aitcd_2009_04.pdf

2009年05月27日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2009-05-27

環境世界論
aitcd_2009_05.pdf

2009年06月03日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2009-06-03

速度とスケール(短縮版)
aitcd_2009_06短縮版.pdf

2009年06月10日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2009-06-10

情報化社会という神話
aitcd_2009_07.pdf

2009年07月01日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2009-07-01

建築とコンピュータ

aitcd_2009_08.pdf

2009年07月08日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2009-07-08

情報と都市。時間と空間の再編成
aitcd_2009_09.pdf

レポート課題を出題しました。
メールで提出してください。
2009年8月7日(金)消印(送信タイムスタンプ)有効です。
aitcd_2009_09_report課題.pdf

2009年08月05日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2009-08-05

最終回。
レポート課題の逆、つまり「人々のコミュニケーションのありかたの変化が、人工物やシステムにもたらす/もたらした影響」について、ワールドカフェ形式で議論した。
宿主のメモもそのままPDFに含まれている。
aitcd_2009_10.pdf

2010年04月14日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2010-04-14

はじめに。教員紹介。
aitcd_2010_01.pdf

2010年04月21日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-04-21

データの表象
aitcd_2010_02.pdf

2010年04月28日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-04-28

空間の表象
aitcd_2010_03.pdf

2010年05月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-05-12

身体と空間(1)視覚
aitcd_2010_04.pdf

2010年05月19日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-05-19

身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるのか?

aitcd_2010_05環境世界論.pdf

毎年、この回の講義は難儀である。
なんでそのことが問題なのかを、建築の問題に着陸できる形で、うまく説明できないからだ。

生物は世界に意味や価値を見出しながら生きている。実感としてそうである。そのことの不思議をきちんと捉えたい。

一方、近代科学の世界観によれば、世界そのものには意味は存在しない。意味は認識されるものである。こっちにある。そっちにはない。

たとえば、色彩。
生き物は大抵、鮮血の色におびえ、新緑の色にわきたつだろう。色彩には意味があり価値がある。
しかし、近代科学における色彩は、物質表面の微細構造による反射の性質と、光の刺激に対する神経と脳の反応の問題とに分解されてしまう。

その説明は理解できるんだけど、二極化されてしまった「色彩」のありようは、どちらも生き物が普通には承知できない水準におかれてしまっている。そう説明されるとき、それはもう生き物と環境との関係のなかに見出される豊かな「色彩」とは関係ないものになってはいないか。理解はできても、生き物が環境と意味や価値をやりとりしながら生きているという出来事の説明として、得心がいかないように感じられる。直観に反する結論に至るという近代科学の醍醐味を知らないわけではない。しかし、なんだか、はぐらかされているようだ。

そこで、今日の講義では、生物が環境とかかわりながら生きていることを、議論の水準をずらさずに、説明しようとしている人たちを3人呼び出してみた。
- 環境世界論のユクスキュル
- 環境形而上学のバリー・スミス
- アフォーダンスのギブソン

しかし、今日は、それぞれのことをそれぞれに説明しているだけで、相互の連関も必ずしもうまく述べることができていなくて、断片的な話をしているだけという感じなのである。我ながら。

齋藤 暢人(早稲田大学)/染谷 昌義(東京大学)「生態心理学から環境形而上学へ ――「形式的存在論」の応用の諸相――」なんかすごく面白いと私は思うのだけれど、その面白さを、普通の建築の学生が面白がれるような形で、うまく転換できていないのであった。

この講義の一番のネタ本はこれ。今日の本江の説明はあまりよくわからなかったが、なんとなく興味をもったというむきは、まずこれを読まれよ。


"包まれるヒト―“環境”の存在論 (シリーズ ヒトの科学)" (岩波書店)

あと、たとえば記号学的な意味での色彩の話はフツーにいっぱいあるんだから、デザイン論としてはその水準でいいんじゃね? という反論への答え方も用意できてない。

もうちょっと勉強して、さらに考えないといかんな。

2010年05月26日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-05-26

速度とスケール
aitcd_2010_06.pdf

次週6月2日は休講とします。
次回は6月9日です。

2010年06月09日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-06-09

情報の反意語は何か?
aitcd_2010_07情報の反意語.pdf


具体と抽象の間で、
自律完結と断片の間で、
その中間的状態として、流動化しつつ、まとまりを保とうとする「情報」という状態について。

2010年06月16日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2010-06-16

「情報化社会」という神話
aitcd_2010_08情報社会.pdf

2010年06月23日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2010-06-23

情報と都市
aitcd_2010_09.pdf
来週6/30は休講。
次回は7/7です。期末レポートの課題を説明します。

2010年07月07日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2010-07-07

第10回 アーキテクチャ
aitcd2010_10.pdf

期末レポート課題も上記レジメにふくまれています。
〆切は8月6日。


2011年05月12日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2010-05-11

aitcd_2011_01.pdf

はじめに,教員紹介。

2011年05月18日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2010-05-18

データの表象
aitcd_2011_02.pdf

2011年05月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2011-05-25

空間の表象
aitcd_2011_03.pdf

2011年06月01日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2011-6-1

身体と空間(1) 視覚
aitcd_2011_04.pdf

2011年06月08日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2011-06-08

身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるのか?

aitcd_2011_05環境世界論.pdf

2011年06月09日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2011-06-08

身体と空間(2)
意味や価値は世界のどこにあるか?

aitcd_2011_05環境世界論.pdf

2011年06月15日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2011-06-15

速度とスケール。Powers of Ten,時間の文化史、鉄道旅行の歴史
aitcd_2011_06.pdf

建築ITコミュニケーションデザイン論 2011-06-15

速度とスケール。
Powers of Ten,時間の文化史、鉄道旅行の歴史。
aitcd_2011_06.pdf

2011年06月22日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2011-06-22

情報の反意語は何か?

aitcd_2011_07情報の反意語.pdf

2011年06月29日

建築TIコミュニケーションデザイン論,2011-06-29

「情報化社会」という神話

aitcd_2011_08情報社会.pdf

2011年07月06日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2011-07-06

情報と都市,時間と空間の再編成

aitcd_2011_09.pdf

2012年04月11日

建築ITコミュニケーションデザイン論 2012-04-12

第1回。はじめに。講師紹介。

宿題があります。

aitcd_2012_01.pdf

次回は4月18日。データの表象。

2012年04月18日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2012-04-18

データの表象

aitcd_2012_02.pdf

2012年04月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 20102-04-25

空間の表象

aitcd_2012_03.pdf

来週は休講。次回は5月9日。

2012年05月10日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2012-05-09

身体と空間(1) 視覚

2012年05月16日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2012-05-16

身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるのか? なお、6月20日は休講にします。

2012年05月23日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2012-05-23

速度とスケール、時間の文化史、鉄道旅行の歴史

もうひとつくらい映像を入れたい。

2012年05月31日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2012-05-30

情報の反意語は何か?

2012年06月06日

建築ITコミュニケーションデザイン論 2012-06-06

情報化社会という神話
授業時に配布したものから少し変更しているので、上記PDFと置き換えてください。

2012年06月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2012-06-13

情報都市論:時間と空間の再編成

2012年06月19日

休講のおしらせ:建築ITコミュニケーションデザイン論

すでに授業中に告知していますが、6月20日と27日の、建築ITコミュニケーションデザイン論は、都合により休講です。

2012年07月11日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2012-07-11

建築とコンピュータ

来週7/18は休講です。

2012年07月25日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2012-07-25。最終回

本日のハンドアウトは製作中。いずれこのページで公開します。

今日見せた動画は以下のとおり。

Ford T型を紹介する映像。機械としての自動車。馬車とは違い、機関車のように速く、段差も乗り越えて走れる。ただし、剥き出しの機械であって、生活になじむものではなかった。

1948年のオールズモビル(のちにGMの一部となる)のコマーシャル。機械そのものへの関心は後退し、ダイナミックで未来的な="futuramic"な、造形への関心が前景化し、安全性、快適性、豪華さなどが欲望の中心となっていく。


参考:futuramic はオールズモビル社の造語らしい。

剥き出しの、そのままでは生活のなかに入り込みにくい機械や電器製品を、どのように家庭の日常の中に組み込んでいくか、という課題に応えるべく、インダストリアルデザインが登場した。無骨であぶなっかしい機械を美しく使いやすいシェルで包むことが必要になる。

『口紅から機関車まで』で知られるデザイナー、レイモンド・ローウィーはストリームライン(流線型)でそれに答えた。流麗なパッケージでメカニズムを隠蔽し、その運動のイメージだけを抽象化して取り出す。あらゆる日用品がストリームラインのシェルで包まれる。それらの多くは板金のプレスでつくられていた。

ストリームラインとは違うデザイン言語で、複雑なメカニズムを包む方法を産み出したもうひとりのデザイナーはディーター・ラムズ。ラムズのブラウン社での仕事は、運動する大型機械ではなく、人が様々に操作する電器製品が中心であった。ミニマルでモノトーンの、プラスチックによる四角いパッケージに、均整よく配置されたスイッチやダイアル、目盛りや廃熱スリット、操作を指示する文字、アクセントカラーなどによるもので、量感のあるストリームラインとは対照的に、グラフィックデザインの仕事に近いものである。

BRAUNでのラムズの仕事は、APPLEに受け継がれたといえる。

アルミの厚板を削り出して、内部の機構を納める空間をつくりだす MacBook Unibody は、精度の高いマシニング加工の成果である。板金、成型プラスチックから、ユニボディーへと、パッケージの素材は生産技術とともに変化していく。


さて、ストリームラインとミニマリズムとは別の角度から、ハッピーでセクシーなデザイン言語を指向した、インダストリアルデザインにおけるポストモダニズム運動の中心が、グループ「メンフィス」を組織したエットーレ・ソットサス。

同じような複雑なメカニズムを包み込むにしても、ソットサスはラムズとは対照的に、楽しげでセクシーな色と形を使う。オリベッティのタイプライターはモダンデザインのアイコンになっている。

メンフィスは、きわめて自由な形態で様々な機能を包み込み、表情の与え方の可能性を拡げていったのだった。

先にUnibodyでみたように、アップルは製品の作り方においても果敢に先端的な生産技術を採用する。しかし、その大量生産を自ら行なっているわけではない。マーケティングとデザインをおこない、生産技術は開発するが、生産はしない。NIKEなどと同様に典型的なファブレス企業である。

実際に生産しているのは、中国深圳のFoxconn社。従業員24万人の巨大企業である。

フォーディズムから始まる、大量生産される複雑な装置を包み込んで生活環境になじませるシステムは、ここまできている。

さらにこの先に、パーソナルファブリケーション、ソーシャルファブリケーションとよばれる、生産と生活の新しい関係が現れはじめている。MITにfablabを開設した、ニール・ガーシェンフィールド。

ファブラボのアイデアを拡張していくと、デジタル錬金術というべきところまでいく。アトム(素材)とビット(設計情報)の分離が徹底されていれば、必要に応じていつでも物をその場で作り出すことができるという話になる。

理論的な可能性と、いまここで実践できるか、ということの間には大きなギャップがあるものの、ファブラボの思想の持っているラジカル指向については意識をしておく必要があると思う。

パーソナルファブリケーションは、工場における大量生産を補完する生産システムとして、一定の地位を占めていくことになるだろうが、その時、ブリコラージュ的に作られる無骨なメカニズムを、どのように包んだらいいのか、誰がそれをデザインするのか、という新しい問いが現れる。たとえ無骨であっても、それが自分でつくったものなら、そのまま自分の生活の中に引き受けていくことができるから、美しいシェルなど不要である、という意見もあるだろう。あるいは、ローウィーやラムズ、ソットサスがそうしたように、パーソナルファブリケーションに相応しいシェルのデザイン言語が開発されるのだろうか。

また、どんなふうに(how)作るか、から、そもそも何を(what)作るかへと、デザインの中心的な課題がシフトしてきているとも言われる。IDEOのワークショップは、たとえばショッピングカートのような日常的なものにも、イノベーションの余地があるのであって、その可能性を引き出すための検討のしかたにも相応しい方法論があるはずだと教える。キーとなるのは異なるバックグラウンドを持つ者どうしのコラボレーションである。

今日の講義についての参考文献についても追って掲載するつもり。


2013年04月11日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2013-04-10

第1回 はじめに

aitcd_2013_01.pdf

2013年04月17日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2013-04-17

第2回 データの表象

aitcd_2013_02データの表象.pdf

追記:
講義で触れた Google Project Glass の操作に関するビデオが公開されました。(2013.5.1)

2013年04月24日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2013-04-24

授業では、次回5月9日といいましたが、5月8日(水)の間違いです。失礼しました。


3 空間の表象

建築ITコミュニケーションデザイン論 第3回

本江正茂

2013年4月24日(水)

表象 represent

  • 再現前化すること,されたもの。

Perspective

  • 遠近法、透視図法、透視画法、人工的遠近法、望遠図法 投影、展望、見通し、光学(ラテン語でPerspectiva)
  • ドラゴンクエスト
    • III(FC, 1988) vs VIII(PS2, 2004) ちなみにIX(DS, 2009)

透視図以前の世界

  • ギリシア美術
  • ビザンチン美術

透視図法の確立 ルネサンス

  • ブルネレスキ
  • アルベルティ『絵画論』1453年
  • 透視図法を論理的に裏付け、数学的一貫性を取り入れた。
  • デューラーの遠近法補助具
  • マサッチオ『三位一体』1425頃 フラ・アンジェリコ『受胎告知』1438頃

レオナルド「絵画論」

  • レオナルド『最後の晩餐』1495-97

カメラのまなざし

  • マンテーニャ『死せるキリスト』1460頃。望遠の構図
  • キルヒャーによるカメラオブスキュラの原理の図解
  • カナレット『総督宮にもどるブチントーロ船』1730頃
  • ティエポロ「芸術の勝利」1731頃:圧倒的な視覚的イリュージョン
  • ベラスケス『侍女たち』1656:視線の交錯する複雑な空間

図法幾何学Descriptive Geometry

  • Gaspard Monge, 18世紀フランスの数学者
  • コンピュータで投影図を作成するためのパラメータ
  • 「最後の晩餐」の図学的分析:透視図から空間を逆算

透視図法を超えて

  • 視覚のピラミッド?
  • セザンヌ「果物、ナプキン、ミルク差しのある静物」1880頃
    • "Distortion through the shifting of eye levels" Erle Loran
  • ジョルジュ・ブラック「レスタックの家々」1908:セザンヌ的キュビズム
  • ピカソ「アヴィニョンの娘」1907複数の視点を一挙にもつ。分析的キュビズム。
  • デュシャン「階段を下りる裸体 No.2」1912畳み込まれた運動と時間
  • Muybridge, Descending Stairs and Turning Around, 1887
  • High Dynamic Range Image 隅々まで適正露出,可能な限りの詳細がすべて見える写真
  • ボケ Bokeh
  • 磯江毅 写実主義の絵画には時間が塗り込められていますから
  • 中西泰人「カメラバー」2005 重ね合わされた時間、「物語る手」インタラクション

参考文献

  • アルベルティ『絵画論』三輪福松訳、中央公論美術出版、2011
  • 伊藤俊治「電子の遠近法:美術史とCG」藤幡正樹監修『コンピュータグラフィクスの軌跡』ジャストシステム、1998
  • 小山清男、面出和子『造形の図学』日本出版サービス、1982
  • 末永照和監修『カラー版 20世紀の美術』美術出版社、2000
  • ウィリアム・J・ミッチェル『リコンフィギュアード・アイ:デジタル画像による視覚文化の変容』伊藤俊治監修、福岡洋一訳、アスキー、1994
  • 『西洋の美術:その空間表現の流れ』展カタログ、国立西洋美術館、1987
  • ヘルマン・ゴチェフスキ『知の遠近法』講談社、2007
  • Edward Tufte, Beautiful Evidence, Graphics Press LLC, USA, 2006
  • ミシェル・フーコー『言葉と物』渡辺一民、佐々木明訳、新潮社、1974
  • Erle Loran, CÉZANNE'S COMPOSITION: Analysis of His Form with Diagrams and Photographs of His Motif, University of California Press, 1963, 2006

2013年05月08日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2013-05-08

4 身体と空間(1) 視覚

建築ITコミュニケーションデザイン論 第4回

本江正茂

2013年5月8日(水)

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

「Dialog in the Dark」は、日常生活のさまざまな環境を織り込んだまっくらな空間を、 聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って体験する、ワークショップ形式の展覧会です。 1989年ドイツ・ハイネッケ博士のアイディアで生まれ、その後、ヨーロッパ中心に70都市で開催、 すでに100万人が体験しています。 参加者は、くらやみの展示室を普段どおりに行動することは、不可能です。 そこで、目の不自由な方に案内してもらいます。案内の人の声に導かれながら、 視覚以外の感覚に集中していくと、次第にそれらの感覚が豊かになり、 それまで気がつかなかった世界と出会いはじめます。森を感じ、小川のせせらぎに耳を傾け、 バーでドリンクを深く味わいながら、お互いの感想を交換することで、これまでとはすこしちがう、 新しい関係が生まれるきっかけをつくります。(DID in 仙台 開催趣旨文より)

DID、3つのテーマ

  1. 視覚障害者と健常者が一緒に活動する機会を設けること
  2. 視覚を遮断することによって五感を再認識する(活性化させる)こと
  3. この展示ツアーを何人かと一緒に体験することにより、参加者同士の間に、これまでにない「対話」を生み出すこと

Dialog in the Dark in 仙台

2001年10月21~31日於せんだいメディアテーク

実質参加者数:592名。本江も参加。

  1. 集合。白杖の持ち方。自己紹介。声を覚える。
  2. 森:木の匂い、落ち葉を踏む、幹や枝の手触り、小川を渡る。
  3. 街:信号の音、段差、クラクション、クルマ
  4. 海:陸橋をこえる。砂浜、ブランコ、古いボート、宝探し
  5. テーブル:様々な感触のオブジェ、音が出るおもちゃ
  6. バー:席に着く、飲み物を渡す、ワインを飲む、胃袋の形
  7. 絵を描きながら対話。よそよそしく別れる。

動くと環境のことがわかる。じっとしていると何もわからない。

障害者体験以上に、感覚の解放の問題。マルチメディア?

東京・外苑前で現在開催中。ぜひ行くべき。

ドッベル・アイ Dobelle Eye

  • ウィリアム・ドッベルによる人工視覚の研究成果。1999年公開。
  • 1968年に研究開始。1970-72年、ヒトの脳内に電極を設置。
  • 開発当時は800kgのコンピュータが必要だった。今はモバイルパソコンで可能。
  • CCDカメラ→デジタル化→コンピュータ→大脳皮質視覚野にパルス
  • 色は分からない。先天性視覚障害で視覚野が未発達の場合は使えない。

  • 事例にあるジェリー氏は22歳の時に外傷で片目を失明。36歳のとき第二の外傷で全盲となる。1978年(41歳)に手術をうけ、20年以上感染などの問題なく暮らしている。地下鉄にも乗れる。

  • イェンズ氏は17歳の時線路際での事故で左目を失明、3年後スノーモービルの修理中に金属片が右目に入り失明。
  • 2002年4月現在、システムは市販され、6か国で8名の患者がインプラント手術をうけている。将来的には手術料込みでUSD $50,000。

  • 「体を動かして帽子を取り、人形にかぶせる。」→ 視覚と身体動作の同調=見えている!

  • ソースはカメラでなくてもいい。

  • デジタルな視覚 vs オプティカルな視覚
  • ゲシュタルト=感覚要素の総和以上のもの、総和とは異なるもの
    • e.g. 個々の音に対するメロディ
  • 中枢−推論説(感覚器官→知覚) vs ファイ現象(仮現運動:点滅する電球が移動してみえる)
  • 要素刺激とゲシュタルトは同レベルにある。

  • 視覚その他の人工眼研究

    • カメラからの信号の受信部の取り付け場所で3タイプ
    • 網膜/視神経/大脳視覚野
    • 脳に近いほど適用可能性は広い、実装が困難。
  • イエンス・ナウマンさんの事例

    • NHKスペシャル「立花隆 ヒトはどこへ行くのか」2005年11月5日放送。
    • 8m50sごろから14m33sまで

眼球へのインプラント手術、英オックスフォード大学(2012)

  • 「目のサイボーグ化による失明治療が世界で初めて成功!!盲目の男性がマイクロチップを眼球に埋め込むことで10年ぶりに見ることができるように!!」http://commonpost.boo.jp/?p=34619
  • “'I've dreamed in colour for the first time in 20 years': Blind British man can see again after first successful implant of 'bionic' eye microchips”
  • http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2138775/The-eye-borg-First-successful-implant-bionic-eye-restore-sight-blind.html

James J. Gibson ジェイムズ・J・ギブソン(1904-1979)

  • 航空母艦に着艦する戦闘機パイロットの視覚の研究。
  • 驚異的な「あたりまえの視覚」 vs 視覚心理学実験室での貧しい視覚
    • 大地理論 vs 大気理論
  • 視覚フィールド視覚ワールド Visual Field, Visual World。
    • 境界、明瞭性の勾配、安定性、残像の位置、姿勢と重力、平行線の収束、食、奥行き
    • 「視感覚と視知覚という伝統的な区別」の含意を放棄
    • 「知覚と対象の間のズレ」が「ほとんどない」のはなぜか
  • 地面の発見。肌理(テクスチャー)の勾配、密度の勾配による奥行きの知覚。
  • 環境の中を動き回る知覚者の知覚。

  • 生態光学(エコロジカル・オプティクス)

    • 情報は光の中にある。ただし、放射光ではなく包囲光に。
  • 包囲光配列(ambient array)
    • vs プラトン:視線とは「目から一直線状に、どの方向にせよ、内から出て行くものが外界で出くわすものと衝突してこれに抵抗を与える」(加藤, p.56)
  • 明るさと形、大きさの恒常性。杭の実験
  • 視覚ワールドを一度に知覚することはできない。時間を抜きにして空間を理解することはできない。
  • 最後の3章:意味、学習、空間知覚と空間行動 → 環境と身体のインタラクション全体へ
  • 「形」にではなく「変形」に意味がある。
    • 変化しないことではなく、変化することで、対象の不変の性質——不変項(インバリアント)——が明らかになる。

Biological Motion バイオロジカルモーション

Motion Understanding

  • 視覚は単純な静止した像ではなく、動きに意味を見いだす。
  • 視覚のピラミッドの錯覚を破るには? 動いてみればいい。

佐藤雅彦

  • APOC
  • 「差分」

矢萩喜従郎

  • アトラクティブ・ビジョン(バイオロジカルモーションとは違うが)

メルロ=ポンティ『眼と精神』

「画家はその身体を世界に貸すことによって、世界を絵に変える。」

「わたしの位置の移動はすべて、原則としてわたしの視野の一角に何らかの形で現れ、〈見えるもの〉の地図に描きこまれる。そして、わたしの見るすべてのものは、原則として私の射程内に、少なくともまなざしの射程内にあって、「私がなしうる」ことの地図の上に定位されるのだ。この二つの地図はいずれも完全なものである。つまり、見える世界と私の運動的企投の世界とは、それぞれに同一の存在の全体を覆っているのだ。」

「謎は、私の身体が見るものであると同時に見えるものだという点にある。……この最初のパラドクスは、爾余のパラドクスを生み出さずにはいない。見えるものであり、動かされるものである私の身体は、物の一つに数え入れられ、一つの物である。私の身体は世界の織目の中に取り込まれており、その凝集力は物のそれなのだ。しかし、私の身体は自分で見たり動いたりもするのだから、自分の回りに物を集めるのだが、それらの物はいわば身体そのものの付属品か延長であって、その肉のうちに象嵌され、言葉のすべき意味での身体の一部をなしている。したがって、世界は、ほかならぬ身体という生地で仕立てられていることになるのだ。」

参考文献

  • ダイアログ・イン・ザ・ダークhttp://www.dialoginthedark.com/
  • Dobelle Institute http://www.artificialvision.com/index.html
  • Dobelle Eyeについての論文の和訳 \
  • ジェームズ・J.ギブソン『視覚ワールドの知覚』新曜社、2011
  • 佐々木正人『アフォーダンス――新しい認知の理論』岩波書店、岩波科学ライブラリー12、1994
  • Motion Understandinghttp://www.accad.ohio-state.edu/~asomasun/MotionUnderstanding/Motion.html
  • 港千尋『第三の眼:デジタル時代の想像力』廣済堂、廣済堂ライブラリー002、2001
  • モーリス・メルロ=ポンティ『眼と精神』滝浦静雄・木田元訳、みすず書房、1966
  • 加藤道夫「遠近図法の作図理論の発展・応用・克服」ヘルマン・ゴチェフスキ編『知の遠近法』講談社、2007
  • 矢萩喜従郎『アトラクティブ・ビジョン』アー・ドゥー・エス パブリシング、2009
  • 佐藤雅彦、菅俊一、石川将也『差分』美術出版社、2008 

2013年05月23日

建築ITコミュニケーションデザイン論、2013-05-15

5 身体と空間(2)

意味や価値は世界のどこにあるのか? 建築ITコミュニケーションデザイン論 第5回:

本江正茂

2013-05-15(水)

サイボーグと身体

テレビ番組「NHKスペシャル 立花隆 ヒトはどこへ行くのか」(NHK, 2005)を見つつ。

  • 脳は機械に合わせて進化する 人工耳
  • 脳が機械で調整される パーキンソン病

どう考えますか? 精神/物質、脳/身体、生命/環境、Human Enhansment

意味や価値は世界のどこにあるのか?

近代科学的唯物論=世界は物質の配列にすぎない。

→物質それ自体には感性も価値も目的もない。つまり意味がない。

→意味や価値は「精神の世界」に生じる。物質の世界と精神の世界の分裂。存在論から認識論へ。

アリストテレス(自然の意味は知覚される) vs

  • ガリレオ(知覚的に把握されるのではなく,知性によってのみ理解される性質)
  • デカルト(「精神的洞察」知性によって捉えられる「幾何学的延長」)

問題:色彩はどこにあるか?

→二極化

  1. 知覚主観の感覚。目に入る光刺激を処理する神経の性質
  2. 物体表面の微細構造が有する反射率性質にミクロ還元

精神→脳と神経

「物理主義的な存在者の限られた性質から、「有意味」な環境を「構成」して認識する知性のからくりを、主体に、あるいは脳に帰属せざるを得なくなってしまった」(染谷、p.89)

「ヒトや生き物を取り囲んでいる意味や価値を、何かに還元することなく、取り囲みの中にあるがままに取り扱うことのできる自然科学、そしてそれを支える哲学――特に存在論――が未だに出現していない」し、「生活資源としての意味や価値を従来の物理学や化学がまだ踏み込んでいない高次の事実として正当に扱うことのできる環境の科学が構築できないでいる」(染谷、p.87)

「取り囲まれる生物の知覚と行動につり合った生態学的水準での」環境存在論はいかに可能か?

環境世界論 ユクスキュル

機械的環境論 環境=「われわれを取り囲み、一定の刺激によって作用する客体的な体系」=環境は単一の均質な時空間。=環境は客体的な容器=私は環境の主体ではない。環境改善=容器の修繕という思考

ヤーコプ・フォン・ユクスキュル(1864-1944) エストニアの生物学者

生物はそれぞれの「意味の担い手」たる「知覚標識」からなる「環境世界」を生きている。

  • ダニ(酪酸!→落下→衝突!→這い回る→体温!→血を吸う)
  • ゾウリムシ(衝撃!→退避、腐敗バクテリア!→食べる)
  • ウニ(暗い!→トゲをのばす)
  • コクマルガラス(止まっているバッタは見えない)
  • イタヤガイ(天敵ヒトデの動きのリズムだけに反応して逃げる)
  • ミツバチ(☆+に反応、○□は無視=花と蕾。)

アフォーダンス J.J.ギブソン

affordance 環境が動物に提供する「価値」。J. ギブソンの造語。

  • afford ~できる、~を与える。
  • 事物の物理的性質ではなく、動物にとっての環境の性質。
  • 知覚者の主観が構成するのでもなく、環境に実在する、知覚者にとって価値ある情報。
  • e.g. 紙のアフォーダンス:破れる、包める、丸めて投げられる、はじいて音を鳴らす……
  • アフォーダンス by 佐藤雅彦 「いかにも……」
  • 「取り囲まれた動物の特定の行動可能性を促進または抑制する行動資源」(染谷,p.94)

ギブソンの表面幾何学

Surface Geometry:サブスタンス、媒質、表面。表面レイアウト

「知覚者でありかつ行為者であるテナントは、表面レイアウトとしてのリテイニアーと、表面レイアウトがテナントに提供する行為の可能性としてのアフォーダンスを特定する情報場(媒質)とに取り囲まれている」(染谷, p.95)

アフォーダンスへの誤解

  • 反射や反応を引き起こす「刺激」ではない。探索し、発見・獲得される「情報」である。
  • 知覚者が内的にもつ「印象」や「知識」などの主観ではない。
  • e.g. 食べられるか否かは食欲と関係ない。
  • 関係のとりかたによって、その都度出現したり消えたりするのではない。

ドナルド・ノーマン『誰のためのデザイン』のアフォーダンス

  • デザイン業界に「アフォーダンス」の概念を紹介
  • ギブソニアンから批判→「知覚されたアフォーダンス Perceived Affordance」に訂正された(1999)
    • ギブソン「座れる/座れない」という物理的事実
    • ノーマン「座れそう/座れなさそう」という情報
  • → "Signifier, not affordances"

知覚システム


  • ミクロな受容器ではなく、マクロに組織された身体によって知覚はなされる。
  • 「等価」で「冗長」な情報を複数のシステムで知覚している。e.g. 「火」「食べ物」

  • 基礎定位システム

  • 聴覚システム
  • 触覚システム
  • 味覚–嗅覚システム
  • 視覚システム

持続と変化

動くことによって、動かない構造を見いだす。

  • 変化の中の不変項 invaliant
  • 知覚の恒常性 consistency
  • 「設定不良の逆問題」答えから問題を作り出す。7=x+y
  • 次元が足らない情報を増やすために動く。3D の世界を2D の網膜でとらえる。
  • 固視微動。じっとしてても目は動いてる。動きを止めるとホワイトアウトして像を結ばない。
  • 世界の肌理、縁の発生:渡辺啓太 TextureWorld

情報ピックアップ

古典的な感覚作用にもとづく知覚モデル:刺激→「受容器」で「反応」→脳による処理→「情報」の生成。

↓さまざまな難問。感覚の限界という牢獄、恒常性、生得的能力、経験の体制化

 情報ピックアップ=情報にもとづく知覚:「情報」はすでに環境にある→「知覚システム」で「探索」して、直接手に入れる。

環境形而上学 バリー・スミス

「有機体がその中で生活しその中を異動する空間領域や空間領域の部分、つまり有機体を取り囲む環境についての一般的理論」「取り囲みの中でのヒトを含めた生物の知覚や行動の研究、取り囲みを実際にデザインし制作する研究が依拠している種種の「取り囲み構造」を統一的に理解するための理論、ないし概念枠組みの構築」(染谷, p.89)

二重穴構造 Double Hole Structure

  • リテイニアー(囲みを維持するもの、取り囲む構造物の境界:ほら穴の表面群)
  • 媒質(取り囲む穴を満たしている:空気)
  • テナント(内部の穴を占拠している占有者:熊)

曖昧な Fiat 境界

  • 境界は4つの類型:全閉鎖、半閉鎖、半曖昧、全曖昧
  • 取り囲みそのものを空間記述の基本単位とする⇔ 点、線、面による数学的記述

「建築とは、壁や床や天井という通り抜けできない表面群と通り抜けできる媒質からなる取り囲みを、その中での知覚と移動を一定に制限するような機能を持つように作り出す作業」(染谷,p.91)

「本稿が擁護する(引用者註:アリストテレスの)存在論へのアプローチ方法は、原子ではなく、通常の日常的活動においてわたしたちを取り巻いているメゾスコピック(=中間的)な事物から出発する。それは世界を、具体的かつ個別的な原子からなる存在として捉えるわけではなく、抽象的な(ひとつあるいは任意の段階から成る)「性質」や「属性」として見るわけでもない。むしろ世界はあなたと私によって、あなたの頭痛と私のくしゃみによって、あるいはあなたの闘争と私の戦いによってできあがっているのである。」(スミス, p198)

環境と自己

環境を知覚することと、自己を知覚することは、相補的。

エコ・メトリクス(生態学的測定法)

  • 登れる?=股下×0.88
  • すり抜けられる?=肩幅×1.3
  • くぐるかまたぐか?=股下×1.07
  • そのペンに手が届くか?=身体の寸法+柔軟性

建築はなぜ四角いのか? →人間が「直方体」であるから。(ボルノウ)

子供には三角より四角が描きやすい ?

ヒューマンスケール

  • 距離や空間の尺度に人体寸法を使う。 e.g. 尺(303mm)、間、坪、yard (914mm)、foot (304.8mm)
  • どこまで見えるか。表情16m、一体感80~90m
  • どこまで聞こえるか。よくわかる6m、急に手掛かりがなくなる30m
  • どのくらい嗅げるか。洗い髪,皮膚45cm、異性の体臭90cm
  • どのくらい触れ分けられるか。指は数mm、背中は50mm

なわばり感覚

  • なわばりの意義:えさ場、巣、雌の独占
  • 動物: 個体間距離、逃走距離、臨界距離、社会的距離

Personal Space

E.ホール『かくれた次元』/プロクシミクス(proxemics)

  • 接触~45cm 至近距離
  • 45 ~ 80cm 個人距離
  • 80cm~1.2m
  • 1.2m~2.1m 社会的距離
  • 2.1m~3.7m
  • 3.7m~7.6m 公衆距離
  • 7.6m以上

  • 性差 男性は正面を嫌い、女性は横を嫌う

  • 年齢差 40歳MAX説
  • 体の前と後ろ
  • 知人かどうか 電話ボックスに入りきらなくなる
  • 文化の差 日本人は大きい、アラブ、ラテンアメリカは小さい

参考文献

  • ヤーコプ・フォン・ユクスキュル『生物から見た世界』日高敏隆・野田保之訳、岩波文庫、2005
  • 佐々木正人『アフォーダンス――新しい認知の理論』岩波書店、岩波科学ライブラリー12、1994
  • 加藤孝義『空間のエコロジー:空間の認知とイメージ』新曜社、1986
  • エドワード・ホール『かくれた次元』日高敏隆・佐藤信行訳、みすず書房、1966
  • 佐藤雅彦『プチ哲学』マガジンハウス, 2000
  • J.J.ギブソン『生態学的視覚論』古崎敬ほか訳、サイエンス社、1985
  • オットー・フリードリッヒ・ボルノウ『人間と空間』大塚恵一,池川健司,中村浩平訳,せりか書房,1978
  • 境敦史,曾我重司,小松英海『ギブソン心理学の核心 』勁草書房,2002
  • 染谷昌義「「認識」の哲学から「環境」の哲学へ」佐々木正人編『包まれるヒト:〈環境〉の存在論』岩波書店,2007
  • D.A.ノーマン『誰のためのデザイン?——認知科学者のデザイン原論』野島久男訳,新曜社,1990
  • Smith, B. & Varzi, A.C., 2002, Environmental Metaphisics, http://ontology.buffalo.edu/smith/articles/Niche2.pdf
  • バリー・スミス「事物とその環境 アリストテレスから生態的存在論へ」『SITE ZERO』No.2, 2008, p.198
  • 渡辺啓太 TextureWorld http://www.persistent.org/medialab/WORKS021.html
  • fladdict.net アフォーダンスってなんザンス? http://www.fladdict.net/blog-jp/archives/2005/06/post_86.php
  • Don Norman "Signifier, not affordances" http://www.jnd.org/dn.mss/signifiers_not_affordances.html
  • 上田正文,渡部麻衣子 編『エンハンスメント論争—身体・精神の増強と先端科学技術』社会評論社、2008
  • Jane Fulton Suri + IDEO "thoughtless acts?", Chronicle Books, San Francisco, 2005

建築ITコミュニケーションデザイン論、2013-05-22

6 速度とスケール

Powers of Ten,時間の文化史、鉄道旅行の歴史 建築ITコミュニケーションデザイン論 第6回

本江正茂 

2013年5月22日水曜日

チャールズ&レイ・イームズ "Powers of Ten" 1977

  • スケールの移動。宇宙のなかで、例外的に豊かな我々のスケール

西村佳哲ほか『一日/A DAY』

  • 「最も強い生物時計のひとつ「日周期」をテーマとする」
  • 「太陽と潮汐、気象、バクテリア、植物、昆虫、動物たち、ヒトの身体、 人間社会を横断する11の映像」
  • 「一日を96秒で表現する、11のコマ落とし映像を横並びに同期投影。」
  • http://www.livingworld.net/10_aday/index.html

20世紀:速度への熱狂

  • スティーブン・カーン『時間の文化史』浅野敏夫訳、法政大学出版会、1993
  • 大西洋横断競争
  • 懐中時計:「短い時間」への関心。時間厳守の感覚。
  • 自転車、自動車、最初の公道における速度制限
  • 電車・電気・電信・電話
  • 工場労働、フレデリック・テイラー「科学的管理」1911, Fordism, 「モダンタイムス」
  • Ford vs GM
  • マイブリッジの連続写真,デュシャン「階段を下りる裸体 No.2」1912
  • ストラビンスキー「春の祭典:聖なる踊り」1913
  • もっと速く/もっとゆっくり

鉄道旅行の歴史

  • ヴォルフガング・シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史:19世紀における空間と時間の工業化』加藤二郎訳、法政大学出版局、1982
  • テクノロジーの導入による空間認識の変容という主題
  • 原動力の機械化,機械による新しい運動,カッサンドル,唱歌「汽車」
  • 鉄道の空間、鉄道の時間
    • 19C初期、時間の短縮=空間の収縮とだけ表現
    • 実は、空間の収縮と、空間の拡大の二重の現象。スプロールは鉄道にはじまる。
  • 時間と空間の抹殺,アウラの喪失,ヴェンヤミン
  • 標準時
    • 地方は独自の時間を失う。
    • 「標準時」は鉄道運行のために採用されたシステム。

時間、空間、地球の標準化。

  • 子午線:緯度経度、メートル法

Q 現代における速度とスケールの変容はどこに起きているか。それは今後どのように評価されることになるだろうか?

参考文献

  • スティーブン・カーン『時間の文化史』浅野敏夫訳、法政大学出版会、1993
  • ヴォルフガング・シヴェルブシュ『鉄道旅行の歴史:19世紀における空間と時間の工業化』加藤二郎訳、法政大学出版局、1982
  • フレデリック・W. テイラー『新訳 科学的管理法』有賀裕子訳、ダイヤモンド社、2009
  • R. バチェラー『フォーディズム』楠井敏朗他訳、日本経済新聞社、1998
  • ヴァルター・ベンヤミン『複製技術時代の芸術』佐々木基一訳、晶文社クラシックス、1999

2013年05月29日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2013-05-29

7 情報の反意語は何か

建築ITコミュニケーションデザイン論 第7回

本江正茂

2013年5月29日水曜日

日常語としての「情報」その意味の広がり:「情報」の反意語は何か?

情報という「概念に対して付与されるイメージが多様であるために,話が混乱することも少なくない。」「情報という言葉の与えるメンタルなイメージが,各人ごとに異なっている」点に問題がある。しかし「強引に(かつ一元的に)整理すると今度は「情報」という語の持つ立体性を損なう」。「根源的な問題はむしろ,何を情報と捉えるかという前提,考え方,世界観にあるのではないだろうか。」(田畑)

「現実」の反意語? 理想、夢、虚構(見田)

1. 情報 対 物質

  • 質料(しつりょう, matter)と形相(けいそう, form)/アリストテレス
  • 質料に一定の形を与えて、一個の現実的存在者として成立させる構成原理。これを、プラトンは事物から超越する原理とし、アリストテレスは事物に内在する原理とした。
  • 「青銅の球」では青銅が質料で球が形相
  • アトムとビット/ネグロポンテ
  • メディアとメッセージ=物質的媒体と内容

2. 情報 対 オリジナル(本源)

  • 何かの複製が情報である。
  • 「複製可能であり,かつ,複製された後もなおもとと同一の状態を保つようなものについて,その複製された内容である」(野口悠紀雄)
  • 言語やデジタル表現の場合,オリジナルとコピーの差がない。
  • 「シミュラークル」(ボードリヤール)
  • 「アウラ」(ベンヤミン)

3. 情報 対 現実

  • 現実 vs メディアが捉えた「疑似現実」(リップマン)
  • 「疑似イベント pseudo-event」(ブーアスティン)
  • real vs virtual

4. 情報 と ノイズ,

  • 情報とは「不確実性を減らすもの」(シャノン)
  • 意味ではなく正確な伝達にのみ関心。S/N比

5. データ,情報,知識,(知恵)

生な「データ」→加工→「情報」→分析・理解→「知識」→統合・連携→「知恵」

6. 情報 対 虚無

  • 情報一元論(すべては情報である)
  • (1)完全な情報一元論:世界のすべてが情報である。
  • (2)人間中心の情報一元論:「五感に感ずるあらゆるものが情報」(加藤秀俊)
  • Q:誰もいない森の中で木が倒れたとき,そこに音はあったと言えるか。
  • Q:誰も直接命じていないのに,コンピュータが勝手に蓄えて処理し,人目に全く触れる可能性さえもないデジタル符号は情報と言えるか?

情報の反意語の図示

  • 原点:「情報」
  • 横軸:抽象的か具体的か
  • 縦軸:完結的(自律的)か断片的か
  • 第3の軸:存在/非存在

情報と計算

物質とエネルギーから「情報」へ

  • アインシュタインの特殊相対性理論(1905)
  • ハイゼンベルクの不確定性原理(1927)
  • ゲーデルの不完全性定理(1930)

これら三つの理論はすべて「本質において,それらのおのおのは,論理分析と数学という道具を用いることによって,私たちの周りの世界について私たちが知りうることには限界があるということを主張」(カスティ)

「科学の焦点として,情報が物質とエネルギーに取って代わることの始まり」(カスティ)

[Claude Shannon『通信の数学的理論』 1948]

The fundamental problem of communication is that of reproducing at one point either exactly or ap- proximately a message selected at another point. Frequently the messages have meaning; that is they refer to or are correlated according to some system with certain physical or conceptual entities. These semantic aspects of communication are irrelevant to the engineering problem.

  • 「通信の基本的課題は、ある地点で選択されたメッセージを正確または近似的に別の地点で再生することである。」そして「意味」(=有用性)は関係ない。
  • あらゆる情報は数値に置き換えて表すことができる。情報の符号化。
  • 情報量=エントロピーは確率によってのみ決まる。
    • 事象Aが起きる確率P(A)の時、情報量 I(A)=log(1/P(A))=-logP(A)。
    • 起こりにくい事象(=生起確率が低い事象)の情報量ほど値が大きい。
    • 対数の底が2の時、単位はbit (または「シャノン」。あまり使われないが)
    • e.g. コイントスの情報量は1bit。
    • e.g. トランプでハートのエースを引く事象の情報量は log52=log4+log13=log(4x13)。情報量の加法性。
  • 情報エントロピーが大きい状態とはこれから得る情報のありがたさが大きいということ」(高岡p.67)
  • シャノンの通信モデル 価値ある情報を高速に正確に送る

「コンピュータ」の概念の変遷 鈴木健

(1) 万能機械主義の時代 1936-

  • チューリングマシン(1936) by Alan Turing。単純なルールでなんでも計算できるuniversalな仮想的計算機。プログラム自体をデータで示せる=チューリングマシン自体を数として表すことができる。
  • チューリングテスト(1950)知性のシミュレーション
  • AI: Artificial Intelligence 人工知能
  • 世界全体が巨大な計算機のうえのシミュレーションであるという思想。計算万能主義。

(2) 身体環境主義の時代 1968-

  • 身体をもった人間とインタラクションする相手としてのコンピュータ、HCI
  • [The Demo(1968)by Douglas Engelbart]
  • 「メディアをつくるメディア」「コンピュータ・リテラシー」「すべての人々がメッセージを作るだけではなく『メディアを作る』ことができるようになるためにはどうすればいいか」by Alan Kay
  • IA: Intelligence Amplifier 知能増幅
  • 身体=コンピュータ=環境 全体がひとつのコンピュータという思想。

(3) ネットワーク主義の時代 1995-

  • "The network is the computer" Sun Microsystemsの社是 (1982)
  • ["As We May Think" by Vannevar Bush (1945)]
  • 「コンピュータとは,「計算する機械」という意味から,「世界のなんらかの自然現象をノードとして切り出してネットワークでつなぎ,入力に対する出力として人間にとってある種の意味作用を安定的に形成できるもの」へと変容しつつある(鈴木, p.184)」
  • computer network > human network > social network e.g. 集合知,Wikipedia

情報と場所

  • これがあれを滅ぼす/ヴィクトル・ユゴー『ノートル=ダム・ド・パリ』
  • 聖書がカテドラルを滅ぼす。
  • 情報は場所に依存しない? 情報の流動性,偏在性 vs 場所の固定性,唯一性?

Re-Place-ing Space

  • Space is the oppotunity; place is the understood reality.
  • While space have up and down, left and right, places have yesterday and tomorrow, good and bad.
  • Places, not spaces, frame appropriate behavior.
  • Places have social meaning.
  • The distinction is rather like that between a ""house" and a "home"; a house might keep out the wind and the rain, but a home is where we live.

参考文献

  • 田畑暁生「情報の反意語は何か?:反意語から捉える情報概念の構造」日本社会情報学会『社会情報学研究』第3号,1999.
  • 見田宗介『現代日本の感覚と思想』講談社学術文庫, 1995
  • ヴィクトル・ユゴー『ノートル=ダム・ド・パリ』潮出版社 ,2000
  • Steve Harrison, Paul Dourish, Re-Place-ing Space: The Role of Place and Space in Collaborative Systems, CSCW'96, 1996, [http://www.ics.uci.edu/\~jpd/publications/place-paper.html]
  • ジェイムズ・グリッグ『インフォメーション:情報技術の人類史』新潮社, 2013
  • 高岡詠子『シャノンの情報理論入門』講談社ブルーバックス,2012
  • 鈴木健『なめらかな社会とその敵』勁草書房, 2013
  • ジョン・L.カスティ『プリンストン高等研究所物語』寺嶋 英志訳,青土社,2004
  • [Shannon, Claude Elwood, and Warren Weaver. The Mathematical Theory of Communication. Urbana: University of Illinois Press, 1949]

2013年06月05日

建築ITコミュニケーションデザイン論, 2013-06-05

8 「情報化社会」という神話

建築ITコミュニケーションデザイン論  第8回 本江正茂  2013-06-05(水)

情報化社会という神話

情報技術が社会を大きく変える!! ホント?

  • 技術と社会の関係は単純ではない。
  • 30年前から,モデルチェンジしながら、ずっと同じようなことが言われている。

    • 『講座情報社会科学8 情報化社会論1 情報化社会の産業システム』学習研究社,1971
    • 『ハイテクノロジーと未来社会』中山書店,1984
    • 『テクノカルチャー・マトリクス』NTT出版,1994
    • 『ソフトウェアの話』日経新書,1971
    • 『高度情報化シリーズ1 高度情報社会の業際展望』大蔵省印刷局,1985
    • 『高度情報化プログラム』コンピュータ・エイジ社,1994
  • cf. 佐藤1996, 31-36

情報化社会論の二つの系列

  • 「ポスト近代社会」 vs 「ハイパー産業社会」
  • 脱工業化        モノより情報
  • 第三の波        もっと便利になる
  • 近代社会の終焉     個人の時代になる

  • 両者が矛盾したまま、存続していられるのはなぜか?

  • 情報化社会の実体はあるのか?→ 存在しない。永遠に未来社会である。
  • なんでもない=なんででもある!

ポスト近代社会論の大物:マクルーハン、ベル、トフラー

マーシャル・マクルーハン 1911-1980

  • 『グーテンベルグの銀河系-活字人間の形成』原著1962
  • 『メディア論-人間の拡張の諸相』原著1964
    • ホットなメディア:高精細で非参加的、一方向:ラジオ,活字,写真,映画,講演
    • クールなメディア:低精細で参加的、双方向:電話,話し言葉,漫画,テレビ,セミナー
    • あらゆる技術は人間の感覚能力や運動能力の拡張。e.g.車輪=脚の拡張
  • メディア技術の変化による時代区分
    • 話し言葉の時代 local and synchronous, intimate
    • 活版印刷の時代 視覚の独立。黙読する活字人間=共同体からの切断=個人主義
    • 電気メディアの時代 主にテレビ。感覚と感覚の相互作用の回復。
    • global villageへ。

ダニエル・ベル 1919-2011

  • 『脱工業社会の到来-社会予測の一つの試み』ダイアモンド社、1975(原著1973)
  • 中心的産業部門による時代区分
    • 前工業社会 農業、常識と経験、資源、伝統主義
    • 工業社会 工業、経験と実験、エネルギー、経済成長主義
    • 脱工業社会 サービス業 抽象的理論、情報、知識中心主義
  • 「脱工業社会」への変化の5つの次元

    • 経済部門 財貨生産部門からサービス部門へ
    • 職業分布 専門職、技術職階層が優位
    • 社会の基軸原理 技術革新と政策決定のための理論的知識
    • 技術の成長 社会的に計画管理し、将来の方向付けのための技術管理・評価
    • 意思決定 知的技術を用いたシステム分析に依拠

      アルビン・トフラー 1928-

  • 『第三の波』中公文庫、1982(原著1980)

    • 1.農業革命 一万年前
    • 2.産業革命 19世紀
    • 3.情報革命 1955-65@USA
  • ホワイトカラーがブルーカラーを上回る。
  • prosumer=producer + consumer
  • 中央集権的国家、マスメディア、マス市場の終焉

90年代、ゼロ年代?

日本社会における「情報化社会論」の時期区分

1.言説主導の「情報化」 1970年代

  • 未来予測ブーム
  • マクルーハンとベル
  • 農業/工業/情報(梅棹忠夫)
典型的技術決定論かつ経済中心主義かつ文明論的
  • モノばなれ、コンピュータよりテレビ
  • ※現代的な「情報化」の諸概念はこのころすでに発生していたが知られていなかった。
  • e.g. ダウンサイジング、ネットワーク、マルチメディア、インタラクティブ etc.

2.システム中心の「情報化」と諸問題の顕在化 1980年代

  • 「ニューメディア」ブーム。
  • 中央官庁主導。
  • 技術中心,ハード中心。自己目的化。
  • e.g. キャプテンによる半端な予約システム
  • ネットワーク的・分散的思考はない。

    3.コミュニケーション中心の「情報化」 1990年代

  • マルチメディアとインターネットのブーム

  • CMCネットワークの現実的普及。
  • パソコン通信,インターネット,iモード
  • 全世界に情報を発信する個人=prosumer

イージーな技術決定論に陥ってはならない。

  • 技術が社会を「情報化」するのではない。
  • 技術は社会・文化によって選択されており、本質的には社会・文化に決定力がある。
  • 情報化社会論の多くは「技術予測の名を借りた未来社会への願望にほかならない。」
  • 本当の問題は,社会の変化が「技術の必然として語られている点にある。」
  • 技術決定論は、社会の選択責任を隠ぺいし、責任回避の構造を生み出してしまう。
  • e.g. こどもにケータイをあたえるな!,ゲーム脳

×  情報・メディア技術 → 情報化社会

  情報・メディア技術

○   ↑↓      → 情報ネットワーク社会

  社会・文化

知識

  • 暗黙知と形式知 マイケル・ポランニー
  • 野中郁次郎 SECIモデル (img)

新しい「魔法の言葉」

  • Web 2.0、MashUp、クラウド、Big Data…
  • EPIC2014/2015

参考文献

  • 吉田純『インターネット空間の社会学:情報ネットワーク社会と公共圏』世界思想社,2000
  • マーク・ポスター『情報様式論』室井尚+吉岡洋訳,岩波書店,1991
  • 佐藤俊樹『ノイマンの夢・近代の欲望』講談社選書メチエ,1996
  • 佐藤俊樹『社会は情報化の夢を見る---[新世紀版]ノイマンの夢・近代の欲望』河出文庫、2010
  • マーシャル・マクルーハン『グーテンベルグの銀河系-活字人間の形成』みすず書房、1986(原著 1962)
  • マーシャル・マクルーハン『メディア論-人間の拡張の諸相』みすず書房、1987(原著1964)
  • テレンス・ゴードン『マクルーハン』宮澤淳一訳,ちくま学芸文庫,2001
  • ダニエル・ベル『脱工業社会の到来-社会予測の一つの試み』ダイアモンド社、1975(原著1973)
  • アルビン・トフラー『第三の波』中公文庫、1982(原著1980)
  • 古川一郎+電通デジタルライフスタイル研究会編『デジタルライフ革命』東洋経済新報社、2001
  • 公文俊平『情報社会学序説』NTT出版,2004
  • マイケル・ポランニー『暗黙知の次元』ちくま学芸文庫, 2003
  • 野中郁次郎『知識創造企業』梅本勝博訳、東洋経済新報社, 1996

2013年06月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2013-06-12

9 情報と都市。時間と空間の再編成

建築ITコミュニケーションデザイン論 第9回:情報と都市。時間と空間の再編成

本江正茂

2013-06-12(水)

W.J.ミッチェル「居ることの経済性」Economy of Presence

  • そこに居ることのコスト
  • 「非同期」コミュニケーションの成立
    • 声の文化→文字の文化→印刷→電子的コミュニケーション
    • オラリティ orality と リテラシー literacy
  • 情報の流動化
    • e.g. 壁画からタブローへ
    • 時間:synchronous / asynchronous 同期/非同期
    • 空間:local / remote 現地/遠隔、同室/非同室

| | Synchronous | Asynchronous | |-----------| -------------------- | ------------- | |local | Talk to face-to face | Leave note on desk | | | Requires transportation | Requires transportation |
| | Requires coordination | Eliminates coordination | | | Intense, personal | Displace in time | | | Very high cost | Reduce cost | | ———— | ——————————— | ——————————— | | remote | Talk by telephone | Send email | | |Eliminates transportation | Eliminates transportation | | | Requires coordination | Eliminates coordination | | | Displace in space | Displace in time and space | | | Reduce cost | Very low cost |

  • 情報技術はまずコミュニケーションのコストを下げようとする。
  • 次いで低いコストのままコミュニケーションの強度を上げようとする。
  • この時、コミュニケーションのコストダウン相当分を支払っているのは「場所」である。

若林幹夫「「情報都市」は存在するか?」

「情報都市」ビジョンの類型

ありがちな「情報都市」へのビジョン : - 都市の消滅/マーシャル・マクルーハン 1960s - 都市の危機/ポール・ヴィリリオ 1980s - 都市+メディア=局地的な関係の場+非局地的・全地球的な関係の場=情報都市……という図式 - 都市はメディアである/フリードリッヒ・キットラー

ルイス・ワースの社会学的な「都市」の定義 : - 「大量・高密度・高異質的な人口からなる恒常的な定住」 - 大きくても村、小さくても都市

より妥当な「都市」の定義として…… : - 「複数の離散する地域や集団の中で、身体や物財や情報の交通を媒体して、それらを同一の社会の大きな広がりのへ組み込むような関係の場になる定住」 - 「社会の空間的な広がりの中で複数の領域や集団の間の交通関係を媒体するメディアである定住」 - 「間-場所的な場所」「メタ-場所」

 都市には、間-共同体的な普遍的秩序がある。 : - e.g. 政治、経済、宗教 - ただし、都市は特定の土地空間上の人口集積として実現されざるをえない。 - 社会の「土地性」「交通性」の制限 - 道筋的=移動経路的 trajective vs 望遠レンズ的=遠隔対象的 tele-objective/ヴィリリオ

都市の存立を支える具体的なメディア

多数の「メディア」の協働が必要。

  • 標準化された言語・文字
  • 法体系
  • 貨幣
  • 種々の文書の作成と流通を可能にする書記システム
  • 街道と駅制のような交通体系、その訓練と運行システム
  • 度量衡、暦、計時システム

都市は、これら多様なメディアの協働によって媒体された広域的なコミュニケーション体系の中ではじめて可能になる。

マクルーハン「The Medium is the Message」「The Medium is the Massage」

「情報都市」論の問題点 : - 情報化以前の都市というものがあって、それが情報化して情報都市ができる…のではない。 - 現実の都市も、局地的身体的なだけではなく広域的コミュニケーションの場であった。都市は、局地的かつ広域的な関係を可能にしてきた。 - すべての都市は「情報都市」である。

監視社会 Surveillance Society

  • 居ることを知る/隠すことの経済性 The Economy of Awareness of Presence
  • 居ることのリスク The Risk of Presence
  • データ監視。Dataveillance
  • CCTV iSEE \http://www.appliedautonomy.com/isee.html\
  • 「監視社会論は理論的に弱い」(田畑)

地理的情報格差 Digital devide

  • 人間関係の再編成
  • プチ家出、遠隔ナショナリズム、電子的に拡張される親密圏。みまもりホットライン

参考文献

  • 若林幹夫「「情報都市」は存在するか?」 西垣通+NTTデータシステム科学研究所編『情報都市論』NTT出版、2002
  • ウィリアム・J. ミッチェル『シティ・オブ・ビット』彰国社、1996
  • ウィリアム・J. ミッチェル『e-トピア:新しい都市創造の原理』渡辺俊訳,丸善, 2003 田畑 暁生「監視社会論の射程」『人間科学研究』第10巻第1号、2003. [http://www2.kobe-u.ac.jp/\~akehyon/kanshi.html]
  • 松村秀一「21世紀の今,フラー,イームズ,そしてプルーヴェに学ぶ」ギャラリー間編『建築の向こう側』TOTO出版,2003
  • 「監視社会」『ナショナルジオグラフィック』2003年11月号(第9巻第11号),日経ナショナルジオグラフィック社, 2003
  • 環境情報デザインワーキンググループ「環境情報デザインカタログ」『10+1』第33号, INAX出版,2003
  • 五十嵐太郎『過防備都市』中公新書ラクレ No.140,2004
  • デイヴィッド・ライアン『監視社会』河村一郎訳,青土社,2002
  • ウォルター. J・オング 『声の文化と文字の文化』藤原書店, 1991

2013年06月19日

建築ITコミュニケーションデザイン論,2013-06-19

10 建築とアーキテクチャ

建築ITコミュニケーションデザイン論 第10回

本江正茂

2013-06-19(水)


すべり台「きょうはつかえません」

近代的な施設=制度 Institution:学校、病院、工場、軍隊

  • 個人単位、クラス分け、
  • だんだん上手になるカリキュラム
  • 時計台、チャイム、時間割、
  • 点呼、出欠、遅刻早退の禁止
  • 朝礼、宿題、試験、一斉放送、訓練、体操
  • 制服、整列、
  • 厚生活動、季節の行事、部活動...etc.

パノプティコン panopticon 一望監視装置

  • '18世紀末に功利主義者のベンサムが効率的な監獄のために発案

  • 近代管理システムのモデルとしてのパノプティコン

    • ミシェル・フーコー『監獄の誕生 -- 監視と処罰』
    • 規律=訓練的(disciplinary=しつけ)な処罰、監視
    • 近代的な管理システム=監視社会の一般的モデル
  • まなざしの経済の逆転:見られているが見えない

    • e.g.壮麗な王の身体→教室の後ろに立つ試験監督
    • 「権力の自動化」=見られていることの永続状態。権力の眼の内面化
    • 「独房的な個人」=まなざしの反射による自己反省の回路
  • 赤信号で止まる:遵法精神の内面化

    • 一極集中の強制型権力ではなく、遍在型で主体構成型の近代権力

法、社会の規範、市場、アーキテクチャ ローレンス・レッシグ

  • 問題行動に課されるコストによる規制、制約条件
  • 規制はこれらの4つの合計になる。相互依存的。

四つの規制手段

  • 規範、慣習 Norms : 暗黙のうちに内面化されたルール
  • 法律 Law : 明文化されたルール
  • 市場 Market:価格に従って人々の行動が規制調整される
  • アーキテクチャ Architecture:環境の設計に従って人々の行動が規制調整される

e.g. 喫煙のコントロール : - 法:20歳以下喫煙禁止 - 規範:人ごみで喫煙するな - 市場:煙草の価格 - アーキテクチャ:フィルタなし、無煙、つよい匂い

例題1 キセル乗車を4つの制約条件から規制するには? : →厳罰化、しつけ強化、運賃低廉化、自動改札化

例題2 飲酒運転を4つの制約条件から規制するには?

アーキテクチャによる規制の事例

  • ファストフード店の回転率操作:冷房、椅子、BGM
  • スキポール空港の便所の蝿
  • シカゴ、レイクショアドライブ(ミースの860/880の脇)の車間線 - fool-proof : SDカード。向きが違うと挿せない。
  • 大人には聴こえない着信音、「モスキート」

アーキテクチャによる規制の特徴

  • 任意の行為の可能性を「物理的」に封じるので、ルールや価値観を被規制者の側に内面化させるプロセスが必要ない。
  • 規制の存在を気付かせることなく、被規制者が「無意識」のうちに規制を働き掛けることができる。
  • 強力かつ低コスト。ただし局地的。

CODE

  • ネットワークでは、アーキテクチャはコード(プログラム)で与えられる。 : e.g. DRM、パレンタルフィルタ
  • コードは権力であるのに、市場の要請とエンジニアの熱意だけで作られてしまう。
  • 古い「法」 vs 新しい「アーキテクチャ」

規律訓練型権力から環境管理型権力へ 東浩紀

  • 規律訓練型権力は『人々に規範を植え付けるため」監禁環境(学校、病院)を必要とする
  • 環境管理型権力は「個人の行動を数字に置き換えて直接に制御する。」

    e.g. 電子カードキー。場合によって入れたり入れなかったり。ネット技術が環境管理型権力を実体化する。

「視線の内面化による規律訓練を通した秩序維持から、個人認証と情報処理による環境管理を通した秩序維持へ」

「内包社会」から「排除社会」へ

  • 配慮なしに生きられる安穏な世界 e.g. ゲーテッドコミュニティ
  • 「安全」と引き換えに失うものは何か?
  • 「モスキート」による不良滞在者の排除
    • 市民は虫なのか?
    • そこで選挙をやる意味はあるのか?
  • ベンチの中仕切り、駅のホームドア

我々が業とする環境=アーキテクチャの設計という行為の権力性を自覚すること

参考文献

  • ミシェル・フーコー『監獄の誕生――監視と処罰』田村俶訳、新潮社、1977
  • 瀧本雅志「パノプティコンを認知させた権力の技術論」『建築の書物/都市の書物』五十嵐太郎編、INAX出版、1999 『10+1』1994年秋号、特集「制度/プログラム/ビルディングタイプ」INAX出版、1994
  • ローレンス・レッシグ『CODE インターネットの合法・違法・プライバシー』山形浩生、柏木亮二訳、翔泳社、2001
  • 東浩紀「情報自由論」『情報環境論集』講談社、2007。http://www.hajou.org/infoliberalism/
  • 濱野智史『アーキテクチャの生態系』NTT出版、2008
  • 大人には聴こえない着信音 http://blog.livedoor.jp/saitama_orz/archives/50506860.html

例題2の答え:飲酒運転の規制

  • 規範:教習所の教育ビデオ
  • 法律:道路交通法違反での罰点
  • 市場:罰金の金額を上げていく
  • アーキテクチャ:エンジンをかける前に息に含まれるアルコールをチェック

2014年05月21日

建築ITコミュニケーションデザイン論 2014年度

東北大学大学院講義

建築ITコミュニケーションデザイン論

2014年度

本江正茂 motoe@archi.toholu.ac.jp

年次・学期

  • 東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻博士課程前期
  • 水曜3限(13:00~14:30)
  • 片平南キャンパス 通研2号館4階 430教室

講義の趣旨

建築とITコミュニケーションを統合的なひとつのデザインの問題として考える。

オフィス、学校、図書館などの建築空間の多くは、その内部で情報の授受を行うことが主要な役割であった。しかし、近年の情報技術の革新によって、建築空間と情報の関係は大きく変化した。これからの空間と情報のデザインを考えていくためには、両者の相互作用を根本的に見直す必要がある。両者は別々の分野ではなく、そのデザインにあたっては総合的に検討されなければならない。この講義では、テクノロジーのみならず、社会学、芸術、哲学、認知科学などの分野にも視野を広げ、空間と情報にかかわる諸理論と事例を展望する。

受講に当たっては、必ずしも予備知識は必要ない。履修後は、空間と情報の相互作用に関する常識的知識の一端を獲得することによって、両者を見渡した地点から、新たな問題を考えはじめられるようになることが期待される。

2014年度のスケジュール

  1. 4月9日 はじめに
  2. 4月16日 データの表象
  3. 4月23日 空間の表象
  4. 4月30日 (休講)
  5. 5月7日 身体と空間(1) 視覚
  6. 5月14日 身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるか?
  7. 5月21日 速度とスケール
  8. 5月28日 情報の反意語は何か
  9. 6月4日 情報化社会という神話
  10. 6月11日(休講)
  11. 6月18日 情報と都市
  12. 6月25日 建築とアーキテクチャ
  13. 7月2日 建築とコンピュータ
  14. 7月9日 デザインとイノベーション
  15. 7月16日 (休講)
  16. 7月23日 デザインとワークプレイス 各回のハンドアウトは上記のリンクからダウンロードできます。

期末レポート課題

本レポートの内容をもって成績評価を行うので、単位取得を希望する学生は必ず期限までに提出すること。

課題

  1. 講義で扱ったトピックのうち,もっとも関心をもったものをひとつ挙げ,
  2. そのトピックに関わる具体的な事例として,実在する人工物やシステム――建築,プロダクト,各種サービス、テクノロジーなど――を3つ以上、図版を用いて提示しながら,
  3. それら人工物やシステムが,人々のコミュニケーションにもたらす/もたらした影響について論ぜよ。

採点基準

  • 採点にあたっては,全体の議論の論理的整合性および着眼点の独創性を重視する。
  • いわゆる「コピペ」であることが発覚した場合は無条件で不可とする。

体裁等

  • emailに添付して下記アドレスへ送付する。
  • メールの件名:aitcd-学生証番号
  • ファイルフォーマットはPDF。
  • 添付ファイルのタイトル:aitcd-学生証番号.pdf
  • 例 aitcd-5ITM0923.pdf
  • 字数制限はないが、ファイルサイズはなるべく10MB以内に圧縮すること。
  • English is acceptable.

締切と提出方法

  • 送付先アドレス motoe2@gmail.com
  • 2014年8月8日(金)消印(送信タイムスタンプ)有効

2015年04月14日

建築ITコミュニケーションデザイン論 2015年度

2015年4月15日(水)13:00 開講

担当教員

本江正茂 Masashige Motoe

年次・学期

  • 東北大学大学院工学研究科 都市・建築学専攻 博士課程前期
  • 水曜3限(13:00~14:30)
  • 青葉山キャンパス人間・環境系研究教育棟 土木大講義室(101)←教室が変更になりました。

講義の趣旨

建築とITコミュニケーションを統合的なひとつのデザインの問題として考える。

オフィス、学校、図書館などの建築空間の多くは、その内部で情報の授受を行うことが主要な役割であった。しかし、近年の情報技術の革新によって、建築空間と情報の関係は大きく変化した。これからの空間と情報のデザインを考えていくためには、両者の相互作用を根本的に見直す必要がある。両者は別々の分野ではなく、そのデザインにあたっては総合的に検討されなければならない。この講義では、テクノロジーのみならず、社会学、芸術、哲学、認知科学などの分野にも視野を広げ、空間と情報にかかわる諸理論と事例を展望する。

受講に当たっては、必ずしも予備知識は必要ない。履修後は、空間と情報の相互作用に関する常識的知識の一端を獲得することによって、両者を見渡した地点から、新たな問題を考えはじめられるようになることが期待される。

スケジュール

各回のタイトルのリンクにハンドアウト(PDF)があります。

  1. 4月15日 はじめに
  2. 4月22日 データの表象
  3. 5月13日 空間の表象
    5月20日(休講)
  4. 5月27日 身体と空間(1)動くことと見ること
  5. 6月3日 身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるか?
  6. 6月10日 身体と空間(3)速度とスケール
  7. 6月17日 情報と情報でないもの
    6月24日(休講)←変更しました。
    7月1日 (休講)
  8. 7月8日 情報と社会
  9. 7月11日(土) 情報と都市
  10. 7月15日 建築とアーキテクチャ
  11. 7月22日 建築とコンピュータ

期末レポート課題

期末レポート課題v2 提出方法が変わりました。

2016年04月13日

建築ITコミュニケーションデザイン論 2016年度

建築ITコミュニケーションデザイン論

2016年4月13日(水)開講

担当教員

本江 正茂 Masashige Motoe

  • 一般連絡用: motoe@archi.tohoku.ac.jp
  • レポート提出用: Dropbox file request= https://www.dropbox.com/request/3kmYO8zbtcc01F2LN6NQ
  • この講義のウェブページ: http://www.motoelab.com/blog/20160413105849.html

年次・学期

  • 東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻博士課程前期
  • 水曜3限(13:00~14:30)
  • 人間・環境系研究教育棟 土木大講義室(101)

講義の趣旨

建築とITコミュニケーションを統合的なひとつのデザインの問題として考える。

オフィス、学校、図書館などの建築空間の多くは、その内部で情報の授受を行うことが主要な役割であった。

しかし、近年の情報技術の革新によって、建築空間と情報の関係は大きく変化した。これからの空間と情報のデザインを考えていくためには、両者の相互作用を根本的に見直す必要がある。両者は別々の分野ではなく、そのデザインにあたっては総合的に検討されなければならない。この講義では、テクノロジーのみならず、社会学、芸術、哲学、認知科学などの分野にも視野を広げ、空間と情報にかかわる諸理論と事例を展望する。

受講に当たっては、必ずしも予備知識は必要ない。履修後は、空間と情報の相互作用に関する常識的知識の一端を獲得することによって、両者を見渡した地点から、新たな問題を考えはじめられるようになることが期待される。

2015年度のスケジュール

  1. 4月13日 はじめに
  2. 4月20日 データの表象
  3. 5月11日 空間の表象
  4. 5月18日 身体と空間(1)動くことと見ること
  5. 5月25日 身体と空間(2) 意味や価値は世界のどこにあるか?
  6. 6月1日 身体と空間(3)速度とスケール
  7. 6月8日 情報と情報でないもの
  8. 6月15日 情報と社会
  9. 6月22日 情報と都市
  10. 6月29日 建築とアーキテクチャ
  11. 7月6日 建築とコンピュータ
  12. 7月13日 建築とワークプレイス 建築とワークプレイス
  13. 8月1日 予備日
  14. 8月3日 予備日

期末レポート課題 提出締め切りは2016年8月6日。

レポート提出先はこちら

リンク先に各講義のハンドアウトがある。

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