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『構造デザインマップ 東京』

東京の現代建築を構造デザインの観点から紹介する画期的なガイドブック。
一見、地味に見えるのに、長く「名作」と呼ばれ敬意を集めてきた建築の、その意味がわかる。

解説は丁寧で、初心者にも取り付きやすい。理解を助ける適切な断面図や詳細図、ダイアグラムも的を射たものが掲載されていて、表層の形態とは異なる水準で、建築には構造のデザインがなされていて、その成果が、比類ない空間を生み出し、経験を支えていることのだということがよくわかる。

とりわけ日本の建築は、地震や台風などの災害リスクが極めて高いにも関わらず、そのハンデを逆手にとって、世界で最高の構造デザインを発達させてきた。

経済ブームに沸く新興国に見られるような、形や素材は外連味たっぷりでもハリボテ然としている建物とはまったく違う、日本の構造デザインの成果を楽しむ絶好のガイドブック。建築デザインの初学者にはぜひ勧めたい。

「環境デザインマップ」と「情報デザインマップ」の刊行もぜひ期待したい。

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2014年07月25日 15:28に投稿されたエントリーのページです。

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