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アテンション・エコノミー

先日まいく郎フォーラムでしゃべった話の前提が,わかりやすく整理されていた。こういうことが起きていると言いたかった(笑) 

ブログ、グーグル、アテンション [情報の“民主”化とメディア] - higuchi.com blog:
ここ2年ほど、インターネットのトレンドなどのお題で講演を頼まれた時に使っている定番のネタがあります。ブログとグーグルの出現が情報流通の民主化を爆発的に推し進めたため、アテンション・エコノミー的価値観が現実味を帯びてきた、というお話です。(中略)
乱暴に言えば10年前にロータス ノーツを布教していたころの「情報共有のススメ」と大して変わっていないのですが、当時は「社内にネットワークを作りましょう、そうすれば会社の知的生産性が上がって儲かります、だからノーツを買ってください」だったのが「世界規模の知的ネットワークができてしまいます、情報が価値を持つ時代が終わってアテンションが価値を持ちます、さてどうしましょう」になっちゃったわけ
フォーラムでは,國領次郎の言葉を引いて「メディアの希少性から認知限界の希少性へ」と話したが,「アテンション・エコノミー」はこれとほぼ同義と考えてよいだろう。

もちろん「いかに人々の興味を集めるか」はずっとずっと昔から課題だったわけだ。でも,インターネットが,昔なら生まれるそばから儚く姿を消していたに違いない淡い興味をも,スッとすくいあげてくれるようになった。ロングテール化ってやつだ。そうなれば,アテンション争奪戦の様相は全然違うものになっていく。

ところで,先週の土日は仙台恒例の「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」だった。文字通り,街のいたるところでライブをやるのである。ところが,その当日に総選挙が重なった。「最後のお願い!」が街に響き渡ればジャズどころではない。そこで実行委員会が各候補に要請した。候補たちはこれに応え,最後の街頭演説は郊外で行われ,街は音楽に満たされた。選挙なのに街は静かで,静かなのに投票率は低くなかった。

選挙ってのは典型的なアテンション争奪戦だ。ネットの選挙利用が話題になっているが,遠からず解禁となろう。そこではロングテールとなった有権者の幅広いアテンションのありかたに対応する,新しい情報提供戦略が必要となるだろう。

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2005年09月16日 03:17に投稿されたエントリーのページです。

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