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『FILING』

を読む。

株式会社竹尾編,織咲誠・原研哉+日本デザインセンター原デザイン研究所企画構成,『FILING—混沌のマネージメント 』宣伝会議,2005

HAPTIC』と同じ,竹尾+原研哉のシリーズ。

老子の言葉が引かれる。
「知識を獲得すれば,日々ものが増え,智慧に達すれば日々ものが減る」
……我が身のあさましい毎日を反省させられる。

著者は,フルコースのカトラリーではなく箸のような,十徳ナイフではなく鉈のような,ファイリングをしようという。

それって「驚異の部屋」だな,と思っていたら,ちゃんと対談に西野嘉章さんが出てきた。

文字にできる情報は,形式知としてデジタル・アーカイブに格納されていくであろう。暗黙知はモノにも宿っているから,モノとして投げ出されておくよりほかない情報の在り方がある。そういう情報のファイリングについての本である。

暗黙知を扱っているので,ファイルを「共有」することについての知見は少ないように思った。それを期待して読むと,日常の普通の意味での「ファイリング」の実践との間にギャップを感じてしまうことになるだろう。

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2005年04月15日 11:34に投稿されたエントリーのページです。

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