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『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由(わけ)がある』

自殺が極めて少ない地域である徳島県旧海部町。その人々の振る舞いの中に生きづらさを取り除く「賢さ」を見出す丁寧な社会調査。

研究成果として抽出された自殺予防因子もさることながら、研究者としてコミュニティに入ってフィールドワークを行うことの面白さと恐れを読み取れる好著。

地形と自殺の関係を分析する章も興味深い。可住地傾斜度と最大積雪量は自殺率と正の相関があり、可住地人口密度、日照時間、海岸部属性は負の相関があるという。社会資源へのアクセスが難しいという直接的な影響もあるが、むしろ、長い歴史の中で地勢が育んだ住民の気質が間接的に聞いて来る。

また、町のあちこちにアドホックな交流空間がたくさんあることの影響についても言及されている。この知見はオフィスや学校の建築設計にも使えるのではないだろうか。

なにより海部の人たちの飄々とした様子がなんともかっこいいのである。

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2017年01月26日 19:53に投稿されたエントリーのページです。

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