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『ザ・サークル』

ライフログの公開による「透明化」を推進する社会を描くティストピア小説。



秘密は嘘
分かち合いは思いやり
プライバシーは盗み

という標語は、オーウェルの「1984」に出てくるダブルスピーチの翻案だろう。

極端な情報公開主義と新自由主義の結託と暴走、という大構図もさることながら、細部にくりかえし描かれる、承認への渇望とハイパーメトリックの「病み」と「闇」がリアル過ぎてつらい。みんな、こうやって狂っていくのだ。

こんな風にはならないよ、と信じる理由が私にはない。テクノロジーもメンタリティーも、もう揃ってるのだから。

ハリウッドのアクション映画の文法でつくられたようなビジュアル優先で構想されたように感じるシーンが繰り返し出てくるのも印象に残った。具体的には、遠隔操作で追い詰められるところのアナウンサーの嬌声の差し込み方や、鮫の水槽のシーンのアップの表情を次々切り替えながら切迫感を出すところ、プランクトン会議でのプレゼンテーションと喝采など。(悪い意味で)目に浮かぶようだ。テクノロジー支配下の想像力の限界についての物語が、その作劇においてハリウッド的想像力の枠組みに囚われているように見えるのは興味深い出来事だ。
下は、この著者のDave Eggers によるTEDの講演「ある学校で」。 プロボノによる初等教育の支援……を楽しくすすめる方法。 これもおもしろい。やってみたいな。

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2015年03月08日 17:43に投稿されたエントリーのページです。

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