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太平燕

タイピーエンと読む。

要するに中華の鶏ガラ春雨五目スープなのだが,熊本ではこれをどっさり一人前をどんぶりに盛って,ラーメンのように食べる。長崎ちゃんぽんの麺の替りに春雨を入れて,あっさり系に振ったものを想像してもらえばそれほど遠くない。熊本では給食にもでるほどポピュラーだそうだが,全国区になっていないように思う。私は今日まで全然知らなかった。

熊本の上通りアーケードに,葉祥栄が設計したPAVILIONという店舗がある。鉄骨の平屋にスリットの入った陸屋根をかけたシンプルな建築で,商店街ど真ん中の超好立地にもかかわらず,平屋でたっぷり中庭をとり,風の抜ける爽快な空間になっている。

シンプルな建築なのでデザイン要素はごく絞り込まれているのだが,5軒のテナントそれぞれに異なる天井が設計され,屋根を透けてくる光の取りこみ方にバリエーションがつくられていた。しかし残念なことに,すでにほとんどの天井は改装されて1983年の竣工時の原形を留めていない。唯一の例外が,一番奥の中華料理店「紅蘭亭」の天井である。

で,その天井をよく見るためには店に入るしかなく,店に入るからには消防の点検じゃあるまいし「すみません,ちょっと天井見せてください」というわけにも行かず,簡単な一品料理でもいただいてお茶を濁そうと思って頼んだのが,この太平燕だった。「レストランでは食べたことのないものがあればそれを試す」というマイルールの実践にすぎなかった。

しかし,これが実に素晴らしくおいしくて,すっかり太平燕のファンになってしまった。

何にでもファンサイトはある。「熊本太平燕倶楽部会報」などを参考に,熊本にいる限りはいろいろな太平燕を試してみることにしよう。春雨だからカロリーも低いに違いないからいっぱい食べてもいいのだ。きっと炒飯と一緒だとおいしいと思うけど,炒飯はやめておくのだ。

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2007年03月15日 20:49に投稿されたエントリーのページです。

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