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建築設計B2 課題説明

3年生対象の建築設計B2のスタジオ課題説明が行われました。
以下の四つのスタジオから,とりたいスタジオを選びます。

•スタジオ1:「現代美術のためのミュージアム」竹内昌義
•スタジオ2:「Landscape for Learning」槻橋修
•スタジオ3:「金沢21世紀美術館補完計画」五十嵐太郎
•スタジオ4:「駅をむかえるまち」本江正茂

本江スタジオの課題は,仙台市営地下鉄東西線の新駅駅前施設の企画・設計です。
以前の宮城大学でも同じ3年生に同様の課題を課しておりましたので,提案を見るのが楽しみです。

スタジオについての更新情報は「本江スタジオのためのWikiサイト」から。

以下,課題です。

東北大学 3年 建築設計B2 本江スタジオ
2006.6.1

駅をむかえるまち
地下鉄東西線新駅駅前施設の企画・設計

■趣旨
本課題では、仙台市営東西線に計画されている新駅のうち東部4駅(連坊、薬師堂、卸町、六丁の目)のうちひとつを計画対象地とし、地下鉄出入口と接続した駅前型都市複合施設を構想・設計し、地下鉄によって地域にもたらされる価値を最大化することをめざす。施設の内容は各自で自由に構想する。あらかじめプログラムが用意された施設をいかに上手につくるかではなく、そこに何があるべきかという問いから構想をはじめることに本課題のねらいがある。

平成15年9月、仙台市営地下鉄東西線事業が国土交通省から認可され、平成27年の開業にむけて事業が開始されることとなった。動物公園駅から荒井駅まで13駅、営業キロ約13.9km、総建設費2,735億円の大型公共事業である。仙台市によれば、東西線は「できるだけ自動車に頼らずに,環境負荷の少ない公共交通機関の利用を中心とした,暮らしやすく動きやすいまちづくりと,市域のバランスのとれた発展を進めるために必要な最重要プロジェクト」と位置づけられている。

たしかに新しい駅は様々な交通機関の結節点として、周辺地域の人々の行動パターンを大きく変え、地域のポテンシャルを引き出していく可能性をもっている。とりわけ、従前の公共交通機関のネットワークからはずれていた地域では、新駅のインパクトはより大きなものとなるであろう。しかし一方で、新たな地下鉄とその駅は、マクロには投資の分散を招き地域間競争を激化させるし、ミクロには放置自転車問題などを引き起こす迷惑施設にもなりうる。中心市街地の自家用車への対応がそれなりに進んでいる仙台市において、いまさらさして安くもない公共交通へのシフトがなされるのかどうか、東西線はそもそも投資に見合うものなのか、などという議論にもなりうるだろう。いまや地下鉄は必要に迫られて作られ、作りさえすれば乗客で満員になるというものではなくなっている。地下鉄に乗る事自体は目的ではなく、沿線のまちに行くのが目的なのだから、地下鉄の成否はそのまま沿線のまちの魅力を示すのである。

まちが駅をもつことの意味を考えよう。

駅前には今何があるだろうか。それが駅前にあるのはより高い家賃を払えるからにすぎないのであって、駅前にあればいいと皆が望んだからとはかぎらない。駅前には何があるといいだろうか。そのまちの駅として、住む人にとってもやってくる人にとっても喜ばしいような、駅前にふさわしいものを駅前に置こう。新しい駅でならそれができるかもしれない。まちが駅をちゃんと上手に利用できてこそ、地下鉄の価値は十分に発揮される。空間のデザインを通じて、まちが駅をもつことの価値を最大に引き出すことが、本課題のミッションである。

■担当
本江正茂,TA 本間茂樹

■このスタジオのホームページ
http://wiki.fdiary.net/B2MotoeStudio/

■課題の進め方
本課題は、グループによる現地調査と、個人による企画・設計の2部構成となる。

◇担当駅の割り当て~現地調査
履修者確定後グループ分けを行い,グループ毎に担当駅を割り当てる。行政資料や建物用途現況図,住宅地図などをもとに駅周辺の特徴の読み込みを行う一方で、グループ毎に現地調査を行い、交通の結節点、人の流れ、現存する公共施設や商業施設の様子などについて観察し、結果をとりまとめて発表する。現地調査にあたっては,事前に学外活動届を提出すること。

◇敷地の設定~企画・設計
グループ毎に調査したエリア内において、想定される駅で入口を1つ以上含む任意の土地を設定する。敷地規模や形状は自由に想定してよい。各自設定した土地において、(1)現状に存在する問題への対策,(2)地域にとって新たな価値を付加する提案の2点を意識しながら、課題趣旨に見合った施設を自由に 企画・立案し、設計する。

◇企画設定上の条件
施設の内容は各自で自由に構想する。ただし、地下鉄出入口と直接つながっていること。地下鉄駅そのものは設計の対象外とする。計画されている駅周辺の任意の位置に出入口を想定してよい。
規模は延床面積3000平米程度を目安とする。
地下鉄開業は平成27年ではなく、課題の計画実施とほぼ同時に開業するものと仮定する。

◇エスキス
エスキスにあたっては,毎回,議論したい点を示すレジメを用意し,スケッチ等を一覧できる状態に整理してくること。各回がプレゼンテーションであることを心得よ。

◇最終提出物
設計内容を説明するのに十分な図面を、A1サイズ用紙2枚以上にまとめる。空間的・立体的表現を重視する。模型を提出してもよい。スケッチを壁面に直接貼り並べたような完成度の低いものは提出物として認めない。

◇日程
6/6火 1500-1800 課題説明
6/8木 1530-1800 グループ分け,担当駅割当,地図読み,スケジュール確認,他
6/15木 1530-1800 敷地調査発表会
6/29木 1530-1800 エスキス
7/6木 1530-1800 エスキス
7/13木 1530-1800 エスキス
7/20木 1530-1800 エスキス
7/25火 予備日
8/1火 1440- 最終講評

■参考
地下鉄東西線なんでもサイト
http://www.city.sendai.jp/toshi/touzaisenchousei/gaiyou/index.html
仙台市都市計画情報インターネット提供サービス
http://www2.wagamachi-guide.com/sendai_tokei/

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2006年06月06日 16:48に投稿されたエントリーのページです。

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