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2011年01月 アーカイブ

2011年01月01日

賀正

旧年中はお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。

平成辛卯
本江正茂

2011年01月11日

大人の科学マガジン vol.30 テオ・ヤンセン


"大人の科学マガジン Vol.30 (テオ・ヤンセンのミニビースト) (Gakken Mook)" (学習研究社)

今週発売。楽しみだ。

2011年01月13日

第3回SSDハウスレクチャー 2011-1-20 鈴木了二

SSDが一般公開で行なうレクチャの告知です。
SSDハウスレクチャー2011-1-20 鈴木了二

各位

平素よりお世話になっております。

せんだいスクール・オブ・デザインは、1月20日(木)19時から、
第3回SSDハウスレクチャーを開催致します。

SSDハウスレクチャーは、せんだいスクール・オブ・デザインのプログラムの一環として、
「建築を軸としながら様々な表現領域と連携する創作活動を行うクリエイターをお招きし、
議論を交わします。2010年度秋学期のテーマは「横断する思考:建築、映像、美術、デザイン」です。

第3回SSD ハウスレクチャーは、映像・音楽をはじめとする建築以外の芸術領域においても横断的に活動し、同時に10年を超える長きに渡り教鞭を執っている早稲田大学芸術学校校長の鈴木了二氏をお招き致します。

<物質試行>
鈴木了二氏が1973年から続ける制作を、建築、映画、書籍、写真、アートというジャンルにとらわれず『物質試行』と名付け、ナンバリングされている。
現在、50(物質試行50 下田の住宅(2010年10月))を数え、素材、文脈、人間、それら「物質」の出会いから生まれるものとして、形と空間を探求する制作活動を行う氏の思考と試行の集積である。

<鈴木了二氏略歴>
1944年生まれ。建築家。1968年早大大学院理工学研究科修了。
竹中工務店設計部、槇総合計画事務所(竹中工務店より出向)を経て、1977年romnow建築計画事務所を設立。1983年鈴木了二建築計画事務所に改称。
現在に至る。1997年より早稲田大学教授、2004年から2010年まで早稲田大学芸術学校校長を務める。
1977年「物質試行37 佐木島プロジェクト」 で日本建築学賞作品賞受賞。
2005年「物質試行47 金刀比羅宮プロジェクト」が第18回村野藤吾賞受賞。
美術家とのコラボレーションや映画制作も行う。
ICC企画展「バベルの図書館」において《物質試行39 Bibiloteca》(1988年)、16mmフィルム《物質試行35 空地・ 空洞・空隙》(1992年)。
主な著書に『建築零年』(2001年)や『非建築的考察』(1998年)などがある。
http://www.ryoji.co.jp/
http://www.waseda-aaschool.jp/arc/teachers.html

ご多忙中とは存じますが、ぜひご出席頂けますようお願いいたします。

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第3回SSDハウスレクチャー
日時:1月20日(木)19:00~21:00 (18:30 開場)
講師:鈴木了二(早稲田大学芸術学校校長・鈴木了二建築計画事務所主宰)
コーディネイター:五十嵐太郎・堀口徹(東北大学)
会場:house/阿部仁史アトリエ(仙台市若林区卸町3-3-16)
一般公開|入場無料(懇親会費500円)
申込締切:1 月17日(月)
申込方法:お名前・所属先をご明記のうえ、lecture@sendaischoolofdesign.jp までメールにてお申し込みください。
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また、SSDは、2011年2月17日(木)に2010年秋学期の成果を報告するシンポジウムを
せんだいメディアテークにて開催致します。
どなたでもご参加頂けますので、ぜひ皆様、お誘い合わせの上、ご参加頂くたく存じます。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せ下さい。
レクチャーのご取材やご掲載も合わせて、ご検討頂けましたら幸いでございます。
皆様のご臨席を、心よりお待ち申し上げております。


※お車バイクでご来場の方は、仙台卸商センター共同配送センター脇の臨時駐車場をご利用ください。指定の場所以外の駐車はご遠慮ください。
※飲酒運転・未成年の飲酒は法律により禁止されていますので、お控えください。

せんだいスクール・オブ・デザイン事務局
〒980-8579
仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-06
東北大学大学院工学研究科
都市建築学専攻都市・建築デザイン学講座
tel   022-795-7888
fax   022-795-7853
email   ssd@archi.tohoku.ac.jp
http://sendaischoolofdesign.jp

2011年01月24日

ジョルジュ・ペレック『さまざまな空間』

を読む。


ジョルジュ ペレック, 『さまざまな空間』

よい本屋のできた棚を見て歩いていると、本に呼ばれることがある。

この本ともそのようにして出会い、棚から抜いて、ちょっと縦長の版型も好ましく思いながら、パラパラと開き、スタインバーグのイラストが引かれていることなど見つけ、なかなかおもしろそうではないか、と考えていると、同じ棚に並ぶレーモン・クノーやミシェル・レリスが、間違いないよと薦めてくるので買ってきた。

ジョルジュ・ペレックという作家ははじめてだ。

エッセイということにはなるだろうが、目からウロコが落ちる鋭い指摘だとか、万感胸に迫る情緒とか、明日にいかせる教訓だとかいうものは全然ない。ほとんど内容はない、といってもいい。

『さまざまな空間』の原題は"Espèces d'espaces"で、タイトルからして言葉遊びである。

身の回りの小さな空間から出発して、章毎に空間をスケールアップしながら、それぞれのスケールの空間についてのエッセイが、文体練習よろしくつづられていって、最後には宇宙にいたる。クリアな同心円構造を持っている。

目次が巻末に置かれている構成にならって、ゴールから逆にスケールダウンしていくと…

空間
世界
ヨーロッパ

田舎

地区(カルチエ)
通り
集合住宅
アパルトマン
寝室
ベッド

…と来て、一番小さい、話のはじまりは、

ページ

なのである。

「ページ」の章はマラルメよろしく文字が縦横に散らばって、その空間性を示しているものの、普通の、宇宙=都市=身体の同心円コスモロジーからいえば、「ベッド」から「ページ」へという展開は、斜めにずれてる感じが否めない。けれど、ペレックは「ページ」を出発点にした。

アパルトマン、寝室、ベッドへと人間の身体に沿ってブレイクダウンされていく空間と、ページという記号の空間とが強引に同心円構造で並べられていること。若干の違和感も込みでそのことが私には実に興味深く思われた。そこでは、記号の空間と身体の空間がひとつながりのものとして構想されているからである。


このように、この本は書物の構造がおもしろいのだけれどそれだけではなくて、ひとつひとつの章も——先述の通りこれといった内容はないといえばないんだけれど——それぞれにおもしろい形式の実験的な文章が繰り広げられていて、くすくすと笑いたくなるような幸福な感じがって、とても楽しく読めた。何かごく私的なところをくすぐられるような読後感がある。さまざまな文体実験の表情をそれぞれにあたえつつ、全体の軽みを整えた塩塚秀一郎の翻訳の日本語もすばらしい。

なかでも、p.89のスタインバーグが描いた、集合住宅のファサードをはがして、ドリフのコントのセットのようにいくつものアパートの室内を見せているイラストに、何が描かれているかを克明に拾い上げた、延々6ページにおよぶ目録と、そこから妄想的に膨らませた物語を語り始めるくだりはとりわけ面白かった。

ペレックの代表作『人生 使用法』は、まさしくそのようにして書かれたものであるらしい。

確かに書店のシーンを思い返せば、この『さまざまな空間』が私を呼んだ時、左隣に分厚い『人生 使用法』があったのだ。しかし大変な大著で、細かい字の2段組で、いきなりこっちは無理だぜと思った。それで、まずはスリムな方から手に取ったわけだけど、結局『人生 使用法』にいくしかないようだ。あの棚の本たちは、してやったりと思っていることだろう。

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