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2008年01月 アーカイブ

2008年01月07日

仕事はじめ

今年もよろしくお願いいたします。

『アキッレ・カスティリオーニ』

を読む。


多木 陽介『アキッレ・カスティリオーニ―自由の探求としてのデザイン』AXIS出版、2007

工業デザイン、とくに照明器具や家具、それに展覧会のデザインに多くの傑作を残したカスティリオーニ。本書はイタリア在住の筆者が、入念なスタジオ取材を経て書いた、カスティリオーニの設計方法論集。

いわゆる作品集ではないので、他のもので作品をおさらいしてから読むとよい。(Paola Antonelli『Achille Castiglioni』Sergio Polano『Achille Castiglioni Complete Works (Electa Architecture)』は研究室にあります。)

ムツカシイお題目なしで、見ればわかる明快なデザイン。作品集の図版だけ見ていると、その明快さとユーモアがぐうっと前面に出てくる。だからこそ逆に、どのようなアプローチでこのデザインに至ったのかは、なかなか見えてこない。作品を楽しむだけでなく、どうやればこんなふうに作れるのか、を知りたい人には、どうしてこうなっていったのかを追究する本書は実に興味深く読めるにちがいない。帯を深澤直人が書いているけれど、深澤のデザインに共感できる人ならカスティリオーニにもきっと共感できるだろう。

眼鏡やハサミ、ハンマーなど、たくさんの道具をコレクションし、メリー・ポピンズよろしく鞄から取り出しながら、その有用かつ無駄のないデザインを猛烈な勢いで語りまくるカスティリオーニの授業、ぜひ聞いてみたかったな、と思う。 

ほぼ同時代だし、イームズとカスティリオーニの比較研究はやってみるとおもしろいかもしれない。暗闇でひとり対峙する映像作品に進んだ生真面目なイームズと、ずっと誰かとおしゃべりしていたいカスティリオーニ……みたいなステレオタイプにはまらないようにしなくちゃいけないけども。

本書で照会されているトリノのデ・アンジェ広場の交通再編成計画など、カスティリオーニの都市計画の仕事については全然知らなかった。駐車場と自動車動線に占拠されてしまった形ばかりの「広場」を再構築し、「歴史的スペースを自動車の下から発掘する(p.204)」という。このフレーズは、私たちが現在とりくんでいるキャンパスの駐車場再編成計画のスローガンにも使えそうだ。

ミラノにあるカスティリオーニのスタジオは、その作業環境そのものを作品とし、博物館として公開されているそうだ。ワークプレイスの動態保存である。ぜひ、見に行かねばなるまい。

TypeTrace

http://dividual.jp/get/tt/

2008年01月08日

PaPeRo アプリケーションチャレンジ in 東北

今週の日曜日、「PaPeRo アプリケーションチャレンジ in 東北」の最終発表会とパネルディスカッションに参加します。

家庭用ロボットというカテゴリーそのものは昔から考えられていましたが、ようやく商品に近い形で実現しつつあります。その過渡的な(技術はいつだって過渡的ですけれども)ロボットを、今の暮らしの中にどんなふうに迎えていくことができるだろうか、という問題です。

私は審査員ではありませんが、午前中のプレゼンテーションから聞くつもりです。
残念ながら途中のワークショップには参加できなかったので、最終成果だけを見ることになりますが、とても楽しみです。

Robot Watchに記事が出ていました。
「PaPeRoアプリケーションチャレンジ in 東北」アイディア発表会開催〜仙台から発信する、2010年のPaPeRoのお仕事とは?

* 【開催日時】: 2008/1/13(Sun)
* 【開催場所】:せんだいメディアテーク 1F オープンスクエア
 アクセスはこちらから
* 【入場料】: 無料(申込不要)
*    【イベント内容】:
      9:30~12:00 アイデアプレゼンテーション
     13:30~14:30 審査結果発表&授賞式
     14:45~16:00 パネルディスカッション

【審査員】

 東北大学特任教授 瀬名秀明様
 東北芸術工科大学教授 白神浩志様
 株式会社ユーディット代表取締役社長 関根千佳様
 ハート&アート空間Be-I代表 関口怜子様
 NEC 企業ソリューション企画本部
  ロボット事業推進シニアマネージャ 藤田善弘様
 主催者代表 ATWC理事長
  東北大学名誉教授 野口正一様

【パネルディスカッション パネラー】

 WOW 鹿野護様
 東北大学大学院准教授 本江正茂様
  他 審査員の方数名参加予定

主催: ATWC(次世代健康福祉介護情報基盤開発コンソーシアム)
    NECソフトウェア東北
共催: 仙台クリエィティブクラスター・コンソーシアム
後援: 東北総合通信局 宮城県 仙台市 仙台市産業振興事業団
    東北ニュービジネス協議会
協賛: NEC

お問い合わせ:NECソフトウェア東北 事業企画部 022-215-5912

2008年01月10日

創造工学研修, 2008.1.10

最終回
履修者に「おもしろい地図」を持ち寄ってもらい,「現実の選択的表示としての地図」のありかたを皆で議論した。オリエンテーリングの専用地図,観光地で配ってる地図,素人が描いた案内図,文庫地図帳の都市比較,建築家が描く敷地案内図などなど,様々な地図が集まった。

何を描き何を省くのか。

「普通の地図」をつくるプロセスで,ほとんど無意識に行われている価値の選択を批判的に再発見する議論だった。

3Mの極小プロジェクター

3メートルじゃない。スリーエム。

200801102155

指でつまめる。厚さ0.5インチ。光源はLED。画面は40インチぐらい。

いよいよケータイにプロジェクタがのりそうだ。
モバイル・プレゼンテーションの新しい所作が求められるようになる。

このくらい小さくて熱も出ず寿命も長く消費電力も少ないなら,照明と情報表示を兼ねたデバイスとして,建築空間で大量に使われることになるのではないか。面状に並べて,プロジェクタ・アレイを構成できるし。

眼鏡につけて,見ている方向の映像を眼前に投影するようにすれば,ヘッドマウントディスプレイとCAVEを兼ねたようなVRシステムもつくれそうだ。

楽しみ楽しみ。

via
1.27cmの極小プロジェクター、3Mが開発 : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン),
3M Revolutionizes Mobile Displays

2008年01月19日

FYI: OpenSubject

メールの件名に、意図を要約した略号を付して、メタデータとする方法。

日本語だと、こういう感じ。役所の文書だとよくついてる。

FPN-メールコミュニケーションを200%効率化するちょっとしたテクニック:

回答 : 質問への答え
返不要: 返信は不要です
送付 : 添付ファイルをみてください
質問 : 質問があります
保存 : 保存しておいてください 
参考 : 知っておいて下さい ※FYIでも十分一般的
案内 : お知らせがあります
要返信: 返信を待ちます
1/17迄: 1/17までに返事ください ※締切日付を直接書く
草案 : 叩き台です

(中略)

これでメール件名を表現すると、

Subject: 草案:Re: 究極の会議研究会
Subject: 回答:草案:Re: 究極の会議研究会
Subject: 要返信:回答:草案:Re: 究極の会議研究会

という流れで表現されることになり、なんとなくそのメールの内容が推測できますよね。

メールの件名は、丁寧に付ける人と雑に扱う人と別れる。
古いメールへの返信としてメールを作成したのだろう、まったく別件なのに、「Re:昔の件名」で送ってくる人はよくいる。

通信審議では、このOpenSubject法はとても有効だろう。

カジュアルな用件の場合には、ちょっとフォーマルに過ぎる感もある。
その場合でも、読んだらどうしてほしいのかまで件名に書いてあると、メールが腐海に沈みにくくなる。

今は卒業研究などの提出時期で、皆、題目をどうするか悩んでいる。
題目の案を用意してこいというと、だいたい、ひとりよがりで、読者不在の第一案を持ってくるので、ただちに却下する。
タイトルは最もコンパクトな内容の要約であり、受け手との関係をどのように確立しようとしているかを雄弁に示すものである。
ふだんメールを書いている時から、適切な件名を意識的に付けるようにするのは、よい習慣だろう。

関連記事:
OpenSubject wiki:


OpenSubject──メールによる会議を可能にする技法 - ITmedia Biz.ID
FPN-メールコミュニケーションを200%効率化するちょっとしたテクニック

2008年01月24日

『武満徹 対談選』

を読む。


武満 徹『武満徹対談選―仕事の夢 夢の仕事 (ちくま学芸文庫 タ 26-1)』

私にはとりわけグッとくるラインナップだ。初出年次が一覧になっていないので対談相手の後ろに書いて、古い順にソートしてみる。

辻靖剛、1965
杉浦康平、1973
谷川俊太郎、1975
吉増剛造、1976
寺山修司、1976
秋吉敏子、1976
黒柳徹子、1977
ジョン・ケージ、1982
黛敏郎、岩城宏之、1982
キース・ジャレット、1984
ヤニス・クセナキス、1984
ジョージ・ラッセル、1988
デヴィッド・シルヴィアン、1992
大竹伸朗、1992

たしかにちょうどこれらのころに、私の物心はついていったのだ。

さて、読み終えて見返して、面白いなと思った言葉、思わず傍線を引いた言葉が、武満ではなく、いつも対談相手によって発せられていることに気付く。

そのように対話する人に私もなりたいと思う。

来日したジョン・ケージは、はじめ桜の花を逃したことを悔やむが、それは菖蒲の美しい季節なのであった。

ケージ 誰でも、人間はいつだって、なにかちょうどいい時季にいるものだ。それは音楽の自然であり、またそれは自然の音楽でもある。私がキノコを好きなのも、ひとつにはそれがあるからなんです。キノコの時季というのはきわめて短い。地上に姿を見せるやいなや、もう腐敗がはじまる。だから、もし君がキノコをひとつ見つけたとしたら、それはちょうどいい頃合いに巡り合ったということになるんだ。(p.108)

2008年01月29日

エルゴソフト

このたび株式会社エルゴソフト(本社:横浜市港北区箕輪町1-23-3、代表取締役社長:松原健二)は2008年1月28日をもって、日本語ワープロ「egword Universal 2」、「egword Universal 2 solo」ならびに日本語入力システム「egbridge Universal 2」の販売を終了し、パッケージソフト事業を終了することを決定いたしました。

パッケージソフト事業終了のお知らせ

Macむけ日本語ソフトの老舗エルゴソフトがパッケージソフトの販売を終了するそうだ。
egbridgeとegwordがなくなる。会社がなくなるわけではないが,パッケージソフトがなくなれば,私とエルゴソフトとの接点はまったく失われる。今使ってるものはそのまま使えるし,オンラインサポートは続くけれども,ソフトウェアの開発が継続されないことが宣言されると,潮が引くように,ユーザは離れていく。寂しいが,やむをえない。

この知らせをメールで見て,

「egwordも買ってやれば良かった」

……と,何様のつもりだといわれそうだけど(笑),そう思った。

私は,昔からATOKは何度も買っては馴染めず,またWXに入れあげたりもしてきた。このところずっと,入力ソフトにはegbridge Universal を 1から2へアップしつつ使ってきた。いま調べてみると,ことえりの遅さに耐えきれなくなって,2006年8月10日にことえりから乗り換えている。もっと前だと思っていたが,案外最近だったことにむしろ驚いた。2にしてから一年もたってない。Leopardにいち早く対応して,さすがと感心したのもつい最近のことだ。なので,この突然の発表には驚いた。それで,先のような感想をもったのだ。

たしかにプレスリリースにあるように,「Mac OS Xにおける日本語環境」は一定の「成熟」をみたのかもしれない。しかし,オルタナティブがなくなると思うと,お尻のあたりがそわそわしてしまう。

システム標準ではない入力ソフトをわざわざお金出して何度も買った気持ちのどこかには,日本語を扱うソフトのオルタナティブのためのニッチを残しておきたいという感情があった。大袈裟ではなく。

入力関係にかぎらず,私はシェアウェアフィーはちゃんと払うし,フリーソフトへの寄付も割とよくする方だと思う。些少ではあっても,この「投票」によって,ソフトウェアの多様性を確保したいという思いがあるのだ。

バージョンアップ費用などを,冗談まじりに「お布施」とか「税」などという言い方をすることがあるが,これは案外本質をついた言葉遣いだと思う。料金と引き換えに商品を買い取るというのとは違って,「生態系」を維持するための費用を負担しているというイメージが確かにあるのだ。

パソコンと日本語の関係におけるエルゴソフトの歴史的意義については様々な記事が出るだろう。エルゴソフトのブランドは失われても,そこで踏み込んで日本語の問題を扱った技術はどこかに伝承され,オルタナティブの生態系が持続されていくことを期待したい。共感できるものであれば,また買いますから。

2008年01月30日

MacJournal5からの投稿テスト

1. タグ込みでコピペしたもの。

<a title="MacJournal5からの投稿テスト (Motoe Lab, TU)" href="http://www.motoelab.com/blog/20080130092134.html">MacJournal5からの投稿テスト (Motoe Lab, TU)</a>

<a title="エルゴソフト (Motoe Lab, TU)" href="http://www.motoelab.com/blog/20080129190743.html">エルゴソフト (Motoe Lab, TU)</a>

2. 下記は Edit/Insert/Link から入れたリンク。

エルゴソフトの記事

3. 下記の段落は,Format/Font/Blockquote で調整したもの。

バージョンアップ費用などを,冗談まじりに「お布施」とか「税」などという言い方をすることがあるが,これは案外本質をついた言葉遣いだと思う。料金と引き換えに商品を買い取るというのとは違って,「生態系」を維持するための費用を負担しているというイメージが確かにあるのだ。
※ 1 はリンクにならなかった。 MacJournal/Preferences/Advanced の HTML Exporting の Escape < and > のチェックを外すとどうか? → だめだな。やっぱりタグではないことにされてしまう。

2 と 3 は,期待通り HTMLに変換された。

記事のタイトルを書き換えたが,新しい投稿にはならず,上書きされた。

ブログ投稿のエディタには,今は ecto 2.4.2 を使っている。ectoでは,タグが見える HTMLモードで書いている。RichTextモードだと,どうも不安なのだ。カスタマイズしたタグ打ち込みコマンドもあるんだが。MacJournalでは,どうやるんだろうか。

MacJournal5 のフルスクリーン編集モードが評価が高い。同感だ。私も原稿を書くときはWriteRoomを使ってフルスクリーン編集をやっている。たしかに集中できる。(以前のバージョンはフリーだったが,今のWriteRoom2は25ドルもする。)

ectoでいいし,WriteRoomでいいじゃん,今でもやれてるじゃん……と,私の中の人はいう。

MailやiPhotoやiTunesのように,ひとつひとつのファイルではなくて,塊としてデータを扱うことが多くなってきた。テキストファイルだけが,ドラフトを含めて,ディスクのあちこちに散在しているのがあまりよろしくないと感じられるようになってきたことが,MacJournalのようなソフトに手を出してみる理由でもある。

追記: MacJournal5からの投稿(具体的には、上の映画の記事)をecto2に読み込んでで見ると、全部の文字が実体参照になってる。 orz

追記:MacJournalに貼り込んだ大きな写真をリサイズできないのだが……

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