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2005年09月 アーカイブ

2005年09月03日

トークイベント「だべらないと。」

東北工業大学のcolorsが主催するトークイベント「だべらないと。」のお知らせ。

原研仕込みの集落調査者 槻橋修氏が語る「地球の歩き方〜ケンチク編〜」であるからして,おもしろくないわけがない。いずれ建築を見てまわる旅をしてみたいと思っているなら必聴。

それから,10月15-16日には恒例の泊まりがけcolorsワークショップも。これには本江も参加予定。詳細は刮目して待て。


050922 だべらないと  Flyer
▲割引券付フライヤー(PDF, 約4MB)

"050922 だべらないと。プレゼンテーター槻橋修氏"

クリエイター、クリエイトを志す学生、クリエイティブ精神あふれるひと、みんな集合!日頃、オモシロい活動をくり広げている若手クリエイターや学生をプレゼンテーターにむかえ、スライドや映像を映しながら、だべってもらいます。取り上げるジャンルは無限だから、どんどんカキネを超えていこう!ステキな夜景と音楽をバックに、飲みながら、食べながら。さぁ、みんなでだべらないと!

日時:9/22(木)19:30〜(開場19:00)
会場:東北工業大学 香澄町キャンパス 5号館 T.I.T.ギャラリー
ご来場の際は、公共交通機関もしくはバイクなどでお越し下さい。駐車場はありませんので、車でのご来場はご遠慮ください。

プレゼンテーター:槻橋修氏/建築家
1968年 富山生まれ。1991年 京都大学工学部卒業。1998年 東京大学大学院博士課程単位取得退学。東京大学生産研究所助手を経て、現在、東北工業大学講師。2002年 ティーハウス建築設計事務所設立。

テーマ:地球の歩き方〜ケンチク編〜
コーディネーター:齋藤和哉(東北工業大学建築学科槻橋研究室アシスタント)

参加費:700円 w2D(フライヤー持参の場合、500円)
申込:参加ご希望の方は、氏名・所属・メールアドレスを明記の上、daberanight@yahoo.co.jp(齋藤)までお申し込みください。締切は9/20(火)です。
主催:colors
協力:東北工業大学槻橋研究室
問い合わせ:022-229-1151 内線403(東北工業大学建築学科槻橋研究室/齋藤)

参考バス時刻
行き
・仙台駅(11番乗り場)〜東北工大前
 霊屋橋・動物公園経由緑が丘三丁目 18:36発 約30分
 霊屋橋・動物公園・日赤病院経由八木山南団地 18:25発 約30分
・工学部中央〜東北工大前
 青葉通・理・工学部・仙台城跡南経由動物公園循環 18:55発 約10分
帰り
・東北工大前〜仙台駅
 動物公園・霊屋橋経由仙台駅 21:02,09,34,47,55発(最終)約20分
・東北工大前〜工学部中央
 青葉通・理・工学部・仙台城跡南経由動物公園循環 21:39発(最終)約10分

2005年09月04日

くまもとアートポリス設計競技2005 次世代モクバン

くまもとアートポリス設計競技2005の募集

35歳以下(2005年10月25日現在)限定のコンペ。
課題は「次世代モクバン(新鮮な空間とフォルムを持つ木造バンガロー)」
締切10/25。A1一枚。審査員伊東豊雄,桂英昭,曽我部昌史,末廣香織ほか。ファイナリスト10名でプレゼン公開審査。学生可。勝てば建つ。いきなりアートポリスデビューだ。

おもしろそうだな。サバ読むかあ。
バンガロー ガンバロー

(最近告知ばっかりだな……)

2005年09月05日

新機種支給

2005-0905-1046.jpg

大学のネットワーク環境の更新にともなって、新しいパソコンのセットが支給された。
プリンタがでかい。DocuPrint187A。ドライバが出ているので,マックでも使えるようだ……と思ったががうまく動かない。問題がまだ切り分けられていないが。

ネットワーク環境はまだ工事中のようで、ときどき挙動がおかしくなる。しばらくはこのままだろうな。ネットがちょっとギクシャクしているだけで非常に仕事のストレスが増してしまうのには、われながら驚きもする。

追記:私にとって,この新機種支給の最大の恩恵は,Google Earthがグリグリ動く環境になったってことだ。あらためて凄いぜ Google Earth。できれば仙台の衛星写真ももっと詳細にしてくれ。

2005年09月06日

ハウスレクチャ,山代悟さん

久しぶりな気のするハウスレクチャ。9月開催ですのでお間違えなく。
フライヤーが届いたのでage


9 50916Houselecture

日時:9月16日(金)19時〜(開場は18時半)
会場:阿部仁史アトリエ/house
ゲスト:山代悟氏(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻助手、アートユニットRE[ ]/Responsive Environment、デザイン事務所buildinglandscape共同主宰)
参加費=1,000円(ドリンクつき)
申込み=参加ご希望の方は、氏名、所属、メールアドレスを明記の上、
houselecture@a-slash.jp
(堀口) もしくは022-782-1233(阿部仁史アトリエ/堀口)までお申込み下さい。なお,準備の都合上9/12(月)までにお申込み頂けると助かります。

今回は、アートユニットRE[ ]/responsive environmentを共同主宰する山代悟氏をゲストに迎えます。RE[ ]は、建築、音楽、ダンス、映像などの多領域とのコラボレーションによりインスタレーションやパフォーマンス作品を発表しています。なかでも「Soft Architecture」は、建築とメディアアートを融合させることで新しい空間の経験の可能性を開くものとしても注目されています。2001年には、オーストリア、スロヴェニアをツアーしリノベーションされた空間を占拠しながらインスタレーションを行うなど、その活動は国内外でも高く評価されています。2005年冬には卸町の倉庫でのインスタレーションも予定されています。山代氏には、RE[ ]の一連の活動、さらにはbuildinglandscapeを共同主宰する建築家としての活動についてもお話をしていただきます。
http://www.buildinglandscape.com/

2005年09月07日

『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?』

を読む。
森 健,『インターネットは「僕ら」を幸せにしたか?―情報化がもたらした「リスクヘッジ社会」の行方』アスペクト,2005

「利便性と引き換えに失ったものは何か?」と帯にあるように,インターネットのネガティブな側面を日本国内の事例に即して整理している。結論からいうと,「失ったもの」は「プライバシー」「自由」「民主主義」「多様性」「主体性」等々なのだが,類書にありがちな徒に扇動的な調子はないので,落ち着いて,でもすらすらと読める。

スパムに破綻寸前の電子メール,即レスしなきゃならない携帯メール,グーグルにヒットしないものは存在しないのと同じ,ブログとジャーナリズム,EPIC2014が示すようなパーソナリゼーションと集団分極化やサイバーカスケード,ICタグとICカードがリンクして個人情報が大規模かつ徹底的に収奪される超管理社会——そこでは,政治と商業が手を携えており,消費者も自ら管理を望む——,リスクヘッジのつもりがかえって不信の連鎖による悪循環を生み出してしまう監視社会,などなど。

徒に扇動的になっていないのは,著者自身がITの恩恵をたっぷり享受しており,しかも,そうした新しい技術に強いシンパシーをもっているからこそ感じてしまう「居心地の悪さ」という矛盾に自覚的だからだ。

必ずしも斬新な視点や画期的な理路が提示されるわけではないけれども,情報社会のビジョンを議論するならば,たとえば卒業論文で「情報化社会が……」などと口にするつもりならば,本書の議論くらいは常識的な共通認識としておさえたうえでなければならないだろう。

インターネットの社会的ダークサイドを一覧する入門書として本書は好適。もちろんダークサイドであるからして,さらに掘り下げようとすれば底なしではあろうが。

あと,松江泰治の写真を使った装丁がすごく良い。

もとになったオンラインの記事:デジタル特捜隊:ITは人を幸せにするか

著者のウェブサイト www.moriken.org

FTEXT,カリキュラムの疎結合と密結合

PICSY blog経由で,文科省の指導要領に少ししか準拠していない高校教科書「FTEXT数学」が準備されているのを知る。オープンソースのソフトウェアのような形で,フリーの教材を作ろうという活動。

PICSY blog: 吉江くん最高 -カリキュラムにおける疎結合と密結合-:
日本の高校の教科書は、各分野を疎結合にするというポリシーで書かれている。
これはある種の配慮の賜物なのだろう。というのは、ある科目が苦手な生徒が、その知識を使わなくても別の科目では勉強できるようにするためだ。だから、せっかく高校数学で微積分を習っても、物理で運動方程式を微積分を使って勉強するのは大学以降となり、微積分を習って何が楽しいのかも、ニュートンの偉大さもわからない。

僕も残念ながら,高校時代には何が面白いのかイマイチわからぬまま微積分なんかを勉強してた。なんとか理系に入ったものの,大学での数学は,たしかに高校のそれとはまったく様子が変わってしまい,正直いって全然ついていけなくなった。一方で,「密結合」になった体系としての数学に非常にイキイキと接する同級生たちもいた。彼らの助けを得て,いろいろ苦労しつつ,ギリギリで必修の単位をとったのだっけ。

「カリキュラムにおける疎結合と密結合」ってのはおもしろい。

数学のような体系性は望むべくもないとしても,デザイン情報学科ではデザイン分野と情報分野とを密結合するカリキュラムが構想されねばならない。
……疎結合にしといてくれれば教えるほうはラクなんスけど(苦笑)

2005年09月08日

まいく郎フォーラム

という催しで講演をしてきた。「まいく郎」というのはバスプラスワン社製の図面管理用のソフトウェアで,今日はそのソフトのユーザやベンダの集まり。情報共有がテーマだということなので,にわか勉強で「ナレッジマネジメント」の話をすることにした。

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VodafoneのGPSケータイ 903T

ITmedia +D モバイル:海外5カ国でもGPSナビ——「903T」

ボーダからもGPS搭載機がやっとでる。モノは902Tそのまんまって感じで新味ゼロ。

海外でも使えるのがウリだというが……

サービス開始当初の海外対応エリアは英国、オランダ、スペイン、ドイツ、香港の5つの国と地域で、対応エリアは順次拡大する予定。

……アメリカも中国もダメ,と。

どうせなら Google Earthを 積んでくれ

アプリは「Vodafone live!NAVI」でプリセットはゼンリンのもの。雨の日のために屋根の多いところを選ぶ機能など面白いね。

GPSケータイの前途洋々といきたいところだが……

GPSコンテンツ開発の仕様は、「Webコンテンツ開発の仕様についてはオープンにするが、Vアプリは個人情報保護などセキュリティの観点から限定されたコンテンツプロバイダのみに公開する」としている。
 今後のナビ機能搭載端末の開発については「ここ1、2年で(対応端末の)比率を上げる予定」というに留めた。

ここでもやはり,リスクヘッジ至上主義がものをいうのであった。

Google EarthにGoogle Mapsを重ねて表示する方法

Going My Way: Google EarthにGoogle Mapsを重ねて表示する方法
メモ。日本は,ずれて表示されるらしいけど。

geobloggers: Google Earth Network Link Fu!googleMapOverlay.kmlを使う。

追記:日本測地系でもずれないもの登場とのこと。Going My Way: 日本独自の測地系にも対応したGoogle Maps Overlay経由,Google Maps Overlayの中程"Click here"からmapover.kmzを使うべし。

2005年09月11日

児童の改札機通過情報、ピタパ使い配信

Ubicomp+Shopping経由。
IC CARD WORLD:児童の改札機通過情報、ピタパ使い配信実験——阪急など、保護者の携帯に。

ピタパは関西私鉄系のICカード乗車券。塾や学校に通う子供が改札を通ると保護者の携帯メールに通知が届く。行き帰り乗り降りで一日計4回の改札通過が通知される。阪急電鉄、能勢電鉄、京阪電気鉄道が実験開始。早期実用化をめざす。鉄道業界初。

「もう塾を出たはずの時間やのに,まだ電車に乗ってへんやないけ。きっとゲーセンで遊んでけつかんねん。電話したろ」
ピポパ
「こらぁ,油うっとらんと早よ帰ってこんか,あほんだら」
……と言いたいが,当然,子供は着信しても電話に出まい。電源を切るかもしれない。そこまでの勇気のない子供は,漠然とした不快感を感じながらも,早く電車に乗らなきゃまた怒られる,と思いながら,毎日通学するようになる。

帰りが遅かったとき,家で叱るのではなぜ不足なのか。そして,本当に子供が誘拐されたときに,このシステムは有効に機能するのか? どんなふうに?

誰にどんなメリットがあるのかさっぱりわからん。
誰かちゃんと説明してくれないかな。

「おさいふケータイ」も同様ですけど,匿名でも利用できたピタパに,個人を特定する情報が接続されるのがイヤな感じ。リスクをヘッジしたつもりで,また新しいリスクが生まれてしまう。これを不信の連鎖といい,リスクの増殖というのではないのか。

みまもりほっとラインとこれとの間にはどんな違いがあるか?

『苔のむすまで』

を読む。森美術館での大規模な展覧会を前に,BRUTUSでも特集されている,水平線や映画館のスクリーンなどの長時間露光の写真で知られる美術家杉本博司の随筆集。雑誌『和楽』での連載を主とする。代表的な写真も多く収録。

杉本 博司,『苔のむすまで』新潮社,2005

ニューヨークの骨董商として,「古美術の販売および現代美術の製造販売」をおこなってもいたという杉本は,平安美術を中心とする古美術にも造詣が深く,日本趣味の雑誌連載ということもあって,仏像や書などの日本美術史……にとどまらず日本史に関わるエッセーが多い。天皇が出てくると敬語なのが妙に新鮮であった。これまで私には,直島の護王神社のような仕事をなぜ「写真家」の杉本博司がやっているのかと疑問だったのだが,まずもって杉本は「美術家」なのだと知る。そう思ってみなおすと,一貫性が見えてくる。長時間露光で撮影される「海景」や「劇場」がそうであるように,本書のタイトルが示しているように,一貫するテーマは持続する時間だ。杉本の写真は,否応なく,そこに封じ込められた時間を意識させる。

比較的新しい写真の連作「建築」は,まったくのピンぼけ写真にみえる。

——私のカメラの焦点の無限大の倍という点に,無理やり機械的に設定したことによってボケたのだ。この世にはないはずの,無限よりも倍も遠い所を覗こうとして,ボケをかまされたとでも言っておこう。(中略)
理想が現実と妥協した結果が,建築物なのだ。どれくらい現実との妥協に抵抗できるかが,一流の建築家であることの証となる。言い換えれば,建築物は建築の墓なのだ。その建築の墓に,無限の倍の焦点を当ててみると,死んでも死にきれなかった建築の魂が写っていることがある。(p.15-16)

被写体−レンズ−フィルムという空間的な関係を,強制的に破綻させることで,焦点を結ぶ対象を,撮影現場の空間とは別の系へとシフトさせている。一章をデュシャンに,しかも大ガラスにあてているのにも理由があるのだ。ただのスタイリッシュな写真というわけではない。

文章はいたって読みやすい。が,話題はドンドン展開して,ふっと終わるので,もたもたしていると置いていかれる感じもある。

同時期に出た『BRUTUS』の杉本博司特集も作品制作の様子や細かいバイオグラフィなどもあって楽しめる。額縁の作り方も興味深い。合わせて読めば展覧会の予習としては十分だろう。

さあ,展覧会に期待。

2005年09月12日

iMac G3 起動せず

MovableTypeのサーバとして働いてきたiMac G3 DVが起動しなくなった。
パワーボタンが一瞬グリーンに光ってすぐに消えてしまう。ディスクやメモリのチェックどころではないようにみえる。周辺機器は全部はずし,コードを抜いてしばらく待ってみる,電源ボタンを長押しする,などあれこれやってみたがダメ。修理も高く付きそうだし,引退かとも思う。何か手元で試せることがあればやってみたいんだけれど……

とりあえず,予備のPismoに引き継いで,ブログを動かしている。バックアップがあってよかった。デフォルトのまま,ディレクトリをまるコピーして,ほんの少しアパッチの設定を直すと引っ越し完了である。簡単。ただ以前も2.5inch HDDでサーバ運用していてディスクを壊した経験があるので,寿命を意識しながら運用しないといけない。

不調だった大学のネットワークも,DNSの設定変更があったことを知らされて無事解決。ちゃんと先に教えてくれよ。

iPod nano

iTunesから,シャッフルのような「おまかせオートフィル」が出来ないのが,なんだか面倒。スマートプレイリストで工夫すりゃいいんだろうが。

曲名や演奏者,歌詞やジャケットが見られるのはやっぱりうれしい。音質も,同じヘッドフォンで聞いてもシャッフルよりいい。

ただ,カーオーディオにつないで使うとき,つい画面を見てしまうのが危ないかも。シャッフルは完全指先操作だったので。ま,飽きてくるころにはShuffle Songsモードで放りっぱなしとなるんだろうけど。

talbyに似てる。

2005年09月16日

アテンション・エコノミー

先日まいく郎フォーラムでしゃべった話の前提が,わかりやすく整理されていた。こういうことが起きていると言いたかった(笑) 

ブログ、グーグル、アテンション [情報の“民主”化とメディア] - higuchi.com blog:
ここ2年ほど、インターネットのトレンドなどのお題で講演を頼まれた時に使っている定番のネタがあります。ブログとグーグルの出現が情報流通の民主化を爆発的に推し進めたため、アテンション・エコノミー的価値観が現実味を帯びてきた、というお話です。(中略)
乱暴に言えば10年前にロータス ノーツを布教していたころの「情報共有のススメ」と大して変わっていないのですが、当時は「社内にネットワークを作りましょう、そうすれば会社の知的生産性が上がって儲かります、だからノーツを買ってください」だったのが「世界規模の知的ネットワークができてしまいます、情報が価値を持つ時代が終わってアテンションが価値を持ちます、さてどうしましょう」になっちゃったわけ
フォーラムでは,國領次郎の言葉を引いて「メディアの希少性から認知限界の希少性へ」と話したが,「アテンション・エコノミー」はこれとほぼ同義と考えてよいだろう。

もちろん「いかに人々の興味を集めるか」はずっとずっと昔から課題だったわけだ。でも,インターネットが,昔なら生まれるそばから儚く姿を消していたに違いない淡い興味をも,スッとすくいあげてくれるようになった。ロングテール化ってやつだ。そうなれば,アテンション争奪戦の様相は全然違うものになっていく。

ところで,先週の土日は仙台恒例の「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」だった。文字通り,街のいたるところでライブをやるのである。ところが,その当日に総選挙が重なった。「最後のお願い!」が街に響き渡ればジャズどころではない。そこで実行委員会が各候補に要請した。候補たちはこれに応え,最後の街頭演説は郊外で行われ,街は音楽に満たされた。選挙なのに街は静かで,静かなのに投票率は低くなかった。

選挙ってのは典型的なアテンション争奪戦だ。ネットの選挙利用が話題になっているが,遠からず解禁となろう。そこではロングテールとなった有権者の幅広いアテンションのありかたに対応する,新しい情報提供戦略が必要となるだろう。

B&Oのケータイ

ITmediaニュース:Bang & OlufsenとSamsung、高品質の携帯電話を共同開発:

なんとなく想像つくけど,日本では使えないけど,期待。

学生による授業評価:FM1, 2005年度前期

が届きました。
投票数22名,全員が空間デザインコース3年生。ありがとうございました。

総合評価 4.4点(5点満点)

自由記述:
「授業がもっとあっていい」
→五段階評価アンケート部分でも,全科目平均を下回る採点だった項目 として,「教員の休講,遅刻,早退は少なかったか」があがっておりました。あれこれと休講が多かったのは事実です。すみません。

「もっとFMについて知りたいと思った」
→後期のFM2も受講してください。

ちなみに、この科目は選択科目なので、授業に不満な人は最後まで出席していない=アンケートに参加していない場合もあり、嫌でもとらざるを得ない必修科目を含む全科目平均よりは評点が高くて当然ではあります。

学生による授業評価:デザイン情報概論,2005年度前期

が届きました。投票数90名。空間デザインが59,情報システムが14,事業計画が7。数があいませんが(笑)所属を記入しない人もいるのでしょう。ありがとうございました。

総合評価4.4点(5点満点)

自由記述:数が多いので一部です。
「図工や美術はキライだったけど,何かを伝えるための「デザイン」ってのは今後の将来に,考えないわけにはいかない重要な課題だと気づかされた。」
→「デザイン」は決して「図工や美術」の一部ではありません。より大きな概念で「デザイン」をとらえかえすことができたのだとすればこの授業は成功です。

「教官プレゼンはとても良かった。一人一人の研究内奥がとてもよくわかり,また,一人一人の個性もよくわかった。」
→教育担当科目と研究との間にはどうしても微妙なギャップがあるので,どんな研究をしている人がその授業をやっているのかを知ることは重要です。他の「概論」科目でも教官プレゼンテーションをやるように薦めているところです。

「割合的俺的におもしろかったので来年も受けようと思います。」
→マジスか。俺的には問題ないす。若干今年とネタかぶっちゃいますけど勘弁してほしいっス。

「全体的に意味不明」
→そりゃ残念でした。この授業は今風にいうとデザインにむけての「気づき」のための様々なアプローチを試したものだったのですが,あなたにフィットするものがなかったということでしょう。さらに工夫をしたいと思います。

学生による授業評価:設計製図基礎I, 2005年度前期

が届きました。延べ投票数100名。ありがとうございました。

この科目は私だけで担当している科目ではないので,ここに詳細を記載することはしませんが,事務局にて結果を閲覧できますので,興味のある方はそちらでごらんください。ここに述べるのは,あくまで本江ひとりの意見であることをご承知おきください。

率直にいって,この科目には非常に厳しい評価をいただきました。

とりわけ情報システムコース志望の学生諸君から,「何も得ることはなかった」「必修の意味がない」「役に立ちそうにない」「意味がない」など厳しい意見がありました。

もちろん我々は「意味がない」とは思っていませんが,意味があることを実感してもらえなかったのだとすれば,我々の授業の設計と進行に十分でない点があったのだと思います。言い訳にはなりませんが,今年より開講の新しい演習ゆえの準備不足が原因ですし,また,他の演習科目との調整も不十分で,課題の負荷のコントロールがうまくできていなかったものと理解しています。

教官によって言うことが違うのが困る,という意見も少なからずありました。事務的な内容についての指示に一貫性がなく混乱を招いた点は確かにあり,これは前述のように調整不足が原因と反省しているところです。

しかし最後に,こうした低レベルの混乱とは別の次元で,これからますます「人によって全然違う意見」とつきあっていかなければならなくなる,ということは確認しておきたいと思います。自分で設計する課題がはじまると,みなさんの設計案に対し,それぞれの教官はこれまで以上にバラバラのことを言うようになります。人によって違うし,同じ人でも場合によって違うこともあります。相矛盾する要求が同時に投げかけられたりもします。大変ですけれども,それを一挙に解いてみせるのがデザイン的行為の本質的な仕事なのです。

2005年09月17日

『専門家の知恵』

を読む。

ドナルド ショーン,『専門家の知恵―反省的実践家は行為しながら考える』佐藤学,秋田喜代美訳,ゆみる出版,2001

邦題が内容とフィットしていないので損をしていると思う。これは「専門家」のありかたをラジカルに再検討している本だ。

Donald Schön, The Reflective Practitioner: How Professional Think in Action, Basic Books, 1983 の「第二章 技術的合理性から行為の中の省察へ」と「結論 専門職とその社会的地位への示唆」の三分の二を翻訳したものである。原著は様々な事例研究を含む膨大なもののようだが,その中核部分だけを抜き出して訳出したものが本書だ。

なので,議論はいきなり非常に抽象度の高い水準ですすんでいく。それが読みにくい印象を与えることは否めない。が,訳者らによる「序文」と「解説」が,端的に議論の構図を整理しており,まずはここを読んでおくのがよい。

きちんと整理して紹介したいところがだ,とりあえず,裏表紙の紹介文を抜き書きしてお茶を濁す。

専門家の資質や能力を疑う事件が続出している。専門家と社会との関係が厳しく問われ,その知識と技術と見識の相対にわたるパラダイムの転換がもとめられている。ショーンは本書で,「技術的合理性 technical rationality」に基づく「技術的熟達者 technical expert」から「行為の中の省察 reflection in action」を中心概念とする「反省的実践家 reflective practitioner」という新しい専門家像への転換と,その実践的思考のスタイルを鮮やかに描き出している。それは専門家教育のカリキュラム改革や専門値の構造の変革を迫るとともに,基礎科学や応用技術の「厳密性」において劣るために「マイナーな専門職」とされてきた教師や看護婦や福祉士などの実践を活気づける起爆剤となった。

本書で提示される「反省的実践家」および「行為の中の反省」の概念,そして『枠組みの省察』においてさらにショーンが展開させた「デザイン合理性 design rationality」と「枠組みの省察 frame reflection」の概念は,デザイン行為を理解するうえで非常に重要な概念だ。きっちりまとめて,なんかの講義で話すつもり。

任天堂の新型コントローラ

まずビデオを見よ。
IGN: TGS 2005: Revolution Teaser Video 1249127

ITmedia +D Games:任天堂「Revolution(仮)」隠されていたコントローラ明らかに
任天堂、岩田聡氏が基調講演でRevolutionのコントローラが初公開! 片手で遊べる、さわる感覚の斬新なコントローラー

DSのタッチペンで始まった,位置や方向をダイレクトに絶対的に指示するコントロール方式が,テレビゲームでも標準搭載される。これはゲームのありかたを相当変えることになるだろうなあ。

ダイレクトポインティングだけでなく,画面との距離やヒネリも検出できるというし,複数つないで「両手の位置関係」をとることもできるとのこと。アクチュエータが入っているようには見えないから,バイブなどのポジティブなフィードバックはないんだろう。受信側の形がどうなるのか,この記事ではまだわからない。

まあ,昔からピストル型のコントローラはあったけどね。

スラドのスレがたっている。
スラッシュドット ジャパン | 任天堂、Revolutionのコントローラを初公開

追記:任天堂の志しや高し。
任天堂岩田社長の基調講演ビデオ「ゲーム人口の拡大にむけて」 by IRwebcasting この画面は Keynote ですな。
テキストで読むならこっち。岩田社長 基調講演 全文 - Nintendo iNSIDE

2005年09月19日

『チャーリーとチョコレート工場』

を見る。すばらしくばかばかしく毒毒しい怪作。ウンパルンパもリスも燃える人形も素敵。とにかくティム・バートンが「雪」を降らせるのを見るだけで私は深く満足なのだ。

公式サイト:☆☆☆ チャーリーとチョコレート工場 ☆☆☆

flavor ってのが大事なことだなと思われた。

2005年09月20日

学内のネットから認証が必要なページにアクセスできない

ようになってしまった。Google Mailも見られないし、FireFoxのアドオンのページにもいけない。
先週まではできたのに。

リスクヘッジってすばらしいな… 凸(- -+)

2005年09月21日

colors workshop2005 『卸町再生 ストリートファイト!』

東北工業大学で恒例のcolors workshopが行われます。
今年もファシリテータが超豪華。石上純也、石黒由紀、日高仁、吉村靖孝ほか,ですよ。建築界のホープめじろおし。私も末席に座りますが,すげー楽しみ。
国際建築ワークショップとともに,卸町創立40周年記念企画と位置づけられいて,両者は兄弟イベントでもあります。両方参加するとさらに面白いはず。

宮城大学の大学祭と日程がかぶるみたいですけど,ぜひこっちも。

Colors2005

colors workshop2005
■ 開催日程
○10月14日(金)
colors workshop プレイベント
『秋晴れ。ケンチク日和』
・見学建築物(予定):宮城県立図書館、宮城スタジアム、せんだいメディアテーク 
 
○10月15日(土)・16日(日)
colors workshop 2005
『卸町再生 ストリートファイト!』
・会場 : 東北工業大学香澄町キャンパス 及び 仙台市卸町
 
東北工業大学祭建築学科企画展示 2005
・会場 : 東北工業大学二ツ沢キャンパス R126教室
・入場無料
 
■ colors workshop 2005 テーマ
 
『卸町再生 ストリートファイト!』
 
世界中のどんな街にも、その街の文化や流行を生み出す〈ストリート〉がある。〈ストリート〉は最も重要な都市の公共スペースであり、様々な人々が行き交い、絶え間なくモノが流れ、無数の情報に溢れている。だからこそ〈ストリート〉は「街の顔」であり、〈ストリート〉の魅力はそのまま街の魅力となる。
 

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2005年09月22日

青木淳さんの講演会@東北芸術工科大学

告知が続きます。秋ですね。メールそのままですが。
やや,国際建築ワークショップの説明会とかぶってる……

御無沙汰しております。東北芸術工科大学の竹内です。

来る10月6日(木) 18:00から20:00まで

建築家 青木 淳さんをむかえて、環境的未来型05の講演会が行われます。

最近、青森で美術館が竣工されたので、そのことも伺えると思います。

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2005年09月23日

ガラスに近寄るな!

050923_1223~001.jpg
場所
ヒステリックな張り紙がずらっと。
破損しているようにも見えないが、誰かがぶつかって苦情をいれたのか。

本当に危ないならちゃんと対策するべきだし,文句を言われないためだけの仕事ならあまりに見苦しい。

測位・空間情報基本法

ITmediaビジネスモバイル:自民党圧勝で、高精度GPSケータイが実現する!?

自民党は政権公約「国家基盤としての衛星測位の確立と骨格的空間情報の整備:衛星測位の精度と信頼性を国家が保証できる体制を構築し、骨格的空間情報の標準化と整備促進のための「測位・空間情報基本法」を次期通常国会に提出する」としていた。前に書いた準天頂衛星のことだ。これが可決するだろうという話。

「あっち側」と「こっち側」を位置情報を軸にあらためて接続するための動き。まだ二桁メートルの世界だが,いずれセンチメートル単位のRFID的なスケールシームレスになっていくんだろう。

ところで,公約にある「骨格的空間情報」ってなんかスゲー字面だ。
俺の扱ってんのはまるっきり「皮相的空間情報」なのだと知る。
ま,骨のほうは任せるんでよろしく。

あわせてこちらも。
ITmediaビジネスモバイル:本格化する「ケータイナビ」時代
アンテナはGPS・位置情報ニュース新着情報あたり。

このように,膨張しまくりの「あっち側」が「こっち側」に改めて着陸しようとする一方,「こっち側」はこっち側で形式知と暗黙知の間にもう一枚壁があるじゃんって話をこの間したんだなんだということが,また今わかる。勢いで話してしまえば,その意味が,あとでだんだんわかってくるものである。だから,講義ではまだよくわからないことをしゃべるのがいいのだ。

ただ,時々こういう空間的メタファでとらえるアプローチはまるっきりダメなんじゃないかと思うこともあるのよね。

2005年09月26日

殻が外れて

Toyoitoginza
養生に苦心のあとが

杉本博司「時間の終わり」

を見てきた。とてもよかった。

MORI ART MUSEUM [杉本博司 時間の終わり]

会場構成も,杉本自身がやっている。森美術館でみたいくつかの展覧会のなかでは,もっとも緊密な構成だと感じた。入り口に近い《観念の形》シリーズのところなんて,英雄(の後ろ姿)的でとてもかっこいいし,《松林図》の先にある《護王神社》の模型には顔を突っ込んで,ぜひ東京湾を見ておくべきだ。

《ジオラマ》が並べられている空間が,それこそ,よくある博物館のジオラマの空間とプロポーションが似ていて,そこに脈絡のないシーンが並んでいるものだから,実像を模した虚像たるジオラマが再度写真という虚像になることによって逆に実像に見えてしまうというこのシリーズのおもしろさが,ここでもう一度反転して,かえってジオラマらしいジオラマに見えていたのがなんだかおかしかった。

とにかく,写真集や雑誌で小さな図版を見るのとは,そりゃもう全然違う体験だから,ためらわず見に行くべし。写真を展覧会で見ることの楽しさにあふれている。しっとりしたプリントの肌理を堪能しつつ,剛胆な空間構成を楽しもう。

よかったぶんだけ,苦言も。

《海景》は照明がずれちゃってるのがいくつもあって,がっかり。画面の中身より照明の影のほうがコントラスト高いんだもの。

あと音のこと。設備系の音かと思うけれど,ものすごい高周波のキーンという音がしてたのがひどく耳に障った。入り口あたりの「気をつけてエスカレータに乗れゴラァ」というアナウンスの繰り返しも同様に。

無闇数多い黒服の案内スタッフがやけに慇懃なのにも,帰り道に延々と土産物屋の前を通らされるのにも,もう慣れたけど。

追記:
聞いた話なのだけど,耳に障ると文句をつけた高周波のキーンという音は,なんと,意図的に流された音響であるらしい。ホント??

2005年09月30日

『マインド・ゲーム』

を見た。「クレヨンしんちゃん」で名を馳せた湯浅政明が初めて監督した長編。
いや,アニメーションってのはスゲエな,ほんと。

『マインド・ゲーム』

主人公たちの人生を,反復しながら,しかし微妙に修正を加えながら,猛烈なスピードでカットバックしていくシーンがハイライト。だが,それ以外にも斬新なシーンでいっぱいで,110分ずっと驚きつづけながら見た。見ないとしょうがないので多くは書けないけど。

といいながら,ひとついうと「神さま」。
「神さま」にああいうイメージを与えるってのは表象文化史上画期的な手法なんじゃないかなあ。神の表象に詳しいかたに教えていただきたいです。


台詞もいい。なかでも印象的なのがこれ。

主人公たちはクジラに飲み込まれる。
クジラの腹の中には,ひとりの爺さんがいた。
爺さんは30年クジラの中にずっとひとりでいたのだった。

主人公たちを見つけ,感極まって爺さんが発する最初のよびかけの言葉が,

「アタシ,ラジオ モッテマス」

コミュニケーションの本質は交換ではなく贈与なのだということがこれほど鮮明に織り込まれた言葉はちょっとないんじゃないだろうか。しばらくはこの言葉を噛み締めて生きようと思う。だけどじゃあ,あたしはなにをもっているんだろうか。

サッカーくじ,累積赤字150億円

しかも,常識的にみれば,赤字を隠していたといってもいい状態だったらしい。初期投資も回収できてない。

 totoは売り上げが年間420億円程度あれば黒字決算になる仕組みだった。ところが、01年シーズンの604億円をピークに、02年408億円、03年203億円、04年156億円と年々落ち込んだ。

胴元が赤字で必死だと知って,その賭場にでかけるやつなんていないだろ。

競馬も苦しいらしいけど,一定数いるはずの「ギャンブル好き」は今はデイトレーディングとかやってんのかな。

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