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2005年08月 アーカイブ

2005年08月01日

ハブが壊れる

研究室のネットワークの調子が突然おかしくなった。しばらくの間,このブログにもアクセスできなくなっていたのもそのためだ。原因の切り分けをしたところ,問題はスイッチング・ハブにあることがわかった。余っていたハブにとりかえて,機能は復旧した。

ずいぶん時間がかかってしまったのは,ハブほどのシンプルな部品が壊れるとは考えず,より複雑で問題のおこることの多いパソコンやルータ類の設定ばかりを見直していたからである。一時はブログのサーバとしているiMac DVのネットワークポートのハードウェアを疑い,旧機種でもはや修理は難しかろうから,買い替えるとしたらMac miniだが2.5インチHDDでサーバ運用は大丈夫なのか……などと,いくらかウキウキしつつ,情報を集めだす始末。

問題は単純なところでおきているのに,われわれは,問題が起きてほしいと願っているところに問題を探してしまう。そして往々にして,そこに問題を見つけてしまう。悪いのは本当にそこなのか?

HappyNews.com

HappyNews.com - All The News That's Fun To Print

「よいニュース」ばかりを集めたニュースサイト。

立川談志が落語のまくらで言っていた。近頃悪いニュースばかりだなんてことをいうが,悪いことがニュースになってるうちはいいんだ。逆に,上野に親孝行青年あらわる,なんてぇことがいちいちニュースになるようになっちゃおしまいだ,と。

百式 - 報道が作り出す習慣 (HappyNews.com) 経由。

2005年08月02日

PsyncX

Mac OS X Tigerにしてから,バックアップのソフトをCCCからSilverKeeperに変えたのだが,10.4.2にしたところ,SilverKeeperの挙動がおかしくなった。そこで,PsyncXを使いはじめる。
一応,メニューなどは日本語化されているものの,無い方がマシな酷いものなので,パッケージの中から,Japanese.lprojを削除する。

関連スレ:
http://pc7.2ch.net/test/read.cgi/mac/1116044278/l50

Mighty Mouse

Apple - Mighty Mouse

クリクリ付き。マントは着けてません。5400円。
このクリクリはトラックボールのように回転するのか,さするだけなのか?
最近のiPodのノリからするとクリクリよりスリスリなのか?

2005年08月03日

GPS付FOMA SA700iS


GPSナビ機能を搭載した「SA700iS」

GPS付のFOMAがようやく登場。しかし見た目も仕様も恐ろしく地味。SA700iSといい,F505iGPSといい,どうしてドコモは高機能モデルにさらにGPSを付けてくってことをしないんだろう??

他にドコモにはGPS機がないのでしかたなく使っているF505iGPSは,撮影した写真に現在位置情報を付ける手順が酷く込み入っている。これはつまり,ドコモはGPSについて,道案内などお仕着せ有料サービスでの利用しか眼中になく,ユーザが写真やメールなどの基本機能の中で位置情報を使っていくという可能性を考えていないのではないか,という印象を禁じ得ない端末であった。

SA700iSの記事を見て,やっぱりドコモはGPSには興味がないのだなとあらためて思ってしまった。よい意味で,実機がこの第一印象を裏切ってくれることを期待したい。

……が,下記の記事を読むかぎりでは期待はさらに薄まるのであった。
「SA700iS」のGPS機能、歩行者ナビなどをサポート

追記:測位のパケ代は無料らしい。

KDDIのGPS機能も同じくQualcommチップの機能を使っており基本的に同等だが、SA700iSの場合「GPS測位にかかる通信費は無償」(説明員)なのが異なる。au端末の場合、測位時に数円のパケット代が必要になる。

さらに追記:

FOMAで始めてGPS機能を搭載したSA700iSは、ダイヤルボタン下部に「いちおしナビ」ボタンと名付けたGPS専用ボタンが用意されている。短押しすればナビゲーションメニューが表示され、長押しすればすぐにGPSの位置測位が始まる。「今まではアプリを起動してから階層が深かった」と横田氏。徹底して、GPSを活用してもらおうという思想で、各ポイントが作り込まれた。

この記事を見る限りでは,いくらかは期待してもよいのかも。
F505iGPSのGPS系ソフトは本当に酷いんでね。

建築ITコミュニケーションデザイン論,2005.8.3

最終回。環境情報デザイン論。期末課題レポートについて
Aitcd 2005 14

2005年08月04日

MightyMouse到着

050804_1358~001.jpg

クリクリでした。質感は現行のiMacやiBook系。
全体の大きさは白マウスになってから変わってない。質感は徐々に変化して,透明な「葛」の部分はすっかりなくなった。

ドライバは別途CDからインストール。152MB必要だってさ。
Mightymouseprefpanel

静電センサーで指の状態を取って操作を判断しているために,どこをどう押してもクリック感が一緒。指へのフィードバックという点でいえば,ボタンを分けてある方が情報が多くていいように思う。サイドボタンはすごく堅い,というか押せてるのかどうか触感ではわからない。

その代わり,サイドボタンを押したり,スクロールボタンを転がすと,スピーカーから偽クリック音がする。これがなかなかに自然な感じに聞こえるのはiPodと同じだ。USBの線を抜くと当然音は止まるから,クリクリ動かしながら線をふっと抜くと音が消える。すると,急に「手応え」が変化したように感じてしまうのだ。脳をだますフィードバックなのだな。

2005年08月05日

南海キャンディーズ山里亮太のつっこみ一覧

南海キャンディーズ山里亮太のつっこみ一覧

『プリンストン高等研究所物語』

ジョン・L.カスティ,『プリンストン高等研究所物語』寺嶋 英志訳,青土社,2004

1946年,すなわち終戦直後でソ連への恐怖が高まるアメリカ,そのプリンストンにあるIAS(Institute for Advanced Study)を舞台に,そこに集まった数学者や物理学者がなした「コンピュータ時代の夜明けに伴って生じた知的論争のいくつかを部分的に虚構として,部分的に事実として伝える試み(p.7)」である。実在の人物を登場させ,いかにも彼らが言いそうなことを言わせ,そうすることで架空の論争を行うという一種のSF,つまり科学的フィクションとして書かれている。

フォン・ノイマン,ゲーデル,オッペンハイマー,アインシュタインら,本書の登場人物たちが議論する中心的な問題は,科学的知識の限界はどこにあるか?,である。

ゲーデルの不完全性定理,アインシュタインの特殊相対性理論,くわえてハイゼルベルクの不確定性原理。これらはいずれも20世紀の偉大な理論的達成であるが,共通するトーンがある。これら三つの理論はすべて「本質において,それらのおのおのは,論理分析と数学という道具を用いることによって,私たちの周りの世界について私たちが知りうることには限界があるということを主張」している(p.55)。科学的知識には限界があることが証明されてしまったのである。

この限界感,閉塞感を打ち破ろうとするのが,フォン・ノイマンである。ノイマンは,膨大な計算能力,すなわちコンピュータを製作し科学に用いることで,かつて望遠鏡や顕微鏡が科学にもたらしたような新たな知識の地平を切り開こうとする。

しかし,アインシュタインもふくめて多くの科学者は,その意義を理解しようとしない。IASは伝統的に純粋な理論的研究のみにフォーカスし,実験室や実験的研究部門は持たないことになっていた。計算機のような「工学的」なものは他所でやればいい。

フォン・ノイマンは,コンピュータ製作への許可を求める評議会でのプレゼンテーションで次のように語る。

このコンピュータは,非常にたくさんの電気スイッチを収容するための物理的装置です。これらスイッチのおのおのは,ある瞬間に二つの位置のひとつ,オン(入)またはオフ(切)をとることができます。コンピュータがいま何を計算しているかを決定するのは,このスイッチのオン−オフのパターンであり,そのパターンがどのように瞬間から瞬間へと変化するかなのです。パターンと,そのパターンを変えるための規則は,物質でもエネルギーでもありません。それらは純粋な情報なのです。その意味で,コンピュータのオン−オフのパターンは,私が黒板に記号xを書くのと完全に類似しています。このxは現実世界における何かを表すものと思ってください。それはまさしく記号であって,現実のものではありません。ちょうど地図が物理的な領土でないのと同じです。しかし,私たちはそのような記号と規則を用いて一方の記号のセットを他方のセットに変換し,現実世界の関係を表すことができます。

このコンピュータはさまざまな記号のセットを処理することができるだけでなく,人類の歴史におけるどのような装置よりも早くそして確実にパターンをつくったりこわしたりすることができます。そのことがこの機会がIASで製作されるべき理由なのです!それが前衛的な工学の一部だからというのではなく,それが科学の焦点として,情報が物質とエネルギーに取って代わることの始まりだからです。(強調は引用者による。pp147-148)

我々はなんのためにコンピュータをつくったのか。
その原初のビジョンはどのようなものであったのか。
そういうことを考え始めるにはよい一冊。

著者のジョン・カスティは,自身「複雑系」研究で名高いサンタフェ研究所のメンバーであり,ウィーン工科大学の数学教授。多くの科学読み物を書いている。『ケンブリッジ・クインテット 』は以前に読んだが,この本とよく似た趣向で楽しめる。こちらの登場人物は,遺伝学者J・B・S・ホールデイン、物理学者アーウィン・シュレーディンガー、数学者アラン・チューリング、そして哲学者ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン。で,論題は人工知能。激闘!チューリング vs ヴィトゲンシュタイン!!!

2005年08月06日

ジャン・プルーヴェ展

が,せんだいメディアテークではじまる。内覧会を見てきた。

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すばらしく充実した内容。smtでの展示には,また深い味わいがある。
仙台の人は必見。遠地から出かけてくる価値もあります。

▼公式サイト
20世紀デザインの異才 ジャン・プルーヴェ | せんだいメディアテーク

2005年08月07日

アップルストア仙台

っていってますけど,どこにできるんだろう?

目立つ路面店であることが基本だろうから,
やっぱりアーケードか,あるいは定禅寺通か。

意外に仙台駅で人工地盤に面するってのはどうかな。

追記:.iMac氏の「アップルストア探検隊」にて,候補物件洗い出し中。人工地盤説はやっぱりナシか。

昭和30年代村計画

昭和30年代村計画

ウィ−クリーマンションのツカサが構想を発表しているテーマパーク。
夕焼けの詩—三丁目の夕日 」で「映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 」で「お早よう 」の世界。(微妙に年代はずれているけれども。)

例えば、お年寄りには日がな1日縁側に座ってもらい、来園した子供達のために竹とんぼを作ってもらう。子どもたちにはベーゴマやゴム段とびで遊んでもらう。公園には紙芝居のおじさんがいて、子ども達が集まっている。道路にはチンチン電車が走っている。まずは、この村に住む人を「雇う」。お年寄り、定年退職をした人、身よりのない人、親から見捨てられてしまった子どもたちなどを「住人」という社員の形で雇うのだ。彼らには村に住人役として住んでもらうわけだから、当然、家賃はタダである。その代わり、「住人」たちには昭和30年代当時のままの姿、暮らし方をしてもらう。昭和30年代の日本を再現したような村を、ひとつの自治体として作り上げる。

すげー。そこに暮らすことが仕事。仕事を終えても帰ることができない。まさに永遠の夕焼け。

実は、横浜にあるラーメン博物館のコンセプトも昭和30年代だったりして、この時代への回帰は少なからずとも支持を得ているようだ。

過去はいつの時代も黄金時代として回想されるものではある。とりわけ,この時代に甘美な思い出を持ちながら,同時に現代が辛酸だと感じている人口がものすごく多いからだろう。

これから50年たって,「平成10年代タウン計画」が構想されるとき,世界はどんなになってるんだろか。

2005年08月11日

次とまります

Spec Pic01
東京バス案内(ガイド)2
早期購入者特典

「※バス車内でのご使用は他のお客さまのご迷惑となりますのでお控え下さい。」

……買ってしまいそうだ。

2005年08月15日

『九州遺産』

を読む。

砂田 光紀, 国土交通省九州運輸局, 九州産業・生活遺産調査委員会,『九州遺産―近現代遺産編101』弦書房,2005

九州の建築についての仕事をすることになって,高木正三郎さんの紹介でこの本を知った。

鎖国時代の長崎や独自外交の薩摩藩の時代から,富国強兵政策下における採炭・製鉄・造船と,九州は日本の近代化の先駆の土地として,様々な産業遺産が集積している地域だ。本書は九州に残るこれら近現代の産業遺産を取りおろしの美しい写真と簡潔な文章とともに,101箇所紹介している。

たとえば最初に紹介されているのは大分の「白水溜池・堰堤」。溜池を支える高さ14mの石造りの堰堤には,あふれ落ちる水の流速を制御するための三次曲面と段状の造形が凝らされている。この凝灰岩の石段を跳ね落ちる流れの姿を捉える涼しげな写真が目を奪う。

ダムや橋,鉄道などの産業遺産,要塞や滑走路などの軍事遺産,庁舎や学校,教会などの建築を中心とする公共・生活遺産,旅館や銀行など商業遺産,これら4つのカテゴリーに整理されている。幕末から昭和30年代までに築かれたこれらは,いずれも素晴らしく魅力的に見える。

その魅力は,あとがきに端的に整理されている。

何がこれほど心を惹き付けるのか。つぶさに観察すると,現代の構造物からは感じ取れない熱を帯びている。新しい技術に果敢に挑戦する情熱。素材をしっかりと選び,職人たちが腕を競い合った末に生まれた威厳と誇り。海外からの技術導入でもたらされた美的感性と融合する日本古来の伝統美。こうした「あたりまえのこと」が積み重なって,遺産と呼ばれるにふさわしい風格を身に纏っている。時には暗い陰を背負う遺産もある。悲しい戦争や強制労働の歴史。それらを包み込み,未来へのメッッセージを発する「時の旅人」がそこにいる。(p.270)

全頁フルカラーで,なんと2000円。
読者は本書のスポンサーに感謝せねばならない。

2005年08月18日

ゆっくり聞こえる携帯

安藤日記経由。

ゆっくり聞こえる携帯 シニアに優しい新機種 ドコモ - CNET Japan

通常の三割程度遅く聞こえる。言葉の間の無音部分を詰めて,全体はずれないようにしているようだ。音質そのものの改善も必要だけど,これはよさそう。

俺も欲しい。
話の要点をかいつまんで説明してくれる機能があるともっといいんだけど。
つまり「つまり」機能付き。

 シニア市場は、団塊の世代が退職し始める二〇〇七年以降、それまで仕事で使っていた携帯を個人向けに切り替えるため、新たな市場が開けるとみられている。

定年ゴジラ』むけの家電は大きな市場になるでしょうね。

機器もそうだけど,サービスも大きい。メールの相手になってあげるサービスも出てくるだろう。セックスなしで。もうあるかも。

@myu.ac.jp あてメールは読めません

大学のネットワークのメンテナンスのため, 8月いっぱいは,@myu.ac.jp あてのメールを学外から読むことができなくなってしまいました。

こうなると 事実上,@myu.ac.jpあてのメールは使い物になりませんので,メールでの連絡は,masashige.motoe@gmail.comあてにお送りくださいますようお願いいたします。

転送停止期間中,@myu.ac.jpあてのメールはほとんどチェックすることができませんので,あらかじめご了承ください。

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2005年08月19日

読書感想文はインターネットを使うとラクラク〜

って記事が,雑誌「セブンティーン」に堂々掲載されているんだそうだ。勇気あるぜ集英社。ARTIFACT@ハテナ系 経由。

下記に頁のクリップあり。
はてなダイアリー - すてきなこいびとはちみつとかしてゆく - 読書感想文をぐぐって書くという"裏技"

前にも書いたが,コピペのレポートを読むのは本当に辛くて哀しい。努力して得られる達成感は何よりの快感なのに,どうやって,いつのまに,それが子供たちから奪われてしまうのだろう。

世の中にはもっと気持ちよくて楽しいことがいっぱいあるんだろうか。そうなのか?

追記:
すでに,こういうサービスもあるのだった。www.textfile.org経由で知る。

悩める児童・生徒諸君のために、学校提出用に限り自由に使える読書感想文をホームページで公開することにしました。これをそのまま書き写すのもOK。少しアレンジして、オリジナル(もどき)の読書感想文に作りかえることもOKです。

見れば,フリーライターの「仕事募集」の一環のようである。小中学校の読書感想文教育のもつダブルバインドな構造に対する批判のようだから,こういう露悪的なスタンスもわからなくはない。しかし,この密度でサンプルの感想文を作文し続ける意欲がどこから生ずるものであるのかは,私にはよくわからない。

それから,現在の小中学校の作文教育が,果たしてここで槍玉に挙げられているような愚鈍なものであるのかどうか,私は実情を知らない。むしろ,ここでの読書感想文批判の姿勢こそが紋切型であるように思われる。しかしもし,この紋切り型の批判が今日もなお的確なのだとしたら,学校の作文教育は非常に危ういと言わざるをえない。いずれにしても,なんだか暗い気持ちになってしまうサービスだ。

アーキテクトニクスからホーティカルチャーへ

変わりつつあるソフトウェア開発の価値観 - 1

ソフトウェア開発は建築学のメタファで語られてきたが,「要求が変化する」現代のソフトウェア開発は,むしろ園芸的なのではないか,という話。[結]2005年8月 - www.textfile.org経由。

歴史的に見た場合、ソフトウェア開発を建築に喩えたことは決して間違いではありません。 ただし、それは「要求は変化しない」ということが保証できる場合にのみ成立するメタファなのです。 ところが、現在のソフトウェア開発において、「要求は変化する」のが当たり前になっているのです。 (中略) 「システムのアーキテクチャ」という表現や「ITアーキテクト」などという建築学に立脚する呼び名が大手を振っている現在、このホーティカルチャーというメタファの浸透具合はまだまだと言ってよいでしょう。 しかし、ソフトウェア開発者側が建築学のメタファにしがみついている限り、ソフトウェア開発の現状を変えることはできず、また、顧客に正しいソフトウェア開発のあり方を見せることもできないのではないでしょうか? まずは、自分のことをランドスケーピスト(landscapist: 造園家、庭師)と呼び、身近なところから状況を変えていきませんか?

ファシリティマネジメントやライフサイクルマネジメントなどの概念が一般化して,いまでは「建築」それ自体が「ホーティカルチャー」的なものとして認識しなおされてきているのではないかと,私は思います。さらにいえば,建築に限らず——そしてソフトウェア開発を含む——デザイン行為一般が,短期的な完成をもって終了とするものから,そのライフサイクル全体を視野にいれたものとして再構成されなくてはならなくなってきている。ソフトウェア開発や園芸だけが,変化する要求に対応しているわけではない。

だから私にはこの「建築学から園芸学へ」という議論の構図自体に違和感がある……ていうか,よおーくわかるんだけども,「建築」が保守反動勢力扱いされているのが気に食わないっつうことなのだが(笑)。

きっと本職の「ランドスケーピスト」からもコメントがあるでしょう。>land escapist

追記:

むしろ、ここで建築の比喩として挙げられている「リサーチ・デザイン・プロダクション・納品」のフローは、自動車や航空機の大量生産に似てると思う。というか、軍事技術として開発の進んだこういうプログラミングの手法が、あとで建築生産に応用されたような気がするが。

たしかに建築より航空機ってほうが近い。設計方法論の研究は,建築みたいにユルいものよりも,航空機などの機械の分野でシステマティックに精緻化されてきたのだし。

「政策」ないし「制度」のデザインプロセスってのも,育て系か。

ローリー・アンダーソン『時間の記憶』

を見てきた。初台のICC。
ICC Online | Archive | 2005年 | ローリー・アンダーソン「時間の記録」

今見ればそりゃ素朴だし,なんだか懐かしい感じはする。
孫悟空よろしく踊ったり眠ったり演奏したりするが,ここでは言葉と音響の作家としてのローリー・アンダーソンが前に出てた。コンサートじゃなくて展覧会だからそうなんだろうけど。普通のことばでいえば,詩人の仕事だ。

身体はあるが,空間はない。
タイトルが『時間の記憶』とあり,
腑に落ちる。

2005年08月23日

知覚されたアフォーダンス

ギブソンのアフォーダンスとノーマンのアフォーダンスの違いをクリアに解説。

fladdict.net blog: アフォーダンスってなんザンス?


ダニエル・ノーマンは後年に、「誰の為のデザイン」で言及されているアフォーダンスは全て、ギブソンの言うアフォーダンスではない、と訂正を行っています。そして、ギブソンのいうアフォーダンスを実際のアフォーダンス(Real Affordance)と呼んだ上で、自らの著書内にあるアフォーダンスという文章は全て、「知覚されたアフォーダンス(Perceived Affordance)」と読むべきだ、と言及しています。


(引用者註:文中の「ダニエル・ノーマン」は「ドナルド・ノーマン」の誤り)

その訂正を行ったノーマンのエッセイがこれだそうだ。
Affordance, Conventions and Design ( jnd.org )

私の書いたグズグズと長い,ふたつのアフォーダンスの話,きちんと直していかないといけないなあ。

2005年08月24日

Gmailで別のメールアドレスからメールを送る方法

Ogawa::Memoranda: Gmailで別のメールアドレスからメールを送る方法

Gmailでは通常,差出人がsomeone@gmail.comになる。ただしこれまでも,Reply to欄は別のアドレスを指定できた。

最近,From欄も別のメールアドレスにすることができるようになったようだ。その手順の解説が上記の記事。逐一絵入りで解説されていて明解。いずれ日本語インタフェイスでもできるようになるだろうが,もうできる。すばらしい。ますますよい感じになったGmail。

# Gmailを試してみたいという方には紹介しますので,メールください。

2005年08月25日

Kirtas BookScan 1200

自動ブックスキャナホーム

binWord/blog: ページを自動でめくるブックスキャナ」経由。

ゼロックスからスピンアウトしたキルタス社の製品。カタログによれば,1時間あたり1200枚の画像を取り込むことができるようだ。繰り返しコピー機にギュウギュう押し付けられて製本がダメになっている本をよく図書館で見かけるが,この置き方なら本にも負担が少ないだろう,。掃除機みたいに吸い付けてページをめくるのだが,人が指で触れるより紙へのダメージが小さいらしい。それぞれのページを鏡に映しながら,てっぺんのカメラで撮影している。ユーザ事例を見ると,やはりスキャン業者や図書館などのプロユースだ。2000万円くらいらしいからね。

稼働状況のビデオを見ると,機械が本を読んでいるみたいだ。でも,いつも使うコピー機の自動紙送り装置は読んでいるようには見えない。何が違うのかな。

津野海太郎が,紙の書籍のデジタルデータ化を「氷を溶かす」と表現していた。書籍が思考の結晶なら,これはその溶融を押し進める機械なんだろう。

『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』

を読む。力作。恐れ入りました。

ばるぼら,『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』翔泳社,2005

私が20年ぐらいかけて体験してきたものと,シンクロしたりしなかったり。自分がいくらかは知っているものについて書かれた「歴史」を読むと,「歴史」ってのはなんのことなのかを考える契機になるな。

2005年08月29日

『ついこの店で買ってしまう理由』

を読む。


博報堂パコ・アンダーヒル研究会『ついこの店で買ってしまう理由(わけ)』日本経済新聞社,2005

パコ・アンダーヒルのものは2冊出ているが,その活動を日本に適用して整理したのが本書。前2書が読み物的であったのに比して,本書は非常に整理してあって,見開きのリストになっている。わかりやすいといえばわかりやすいのだが,整理されすぎていて勢いがないようにも思えた。マニュアル化されているというか,パワーポイント化されているというか。本書をチェックリストのようにして,自分の店を反省してみることはできるだろうが,そのあと,どうしたらいいのかを考え始めるためには,前書にあたる必要があるんじゃないか。

2005年08月31日

ヒラメの寝床

ロンドンで幅162cmのすっごい細い家が一億円で売り出しに: ABC(アメリカン・バカコメディ)振興会

内法か何かわかりませんが,最大は298cmだとか。
3ベッドルームで,5階建て。地下室と屋根裏があるわけでしょうから,断面だけみると,非常にオーソドックスなものなんだろうjな。

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