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2004年06月 アーカイブ

2004年06月01日

ATMのOS

column215

ATMに入っているのはお金だけじゃない。
あな,おそろしや。

著作権法改定法案審議

参院は全会一致でスルーしましたが,衆議院は盛り上がっております。

melma!blog [The Trembling of a Leaf -「音楽障壁」粉砕編-]

衆議院文部科学委員会 著作権法改正法案(159国会閣91)の私家版議事録。労作。

川内博史(民主党) 議員の質問しめくくり。

とにかく今回の還流防止措置は、国内的には再販価格維持制度で国内的に保護されて、そしてまた今回還流防止措置を設けることによって国際的に保護される。二重の保護を受ける国は日本しかない。こんな法律を作ってしまえば。音楽CDについて全く価格競争が働かない。そういう国になってしまうことを意味する。競争が働かなくても良い音楽が安く聞ければまだいい。まだしも。日本の音楽CDは世界一高いわけである。それがさらに高くなってしまうかもしれないし、そして、好きな洋楽が聴けなくなるかもしれないという懸念は今日一日の質疑で全く払拭されていない。どこにも担保がないという状況であるので、この法律については、私どもも音楽ファンの期待を裏切ることのないようにしっかりと審議しなければならないと思うし、お互いに責任を持たなければならないということを申し上げてまた来週譲らせて頂きたい。

で,今日審議があったはず。どうなったか。

2004年06月02日

『インターネットの心理学』

を読む。
パトリシア・ウォレス『インターネットの心理学 』川浦康至訳,NTT出版,2001
Patricia Wallace, The Psychology of the Internet, Cmabridge University Press, 1999

いろんなところで,いろんなふうに語られていたような,ネットの心理学の教科書的総覧。スリリングな話は出てこないが,綿密に分かりやすく,事例を豊富にあげながら説明されている。訳者もあとがきで述べるように本書は「インターネット上でみられる人々の振る舞いを,心理学とりわけ社会心理学の基本的,すなわち評価が一定程度定まった概念で解き明かそうとする」ものであるから,「その意味で,インターネットを題材とした(社会)心理学のテキスト」でもある(p323)。新しいインターネット世界もまたこれまでの社会を作ってきたのと同じ人間の所産なのだから,両者は地続きであるというわけだ。

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2004年06月03日

ハニ・ラシッド,グレッグ・パスカレリ講演会(その2)

仙台のハニ・ラシッド,グレッグ・パスカレリ講演会,行ってきました。

ハニラシッドとグレッグパスカレリ
手前のヒゲがグレッグ・パスカレリ,奥がハニ・ラシッド。

ハニ・ラシッドが冗談をグリグリ入れるので,同時通訳の方はちょっと困ってました。オランダの屋根に水を張るパビリオンはよさげだったな。

グレッグの方は,コンピュータのモデリングデータから直接パネルから木取りをし,切り出して組み立てるプラモデルのようなアプローチの仕事をいくつか紹介。ラピッドプロトタイピングを含めマニファクチャリングへの一貫性を問題にしていることを強調しておりました。

同じコロンビア大学にチュミがつくったペーパーレス・スタジオの教官だけど,グレッグは教官になるときに,チュミに「ペーパーレスはそれでいいけど,オブジェクトレスは困る。ラピッドプロトタイピングを必ずやらせろ」と言ったそうだ。

そこらへん,5歳違うだけだけれど,ハニ・ラシッドとグレッグ・パスカレリの「世代」の違い=コンピュータへのスタンスの違いが現れているように思われる。

2004年06月04日

『アフォーダンスの構想』

を読む。

佐々木正人,三嶋博之編訳『アフォーダンスの構想—知覚研究の生態心理学的デザイン 』東京大学出版会,2001

様々な研究対象をもったギブソニアンの論文アンソロジー。古いのは1933年のものから,1996年のものまで,6編が解説付きで載っている。訳者等による解説がそれぞれとてもいいので,まず解説から読むのがいい。

アフォーダンスってものが,いまだにすんなりと肚に納まらないので読んでいるのである。『デザインの生態学』を紹介したときにも書いたように,アフォーダンスは,わかったりわからなかったりする。これを読んで,わかるようになったかというとそうではない。読みながらも,わかってきた気がしたりさらにわからなくなったりした。しかし,アフォーダンスという概念の厚みは感じられた。

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黄線

DoubleDecker train_number12 DontFeedPigeons

2004年06月07日

The Quest For The Rest

The Polyphonic Spree - The Quest For The Rest

The Polyphonic Spreeの音楽プロモーションのため?のフラッシュのゲーム。人に聴かれて不味い音は出ないので,音を出してやろう。あやしいところをクリックしてシーンをすすめていく。

バックやアニメの完成度高し。エンディングまでいってキノコをクリックすると,フラッシュのデザイナー amanita design のサイトへ行ける。ここには同様の趣向のフラッシュゲームがいくつかあるぞ。

pya!経由。

VIDEO BULB

AssistOn / VIDEO BULB

なるほどそういうデータの渡し方があるのか。
クワクボリョウタの作品。アイデアは昔からあったんですね。

au WEAR

au FITS ALL PROGRAM ってのがあるんだな。メモメモ。

2004年06月08日

FM1, 2004.6.7

Long Life, Loose Fit, Low Energy についてのグループ討議と発表。
FM1_2004_08.pdf
来週6月14日は予告通り休講です。

この講義は413教室で行っているのだが,どうもこの部屋はよくない。部屋の大きさに対して,机と椅子が多すぎるのだ。(椅子の幅が広すぎて机に納まらないという呆れた家具のセレクションにも根本的な問題があるが。)

この日はグループ討議をおこなったので,授業時間の途中で机を動かして島をつくらせた。ところが,部屋が狭くて余裕(=バッファ空間)がないので,机が非常に動かしにくい。結果,変な風に島が分布してしまったために,ファシリテータ役の私が部屋の中を自由に動き回ることができず,ごく限られた通路だけを通ることになってしまった。さらには,ひとつのグループは島を作ることができず,教室を出てラウンジで討議をはじめる始末だった。(ここで外へ出ようと判断したチームの感覚はなかなかに鋭くてよろしいと思う。)

このFMの講義は出席者が少ないが,他の講義ではもっといっぱい受講生がいる。だから机を減らしたりしちゃ困るのかもしれない。しかし,机を回転させるバッファすら無い教室にびっしり学生を詰め込んでの一斉授業のことしか念頭におかずに設計されたのだとすれば,なんと創造性とはかけ離れた環境であろうかと言わざるを得ないなあ。

「動物園のデザイン」

を観た。今日じゃないけど。


動物園のデザイン 展

会場の京橋のINAXギャラリーは,知らぬ間に大改装されていた。最初,本屋が無い!とショックを受けたのだが,入り口が別になってちゃんと残っていた。よかった。デザイン系セレクト本屋としてとても便利なのだ。例によって,そんなつもりじゃなかったのに紙袋を下げての帰り道となる。

さて,昔2階にあったINAXギャラリーは9階に。でも内部空間はほとんど変わらない感じだ。ここでの展覧会は展示スペースが小さいのでいつもちょっとモノ足らない。今回も同じ印象。でも擬木擬岩の鋳型・脱型直後・着彩後が並んでいるのなんておもしろかったな。質感のかなりの部分は色に属していることがわかる。「スマートガン」の記事でとりあげた個体識別用マイクロチップも注射器とともに展示されていた。ちいさいなあ。

INAXはブックレットが充実しており,『動物園のデザイン 』もいい。

実は,環境情報デザインに関わる授業の設計課題で「動物園のデザイン」ってのをやってみたいと思っているのだ。たくさんの情報を整理して観客に示すシステムが必要だし,娯楽性もあるし,歩いたりモノレール乗ったりバスに乗ったり,室内と屋外の行き来があるし,お弁当食べたりするし,遠足で行ってもいいし,ひとりで行くのもいい。なにより,ヒトとはまったく違う「身体」が登場するのがいい。

考えるほどに動物園ってのは生命と環境と文化に関わるデザインの諸問題が集約された空間である。都市における教育文化施設の立地論から,ランドスケープデザインみたいな大きなスケールの話もあれば,ゾウ舎,サル山,ペンギン池など建築スケールもあり,サインやチケットのグラフィックデザインもできる。マイクロチップの識別票あたりからデジタルなシステムを構想するなんてのもありだろう。おお,やっぱり面白い設計課題になりそうだぞ。

2004年06月09日

犬の識別

狂犬病侵入防止 輸入犬にマイクロチップ

認証系ネタがつづく。

マイクロチップは、直径2ミリ、長さ12ミリ程度のガラス製カプセル。輸入前のワクチン接種時に獣医師が犬の首の後ろに注入すると、出生地、飼い主などが記録され、検疫時に読み取れる。
犬の輸入手順がわからないためか,オレにはふたつめの文の意味がとれない。「輸入前に」注入するのは日本でなのか原産国でなのか? 「注入すると…記録される」とあるが,記録済みのチップを注入するのではないのか? 注入時に何がどこに記録されるのか?

遠からずスラドに記事がでるだろな。

2004年06月10日

水いらず

waterless
Waterless - Saving Global Water Resources Since 1991

小便器,いわゆる「朝顔」だ。
ちょっと見慣れない形なのは,給水の機構がないからだ。この便器は,その後,水を流す必要がないのである。商品名は「カラハリ」(笑)
テレビニュースで紹介されている模様が動画で観られるが,疑っているレポーターにメーカーの人が"Peeing is believing!"って言ってる(笑)水を流す必要のない表面の素材と排水部のフィルターが味噌らしい。定期的に排水部のカートリッジをまるごと交換する。

節水ももちろんだが,メンテナンスフリーとすることでライフサイクルコストを軽減するメリットが大きいようだ。メーカーは次のようなリストをしめしている。もっとも特許で独占されたフィルタのカートリッジを買い続けることになりはするのだが。

Our patented Waterless No-Flush™ urinals eliminate and/or minimize these common problems:
  • Urinal Odors
  • Flush Valve Repairs
  • Low Water Pressure
  • Costly Flush Sensors
  • Stoppages and Overflows
  • High Demand On Septic Tanks
  • Vandalism
  • Line Encrustations
  • Leaking Flush Valves
  • Water & Sewer Costs
  • Rest Room Shut Downs
  • Mitigation for Water Usage

アメリカの西部開拓時代には,土地なんかには値打ちがない,価値があるのは水だ,と言われていたという話を思い出した。

ただ,いくら衛生的で臭いがしないとわかっていても,「湯水のように」という常用句をもつ国の人には抵抗があるかもしれない。糞尿を汚いと感じてしまうのは単に黴菌の多寡のような物理的衛生の問題ではなく,文字通り「水に流す」ということの持つ心理的な意味が大きく作用しているからだ。

小便の話からは離れていくが,日本では大皿の料理を箸で取るときは,箸を持ちかえて自分の口に入れていたのとは反対の先を使うという習慣がある。ところが,口の中よりも手の指のほうがはるかに雑菌が多く不衛生であるから,そのまま箸を変えないほうがいいという説もあるという。この説は全然箸を変える意味をわかっていない。嫌なのは黴菌なんかじゃない。間接キス(死語か)になるのが嫌なのだ。

ここから,鷲田清一の『モードの迷宮』冒頭にある,「汚い」とはアイデンティティの問題だ,という話につながるのだが,もうすぐテレビで「水曜どうでしょう」復活新シリーズ「ジャングルリベンジ」第二夜がはじまってしまう。

で,結論だけいうと,水で流して縁を切らないと,おしっことおしっこがつながってしまうみたいな気がしちゃってイヤン,ってことだ。

百式 経由。

1.29

出生率1.29に低下 03年、政府想定下回る - asahi.com : 社会

年金改定法案が通るまで隠していたという批判もあるらしいが,ともかく1.29だ。日本人は早晩いなくなる。世の習いとはいえ,切ないな。

2004年06月12日

『レイアウトの法則』

を読む。

佐々木正人『レイアウトの法則—アートとアフォーダンス 』春秋社,2003

アートやデザインの領域と,アフォーダンス理論の領域とが,どのようにラップしうるのかを,対談やエッセーを通じて比較的カジュアルに書いた本だ。だから,デザインのことを考えている人にはとっつきやすい。建築関係なら,塚本吉晴との対談などもなるほどうまいこというなあなどと感心しながらサクサク読めてしまう。けれども,さらにもう少し踏み込んで呑み込んで考えようとすると,とたんに分からなくなってしまう。そういう種類の本だ。少なくとも今のわたしにとっては読むのがとても難しい本だった。

いつか,こんなようなことが,もっとスンナリと私の肚に納まるようになって,「アフォーダンス」のことを書く機会があれば,この本にちりばめられているたくさんの気の利いたフレーズを引用することができるだろうと思う。線もたくさん引いておいたし。でも,まだ難しい。有り体に言えば,経験不足なのだな,オレは。

「相撲と無知」と題された章で,佐々木は次のように書く。

三年ほどかけて靴下と魚を見てきた。物と身体とでどれほどのことが生じているのかについて,少しは知った思いである。ここまで書いてきたようにまとめてしまうと,行為を知るために何か一つの方法が用意されているように思われるだろう。しかし,逆である。物と行為を見れば見るほど,それらで起こることを方法に定着させることの困難を知る。
何せ,物と行為がつくりだす組織は知りえないことを餌にしている。身体に分割されていく物にも,物に分割されていく行為にも,そしてそれらが作り出す組織にも,その一回の行為でしか扱われないことが常に現れる。それが知りえないことである。その知り得ないことを,「無知」とよぶことにする。無知に行為は頓着せずに,果敢に物に挑んでいる。行為はそのようにしなければどの物も扱うことができない。というか,行為のエンジンは無知を燃料にしている。おそらく行為が知っていることの中心のことは,物など十全に知ることはできないということである。(p.201)

「無知に行為は頓着せずに,果敢に物に挑んでいる。」

やまとことばの動詞

新カリキュラムの「デザイン情報学概論(仮)」の組み立てを考えている。
ちょっと俗っぽいかなぁと思いつつ,各回のタイトルを大和言葉の動詞で立ててみようかと思う。ある,なる,みる,きく,はなす,よぶ,さす,あらわす,たてる,あたう,ねる,かたる,さわる……。

大和言葉の動詞には,複数の漢字があてられることが多い。「はかる」なら,諮る,測る,計る,量る,図る,謀る。これらがひとつのことばであることが面白い。

ところで,ギブソンが「肌理」というが,事物をしてその肌理をかくあらしむる,という意味の動詞はなんだろうか? みがく,とか,あらす,とかあるけど,そういう何か特定の肌理にする,という限定的な動詞ではなくて,より一般的に,そのような肌理にする,あるいは自動詞で,そのような肌理になる,という動詞があるだろうか。「はる」「たるむ」「ふやける」なんてのも特定の表面の状態になる,という限定をともなうよなぁ。

2004年06月14日

鰻屋にて

空いた店内。

近くの席の、いかにも上野っぽいおばちゃん二人。もう食べ終わってしゃべりまくっている。

話題の中心は、開拓時代にさかのぼるアメリカの外交政策の歴史とキリスト教原理主義の関係。

いかにもおばちゃんな声色や表情のトーンと話題のギャップに聞きほれる。

2004年06月16日

ハウスレクチャ/リノベーションスタディーズコラボレーション

のおしらせ。以下転載。私も出ます。

「ハウスレクチャシリーズin卸町」第8回のご案内です.これまで参加して頂いた方々にBccにてご案内しています.今回は6月25日(金)19:00から,会場を卸町はっぴぃはっぱプロジェクトが行われている倉庫「きよみず」に移して、リノベーションスタディーズ(東京月島のタマダギャラリーにて五十嵐太郎氏がディレクター)とのコラボレーションとして行います.参加ご希望の方は,参加の旨を明記の上,tohru@hjogi.pln.archi.tohoku.ac.jp(堀口)まで返信して頂ければOKです.なお,準備の都合上6月21日(月)までに返信を頂けると助かります.参加費=1,000円(ドリンクつき)
東北大学大学院都市デザイン学講座ホリグチトオル

ハウスレクチャ/リノベーションスタディーズコラボレーション
テーマ:再生 −人とまちとの関係をリノベーション

今回は、人とまちの関係をリノベーションするべく仙台で展開されているいろいろな活動に当事者として関わっている三者にゲストスピーカーとして登場していただきます。さらに東京月島のタマダギャラリーを中心に展開されているリノベーションスタディーズのパネリストを交え、様々な視点からまちに新しい人の流れを生み出す可能性について議論します。

日時:2004年6月25日(金)19:00〜(開場18:30)
会場:倉庫きよみず(旧壱岐紙店倉庫)
   仙台市若林区卸町二丁目15-6(卸町サンフェスタ並び)

□ゲストスピーカー
◇小岩環+菅波哲也(re:bridge)、ナンシー・フィンレイ(東北大学)
http://www.re-bridge.com/
人とまちの新しいコミュニケーションのあり方について考えるNPOre:bridgeの活動、および彼らの活動拠点editのリノベーションについて小岩氏+菅波氏が、またre:bridgeとのコラボレーションワークショップや広島での古民家のリノベーションについてフィンレイ氏が語る。

◇吉川由美(はっぴぃはっぱプロジェクト実行委員会)+卸町青年経営研究会
http://www.asahi-artfes.net/program/11.php
卸町倉庫街で展開される「はっぴぃはっぱプロジェクト」の概要およびこれまでの活動記録を吉川氏が解説。さらに関わっている市民や卸町の事業者は卸町の変化をどのように感じているのか、率直な感想を2、3分ずつ2名が話す。

◇阿部仁史(東北大学)+本江正茂(宮城大学)
阿部氏と本江氏が卸町の既存のリソースを読み替えながらまち全体のリノベーションへと波及する現在進行中のプロジェクトについて写真やビデオを映しつつ掛け合いで話す。

□司会
槻橋修(東北工業大学講師)

□パネリスト(予定)
磯達雄、伊藤留美子、小野田泰明、新堀学、ほか

□ディレクター
五十嵐太郎(建築史・建築批評家)
堀口徹(東北大学リサーチフェロー)

□主催:リノベーションスタディーズ実行委員会+阿部仁史アトリエ+東北大学大学院都市デザイン学講座
□後援:タマダプロジェクトコーポレーション、NPO地域再創生プログラム
□協力:協同組合仙台卸商センター、happy-happa-2004 実行委員会

2004年06月17日

携帯電話にウィルスの可能性

というか,セキュリティホール発見。Nokiaで多く使われているSymbian OSにかかわる。日本の携帯電話システムにはいまのところ感染しないようだ。

Kaspersky Labsがプレスリリースを出している。 読売新聞にも記事がある。

多機能化された携帯電話のソフトウェアは十分に複雑だから,こうした事態は驚くには当たらないが,いよいよか,という感慨はあるな。Bluetooth経由で感染するってのも興味深い。いよいよ「空気感染」するデジタルウィルスの登場だ。

携帯電話側にも,すでにソフトウェアアップデートの仕組みもできつつあるし,ウィルスチェッカーも開発されつつあるようだ。とはいえ,商品開発のペースが早すぎるのか,最近の新製品のソフトウェアには不具合が連発している。パソコン以上にプライベートに密着しており,ユーザのセキュリティ意識も総じて低い携帯電話であるから,もし凶悪なウィルスがつくられると,パソコン以上に大きな被害になりうる。ウィルスに関連するパケット代の請求に応じない人が続出したりすれば大混乱だし,キャリアは対策に必死だろう。

折しもドコモがFeliCaを内蔵した「おサイフケータイ」を大きく発表している。
穴のあいたおサイフじゃ,こわくて持てないよ,ママン。

関連:
スラッシュドット ジャパン | 携帯電話に感染するウィルスが確認される

2004年06月18日

PSX アップグレード第3弾

PSX 第3弾アップグレード項目

マイナーチェンジとあわせて,旧機種にも同等の機能が提供される。旧機種ユーザとしてはうれしいけど,最初からちゃんとやっとけって話でもある。

オレには「録画モード変更機能」が目玉。普段使ってるモード(SPだったかな)だと,DVDに2時間分しか入らない。今のPSXは録画後のモード変更ができないので,うっかり2時間以上の長い番組をいつものモードで録画してしまうと,金輪際DVDにコピーできないのである。これはあんまりな仕様で,非常に不満だったから,これが解消されるのは素直にうれしい。画質を云々しなければ,「どうでしょう最新版 全7夜一気見DVD」なんてのもつくれるのだ。いいじゃないですか,これは。高機能DVDレコーダをお持ちの方には常識的なことかもしれませんが。

ただ,普段はネットワークにつないでいないので,アップデートの度にPSXの上に積まれたDVDの山を片付けて本体を手前に引き出し,別の部屋から延々とEther引いてきたケーブルで接続することになるのがたまらなくめんどくさいんだよ。CD-ROMが届くのを待てる性格なら苦労はないんだが。

無印の電話機

サム・ヘクトのデザインした無印の電話機,売り出しましたね。まだ実物を見ていないが,持ち重りがどんなもんか。

2004年06月19日

ひとり2台

株価をチェックしつつ,取引の指示出しをするので2台使いたいという需要があるのだそうだ。マルチディスプレイじゃだめなのかな?

ITmediaニュース:恵比寿に大人のネット空間誕生

オフィシャルサイト:PrimeDESK[HOME]

オフトピだが,現行のwebで,こういうエグゼクでハイソな高級感っていうか「質感」の高さを演出しようとすると,こういう革&堅木風のテクスチャのグラフィックデザインになるしかないんだろうか。

Flash Film Festival 2004 Finalists

[Flashforward >> People's Choice Voting]

60名のファイナリスト。一押しを投票できる。どれもさすがに水準高いな。

東京プラスチックdrum machineがすばらしい。なにしろ音がよい。

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play/create

play / create

ロンドンのデザイナー,Daniel Brownの仕事。しぶい。Flowersが好きかな。

dezain.net経由。

2004年06月21日

はしご禁止

話題の「ぱどタウン」についてあれこれ見ていて,風野春樹さんの「読冊日記 2004年 6月中旬」にまとめられていたのを見つけた。

ぱどタウン用語辞書によれば,「はしご」とは次のような行為のこと。

最近よく質問される「はしご」とは。
たとえば、Aちゃんの部屋に書き込んでいる、
Bちゃん(知らない人)の部屋に書き込みに行くことです。
さらにBちゃんの部屋からCちゃんの部屋へと、
次々に部屋をはしごするという意味のようです。

こうした「はしご」行為は禁忌とされているらしい。「小学生の女の子文化というのは、誰かが誰かに対し、他の誰かより優先権・独占権を持っている、というのが非常に重要視される文化」であって,「「はしご」とは、その種の「誰々と誰々が仁義関係にある」礼儀、手続きをすっ飛ばし、スジを通さずに「友達」を得ようとする行為と受け取られる」というのである。

無人島へ流れ着いた二人の英国人が,お互いを紹介してくれる人がいないために口をきくことができない,というジョークを思い出しましたが,ちょっと違うな。はしご禁止では,ワタシの仲介なしで勝手に話をはじめるとはけしからんと,間の人が権利を主張して腹を立てるわけだから。

このような友人の囲い込みは,妥当な行為として共感をもたれているのでしょうか。私にはわからない。女の子同士では昔からあったことなのかな?

それと,AがCに対して「Bへのはしごは禁止」と宣言するのでしょうが,はしごされたBも同様にAから非難されるもんなんでしょうか。私にはよくわからない。どうなの?

卸町はっぴい・はっぱプロジェクト

がはじまっています。

倉庫のまちで逢いましょう。
_卸町はっぴい・ぱっぱ・プロジェクト_

青森県のFM

青森県のファシリティマネジメント(FM)

民間企業へのFM導入はもはや当然で,公共セクターのFM導入が大きな課題なんだけど,その先進県のひとつが青森。

FM1. 2004/6/21

リスクマネジメント,FM関連法規。

本日のハンドアウト。
FM1_2004_09.pdf

来週は,宮城大学本部棟裏まわり見学。まずは定刻に413教室に集合のこと。

2004年06月23日

作法心得

作法心得(マナー)

ホテル学校のテキストとして林實氏らによって書かれたもの。深い含蓄に満ちている。
「男子は、いかなるときも、睾丸を、ダラリとしているように心掛けられよ。」
「 西洋人の真似をして、まゆげと目のあいだをせまくすると、西洋人に似ず、猿に似る。」

手袋や帽子を扱う作法については,自分がまったく無頓着であることを改めて知る。
「官公庁、デパート、その他、居住・宿泊機能のない建物のエレベーターでは、男子が、女子に対し、脱帽したり、手袋を脱いだりする必要がない」のだが,逆にいえば,居住機能のある建築のエレベータでは,女子に対し脱帽しなくてはならないということになる。

姉妹編に「文書心得」がある。こちらもしみじみ読むべきところがある。

なべて行為には然るべき作法がある。文化的に濃密なコンテクストがあらかじめ与えられているといってもよい。こうしたコンテクストが,ひとつの行為から,より豊かな意味が生みだされていくことの源泉となる。

もっとも,作法とは社会の階級化を押し進め固定するための差別の技術だともいえる。オードリー・ヘップバーンとレックス・ハリソンの『マイフェアレディ』は言葉と所作を改造することで階級を移動しようとする物語だった。スペインの雨は主に平野に降る。しかし,その作法は階級間で互いに心得られており,交渉の余地があった。

今日,かかる作法は全体としては希薄化して見えながらも,実はむしろ寸断され,分断されたセクター内では極端に濃密化し,セクト外部からは理不尽で心得ようもないものとなり,ひいては相互の交渉の回路が閉ざされてしまってきているのではないか。

折紙でCDを包む

スラッシュドット ジャパン | A4用紙1枚でCDケースを作る方法のスレッドでいろいろ紹介されている。

Jorma OksanenDouble CD case
Thomas Hull 作 An American CD Case
すぐにプリジャケ CD-wrap

ま,ケースというよりは封筒というかラッピングというか。

LYRA

DSC0013Lyra
LYRA Bleistift GmbH, die älteste Bleistiftfabrik Nürnbergs

形状記憶で生分解なプラスチック

をNECが開発。両方の性質をあわせもつものは初めて。原料の93%は野菜の樹脂。

The Japan Times Online: NEC develops 'bioplastic' that can change shape

60度に熱すると元の形に戻ろうとするんだそうだ。以外に低温だ。25〜30度くらいに変形温度をセットできれば,建築の外壁で,日射を自動的にコントロールする外装材なんてのも作れそうだ。オジギソウみたいな壁。普段はザルのようで,日が当たるとカゴのようになる。

以前,OfficeUrbanismのプロジェクトのときに,二重ガラスにするのではなく,シングルガラスの内側に多機能なファブリックを使うことで,軽くて薄い高性能な外壁を作れないかというスタディをしたことがある。諸事情で頓挫したが,こういう材料で繊維を織ったらいいんじゃないかなあ。ミクロレベルでオジギソウみたいな布。普段は紗のようでいて,日が当たるとスウッと透明度が下がる。

建材の場合は燃えるとアウトという限界があるが,耐火性能を持たせるぐらいはなんとかなりそうじゃないか。

HandHeld Histry

HandHeld History

ロンドン市内の観光情報を携帯電話から得られるサービス。美術館でよくある音声ガイドをロンドンの街中で展開するというイメージだ。

ロンドンの観光名所にはBlue Plaquesとよばれる銘盤が掲げられている。「チャールズ・ダーウィン(1809-1882 ナチュラリスト)居住地跡」とかそんなもの。その記述から一定のルールで電話を書けると,音声や文字でより詳細な観光地情報が得られるというもの。現在地の住所から,近くのBlue Plaqueを教えてくれるサービスもあるようだ。

百式 経由。


都市の特定の場でその場についての情報を得る,という点では「Navi系システム」なのだが,このHandHeld Historyは,GPSを使っているわけではない。

また,すでに十分な蓄積のある観光地情報がコンテンツになっている。普通の場所だとこれはできない。

その意味で,ポエマーとか,元永さんの「街区レベル位置参照情報を利用したGPSケータイからの検索システム」(早くなんか名前つけなよ)のような,自分では特定のコンテンツを用意しようとしないタイプのものとは狙いが違っている。

2004年06月24日

ハコダテ・スローマップ Ver2.0

ハコダテ・スローマップ Ver.2.0の"context viewer"がすごい。
名前は平凡だが出来は非凡。

とにかく,上記のページから好きなトピックを選んで,移ったページの"context viewer"のボタンを押すべし。
ひとしきりビヨンビヨンしてんなぁ,ってのを楽しんだら,次はウィンドウ上部の"SHOW ALL LINKS"を押すべし。

あとはボオぅっとネットワークが伸び広がっているのに見とれていればよい。最後にふわーっと空に舞い上がるようなシーンになって,僕は鳥肌が立ちました。

今日はなにしろ見とれるばかりだったので,批判的検証はいずれいたします(笑)

『ギブソン心理学の核心』

を読む。

境敦史,曾我重司,小松英海『ギブソン心理学の核心 』勁草書房,2002

吉橋昭夫さんに教えていただいた本。ギブソンの個人史と知覚心理学の学説史を重ねながら,ギブソンが提示した「アフォーダンス」という概念を厳密に理解しようとする。なかほどの学説史の部分は正直いって私には読みにくかったが,序のアフォーダンスに関する○×クイズや第5章「『アフォーダンス』とはどういうことか」などは,非常に端的に書かれており,なかなか呑み込めずモヤモヤしていた部分はかなりくっきりする。

ギブソンがわざわざ造語をしなければならなかった理由にこそ,アフォーダンスを理解する鍵がある。それは,

「生活体と環境との相互依存関係」を的確に言い表す言葉が存在しなかったからである。従って,「生活体と環境との相互依存関係」を問題にしない文脈で「アフォーダンス」の語を用いることは,不必要であるだけでなく誤りでもある。(p.165)

p.161からのドナルド・ノーマンによる「アフォーダンス」私説への批判は明快。

最も根本的な問題は,ノーマンが次のことを理解していない点である。即ち,アフォーダンスとは,"どのような可能性があるかということを教えてくれ"る「物」ではなく,「生活体との相互依存関係において事物(環境)が持つ可能性そのもの」だということである。(p.161)

アフォーダンスという概念が,あちこちでグジャグジャに使われているのはノーマンにかなりの非があるといえるだろう。

とはいえ,ノーマンが『誰のためのデザイン?』で指摘したことの有用性が失われてしまうというものではない。吉橋さんのブログの「‘作る’前に大切な...」のコメントにも書いたのだが,学問的にそれは「アフォーダンス」ではない,と断ずるのはそれはそれで正しいけれど,一方で,こういう時に「アフォーダンス」という言葉を借りて言いたかったこと,アフォーダンスって概念を知って「それだ!」と思った何か,があるわけで,それに何か適当な名前を与えられないものだろうか,という新しい課題は残るのである。

2004年06月25日

更衣室の裏からメインフロアへ

ESLシンポ会場の様子
三田のG-Secラボで行われた「慶應義塾大学ESLシンポジウム01」を聴講。

基調講演をした知識経営の紺野登(写真下手。ちなみに上手は深澤直人)の話でおもしろかったのが,ファイザー中央研究所のこと。

ここのIT部門は「更衣室の裏」みたいな窓も無いような部屋をつかっていた。そこに青白いITエンジニアたちが詰め込まれていて,ナレッジマネジメントなどの研究活動支援システムを管理しているくせに,研究者たちとのコンタクトはほとんどメールだけみたいな状態だったらしい。

それじゃいかんということで,IT部門は引っ越すことになった。研究所でも一番重要な研究フロアの,それもど真ん中の一番いい「プレミアムなスペース」に。

IT部門の人たちは,自分たちが管理しているITシステムが使われている現場のただ中におかれ,ユーザたる研究スタッフと日々顔をあわせることになった。誰がどんな風に使っているのか,喜んでくれているのか,頭に来ているのか,目の当たりにすることになった。すると,IT部門のモチベーションが向上し,システムの改善が目に見えて進んだというのである。

場にはそういう力があるんだ。

手沢

もうひとつ,「慶應義塾大学ESLシンポジウム01」で印象的だった言葉は「手沢」。深澤直人が「一番難しいのはシュタクのデザイン」と言い「使い込むうちに艶が出る」というのを聞いてから,「手沢」の文字が浮かぶまでひとしきり悩んでしまった。

しゅたく【手沢】 (1) 長く所持しその物を扱ってきた間についた、つや。(2) 「手沢本」の略。先人が生前愛読した本。先人の書き入れなどがある本。(岩波国語辞典第五版)

この言葉は知らなかった。

相関と因果

携帯の所持率、非行少年72%、一般少年57% 警察庁 - asahi.com : 社会

同庁は「携帯電話を持つから非行につながったとはただちには言えないが、このような調査結果を広く国民に知ってもらい、今後の非行少年問題に役立てたい」としている。

よくある相関と因果を混同した物言い。
「ただちには」じゃねえって。

追記:
ケータイWatch, 警察庁、青少年の非行と携帯電話に関する調査研究結果を発表

警察庁の調査研究報告書(PDF形式)
http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen16/keitaityousa.pdf

WhoAt

WhoAt - Meet Someone - Anywhere

「いわゆるロケーションベースのソーシャルネットワーキング」と,もうひとことで言えるようになってしまったのだな。

居場所の更新はメールで自分から更新する。コマンドは2種。


at place name - tell us where you are. If you're looking for a place with many locations (e.g. Starbucks), add the street name to the end, e.g. "Starbucks Fillmore". If this still doesn't work, add on the street address, e.g. "Starbucks 2222 Fillmore".

info place name - find out the address and phone number of a location. Same searching options as at.

こんなメンドくさいことしてまで,「私はここにいます」とお知らせしたいという状況が想像できない。誰がいつ何に使う?
わからないのはソーシャルネットワーキングってのがピンと来てないからかなぁ。

百式: メールコマンド経由.

どこからともなくブートするOS

IPA:2004年度第1回「未踏ソフト」採択概要:4-4須崎

P2Pでルートファイルシステムを共有してブートするらしいんだが,そんなことよりネーミングが秀逸。

これもキテるな。
 -動き出す実物大グラビアアイドル- Image Based Robot

2004年06月27日

いよいよ来週。

A-CUP2004
あと一週間だ。
第三回の今年はなんと24チームが参戦。
我らがカテナチヲは二連星のユニフォームで望む。
個人的には練習不足を否めず。

2004年06月28日

ハウスレクチャ&リノスタ in 仙台卸町

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おかげさまで大勢ご来場いただきました。お越しいただいた皆様,ありがとうございました。
イントロ+3組のプレゼンターの話が長過ぎて,討議の時間がなくなってしまったのは残念でした。その責任の一端は私にもあり,反省。

せっかくの機会が,仙台でもリノベをいろいろやっておりましたメデタシメデタシ,みたいな話で終わってしまうんだとするととつまらない。もっと一般的な都市デザインの枠組みを問題にしているつもりなわけですから。

バーチャル卸町で考えているコミュニティGISおよびFMの種を,他でも試してみたいと思っているところなんだが。

ハッチ法案

海外ボツ!News「米エンターテインメント業界の逆襲!「著作権違反幇助法案」
「米上院では、著作権違反を誘発したり幇助すしたりする企業を罰する法案が提出され」ているとのこと。法案を出したのは,「著作権で利益を得ている音楽・TV・映画・ゲームなどのエンターテインメント産業」から献金を受けているオーリン・ハッチ議員。

かくして,エンターテイメント族とIT族の政治家同士が議会できっちり対決するのであれば,それはなんと健全なことでありましょうか。

関連記事
Japan.internet.com E-コマース - 著作権侵害の煽動責任を問う法案に、P2P 業界団体は反発

designと設計

の語感の違いは大きいが,「設計」は"design"の訳語である。

日本設計工学会等の主催で,今年から建築学会も参加した「設計」研究についてのシンポジウムが開かれる。

Design Symposium 2004 講演プログラム

私は二日目の15:40からの「空間と情報のデザインII」のセクションで,「「時空間ポエマー」における環境情報デザインの試み:携帯電話からの位置情報付き写真投稿による地域情報共有システムの構築およびその空間的展示」と題して発表します。中西泰人さんと松川昌平さんとの共同研究。

FM1, 2004.6.28

ディベート出題,宮城大学裏まわり見学
FM1_2004_10.pdf

2004年06月29日

富士通ウェブアクセシビリティ第2版

デザイン>ニュース>「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」と、WEBアクセシビリティ診断ソフト「WebInspector」を改版 - FUJITSU Japan

富士通は早くからアクセシビリティの問題に積極的に取り組んできた。

「JIS X 8341-3」(高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信機器における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ)もひとつの区切り。

アクセシビリティ診断ソフト,WebInspectorとColorSelectorもバージョンアップ。Webに限らず,紙ベースのグラフィックデザインでも利用できそうだ。

パコ・アンダーヒル

を2冊続けて読む。3冊目も出たらきっと読むだろう。

パコ・アンダーヒル『なぜこの店で買ってしまうのか—ショッピングの科学 』鈴木主税訳,早川書房,2001
パコ・アンダーヒル『なぜ人はショッピングモールが大好きなのか 』鈴木主税訳,早川書房,2004

筆者は小売業のマーケティングコンサルタントである。彼らの基礎技術は,顧客行動の徹底的な観察だ。「小売りの人類学者」と呼ばれる由縁である。本書2冊は,ショッピングにおけるユーザ体験と,それをもたらすリテール環境のデザインの非常に優れた事例集になっている。

前著の第18章「店舗診断法」に,書店を例とした素人の店長にもできる観察のプロセスが8ステップにわたって書かれている。町並みと店構え,看板,ウィンドウ・ディスプレイ,カゴの置き方,放置されたカレンダー(「八月に来年のカレンダーを買う人がいるだろうか。」),告知のチラシ,会計/包装コーナー,平積みの仕方,書架の表示板,本棚の配置,低い段の本,椅子,ベストセラーや書評に取り上げられた本のリスト,等々。街路空間のレベルから店内のサイン,その空間的配置から待ち時間の処理まで,様々なスケールと時間と空間にまたがる視点から,お客さんのショッピング体験が観察され,問題点が記述され,改善が提案される。「ショッピング」という分かりやすい行為を軸として,環境情報デザインの諸問題が巻き取られているように思われた。

方法論的には,徹底的な観察の威力をあらためて感じた。調査結果を計測可能にするには,アンケートもいいのだが,その集計結果は仮説を裏付ける根拠とはなりえても,なかなか発見をすることはない。ユーザ体験の現場を虚心に観察することから発見がはじまるのだろう。

Tiger

Apple - QuickTime - WWDC 2004

Jobsのプレゼンはやっぱり上手。ついつい見てしまう。

Spotlight はよさげ。スマートフォルダもできるし。インターネットはググると早いが,手元のディスクの中身が見つからないというJobsのジョークは笑えないものだからな。竜頭蛇尾に終わったSharlockの前例も脳裏をちらつきはするが。

Dashboard は,てっきり Konfabulator を買い取ったんだと思ったが,そうではないようだ。そりゃさすがにかわいそうじゃないか。Konfabulator公式サイトでのコメント

"first half of 2005"ってさ,まるまる一年先じゃん。

追記:
Konfabulator,トップページでしかえししてる(笑)

スタルクのマウス

.:: Leader S.p.A. ::. il principale distributore italiano di videogiochi .::

ITmediaニュース:「デザイナーズブランド」のMSマウス、間もなくお披露目経由。

2004年06月30日

反社会学講座

を読む。

パオロ・マッツァリーノ『反社会学講座 』イーストプレス,2004

少年の凶悪犯罪が増えている。昔の日本人は勤勉だった。少子化のせいで年金制度が崩壊しそうだ。イギリス人は立派で日本人はふにゃふにゃだ。欧米の若者は自立していて,日本の若者はパラサイトしている。等々。

社会学が指摘し,いまや常識だと思われている話が,いかに飛躍した論理と根拠のない思い込みによってできあがっているかを笑いのめす。ゲラゲラ笑いながら読める。もちろん「社会学」は間違っていて「反社会学」が正しいのだ,という盲目的態度に陥ると同じ穴に落ちる。メディア・リテラシー論というわけだ。

筆者は「悲観主義者というのは,ひきょうなんです」という。悪いことが起きるぞーと騒ぎたて,それが本当になればそれ見たことかといい,実現しなくても備えあれば憂い無しだったなどという。どっちに転んでも傷つかない。「悲観主義者は常に逃げ道を確保しているズルい人たちなのです」。対して楽観論者は悪い結果の場合には指弾されることをまぬかれない。「楽観論者こそ自説に責任を持たざるをえない。(p.272)」

悲観主義はデザインを実践することができない。デザインの実践は楽観主義的に行われる。こうやるときっとイイはずさってふうに。その責任はことのほか重いので,筆者の提唱する「人間いいかげん史観(p95)」はとても魅力的に映る。

本書は,書き下ろしを含むものの,大半は「スタンダード 反社会学講座」ですでにオンライン公開されている。こちらには新作や「アフターサービス」もある。

新作の中でも,「反社会学講座 第24回 こどもが嫌いなオトナのための鎮魂曲」が面白かった。

「よいこのみんな、チンパンジーは、なにを食べるかわかるかなー?」 「バナナー!」 「ちがいまーす。チンパンジーは、サルを食べるのでーす」 「ちょっと。やめてくださいよ。こどもたち、ひいてるでしょ」

 本当です。五百部裕さんの「アカコロブス対チンパンジー」によると、アフリカの野生のチンパンジーは、1年に平均10kgの肉を食べていますが、その5〜8割はアカコロブスという中型のサルなのです。以前NHKで放送されたイギリスBBCテレビの『ほ乳類大自然の物語』でも、チンパンジーがサルを狩って肉を食らう、ちょっとショッキングな光景が映し出されていました。(前掲webページ)

考えてみれば雑食のチンパンジーが肉を食べるのは当然だし,ジャングルで捉えやすい小型のほ乳類はサルなんだろうけど,その光景を想像するとちょっとぞっとしてしまうな。

上記引用部に紹介されているのは五百部裕さんの「チンパンジーのホーム」。

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